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第44回 黒潮盃(S2)
【予想】
◎ツルオカオウジ
○ハーミア
▲ドラゴンキラリ
△ジーエスライカー
△リュウノボーイ
△ロックハンドスター
△ラヴェル

 デビュー当初からスケールの大きな走りで注目していたツルオカオウジが、前走は歴戦の古馬を一蹴。並ばれても抜かせなかった根性は見処十分。時計通りに走って重賞奪取とみました。休み明けでも関東オークス2着馬ハーミアが本線。実績上位ドラゴンキラリが3番手。

【レース】
 外枠でもスタートダッシュに勝るジーエスライカーが楽にハナ。セイントメモリーがこれを追いかけ、ツルオカオウジは3番手。その外にハーミア。ドラゴンキラリはいつもより早目に中団から。流れは均一の平均ペース。勝負処から叩いてマクって出たのがドラゴンキラリ。一緒になって動いたのがハーミア。内を突いたのがツルオカオウジ。最後の直線、一旦はドラゴンキラリが1馬身ほど出ましたが、内から伸び返したツルオカオウジが首差競り勝って、重賞初挑戦で見事にタイトルを手中にしました。

【上位馬の寸評】
1着 ツルオカオウジ
 昨年の夏シーズンに2連勝。時計は並みですが、追ってバテないスケールの大きな走り、馬っぷりの良さが際立っており、早くからクラシック路線を意識させた馬。惜しくもダービーには間に合わなかったものの、仕上がりが軌道に乗り2連勝。特に歴戦の古馬を相手に競り勝った前走は、1分53秒2の時計とともに実に優秀。このレベルの争いなら格負けもなく、重賞ゲットが濃厚とみていました。レースは好スタートを決めて予想通りの先行策。1コーナーあたりで砂を被ったのか、頭を上げて嫌がる素振り。馬群が切れた処ですぐ外に持ち出し3番手からの競馬。勝負処でハーミア、ドラゴンキラリが動いた際に、多少手応えが怪しくなり置かれましたが、直線にはインに突っ込み再び闘志全開。ドラゴンキラリを首差捕らえました。今回も時計を短縮して1分52秒7。まだ荒削りな面を残しながらのものですから前途洋々。気合乗り十分のパワフルな好馬体。次走が楽しみです。

2着 ドラゴンキラリ
 2歳時から重賞レースの常連で2着2回。クラシック路線ではジリ貧で、3冠レースは5、7、7着。メンバーに恵まれた今回は、正に正念場という一戦でした。この日はプラス8キロの482キロ。元来が脚長でスマートな体型なので、全く太目感はありません。これは成長分とみていいでしょう。仕上がりに関しては文句ないので、あとはこの多頭数をどう捌くかが焦点。レースは好スタートから出たなりの競馬で9番手から。意外にペースが落ち着いたのと、強敵が前にいるのを意識した真島騎手が、早目にマクって出る形。4コーナーでは先行勢を射程圏内に入れ、ゴール1ハロン手前では一旦1馬身ほど抜けましたが、内から伸びるツルオカオウジに惜しくも首差交わされました。負けたとはいえこの馬も1分52秒7の好タイムで駆けているし、積極的に動けたのが注目点で、依然として進化中。ひとつ上のレベルの争いになると?ですが、一度長距離を走らせてみたい。

3着 ハーミア
 紅一点ですが、関東オークスでJRA勢を相手に2着した実績はピカイチ。昨年のこのレースでは、関東オークス2着のツクシヒメが、ダービー2着のブルーヒーローを破り優勝。今年の男馬のレベルを考えれば、チャンス十分とみていました。この日はプラス12キロの494キロ。元々デビュー当初は490キロ台で走っていた馬。全く太目感はありませんが、気合乗りも含めて全体的な気配は今イチ。やはり2ヶ月ぶりの今回、やや急仕上げかなという印象も。レースは戸崎騎手が多少気合をつけて4番手からの競馬。勝負処から早目に動き、一旦はツルオカオウジを交わして2番手へ。最後の直線、外からドラゴンキラリに交わされた際にやや窮屈になるシーンもありましたが、その時点で既に脚はない様子。上位2頭からは離された3着に終わりました。とはいえ、地力を感じさせる競馬内容。叩いての変わり身は十分に見込めるので、今後は牝馬重賞路線の主役候補に。

4着 リュウノボーイ
 いかにも芝向きというスラッとした体型。古巣盛岡の芝重賞オパールカップを楽勝しましたが、ダートでは今イチ決め手が減殺される感じ。実績はヒケを取らずとも、入着ラインの評価でした。この日はプラス3キロの451キロ。もう少し増やしたい気もしますが、ローテーションを考えれば、キープできているとみるべきか。適度に気合も乗り、力を発揮できる仕上がりとみました。レースは出遅れて後方からは定番。直線勝負で外から詰めて4着も、大体予想された結果。今後も芝のレースを狙っていく方針か。

5着 ロックハンドスター
 岩手ダービーを勝った彼地の一番馬ですが、ジャパンダートダービーでは2秒差の9着とレベル差を痛感。ただし均整の取れた好馬体を誇り、一見して走りそうな雰囲気。ペース慣れを見込めば、案外やれそうな感触はありました。この日は増減なしの457キロ。パドックを周回する姿は集中力を保ち、前走よりもいい感じ。毛ヅヤも上々で、暑さを気にしている様子もありません。レースは菅原勲騎手が気合をつけて中団8番手から。勝負処からマクって出て一瞬見せ場がありましたが、結果的には差のある5着。これが現状の実力というところでしょうか。

9着 ジーエスライカー
 2月の雲取賞では逃げ一杯の4着。やや株を下げたところ、続く京浜盃では1700メートルを1分47秒6の好タイムで、後のクラシック好走馬を一蹴と、改めて世代屈指のスピード能力をアピール。今回はそれ以来の実戦。イキナリ初距離の1800メートル、しかも58キロは正直厳しいところですが、その逃げっぷりは要注目でした。レースは好スタートを決めて馬なりでハナと、さすがにスピードは抜群。結果はバテて9着でも、評価は下がりません。この日はプラス18キロの490キロで、見た目の数字通りに太目残り。血統、レースぶりからは明らかにマイラー、スプリンター型。今後その路線を歩んでくれば、重賞路線の主役級まで。