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第7回 スパーキングサマーカップ(S3)
【予想】
◎ディアーウィッシュ
○サプライズゲスト
▲キングスゾーン
△トーセンアーチャー

 前走のサンタアニタトロフィーは3着に敗れたディアーウィッシュですが、追い込み決着を考えれば中身は1、2着馬に匹敵。この頭数なら外枠もむしろ歓迎で、展開不問の◎。相手もマイラーとしての資質が高いサプライズゲスト、キングスゾーンが有望。

【レース】
 1番枠から先手を主張したのは安部キングスゾーン。川島サプライズゲストは、近走と同様にハナには拘らず2番手から。今野ディアーウィッシュも大事に3番手待機。流れはほぼ平均。向正面の半ばを過ぎるあたりからサプライズゲストが動いてペースアップ。これをピタリとマークのディアーウィッシュ。最後の直線は、早目に抜け出したディアーウィッシュが余裕の1着ゴール。サプライズゲストが甘くなったところに殺到した石崎駿ベルモントプロテアが2着に浮上しました。

【上位馬の寸評】
1着 ディアーウィッシュ
 前走のサンタアニタトロフィーは、16頭立て15番枠からの発走で、ややテンに脚を使った分、伸び切れなかった同馬。同じ外枠でも8頭立ての7番枠なら楽で、馬なりで外3番手からの競馬。折り合いも実にスムーズ。サプライズゲストをマークする形で抜け出すと、後続に影も踏ませず余裕の1着ゴールでした。相変わらず気合乗り十分の好馬体で、絶好調キープ。レースぶりから距離は2000メートルくらいまではこなしそうな感じ。この秋の重賞路線でも当然注目すべき存在。

2着 ベルモントプロテア
 休み明けの前走スパーキングレディーCは、JRA勢に完敗を喫した同馬。叩いた今回は中間入念に乗り込まれて体もプラス5キロの494キロと回復傾向。良化気配は窺えました。レースは出たなりで折り合いに専念。少頭数とはいえ馬込みに入ってポジションを上げられず、正味直線勝負。外から詰めて2着まで押し上げました。体調アップに加えて上がりのかかる競馬になったのが幸いしたようです。ただし、難しい面を覗かせつつ2着するあたり、侮りがたい能力があります。

3着 サプライズゲスト
 川崎戦を主体のローテーションで2連勝中。ここ2戦は2番手抜け出しと自在性も出て安定度アップ。当然ここも注目すべき存在でした。レースは予想通りに内枠のキングスゾーンを行かせて外2番手から。近走の勝ちパターンですが、多少折り合いを欠くシーンがあったのと、ディアーウィッシュにマークされる形が厳しかったか…。そのプレッシャーを逃れるべく3コーナー手前から早目にスパートして先頭に立ちましたが、相手にジカ付けされる形。最後の直線、競り負けると、あとはアップアップ。ゴール前、ベルモントプロテアにも交わされて3着に終わりました。体をフックラ映し適度な気合乗り。毛ヅヤも上々。この結果は力負けと言うしかありません。重賞で勝ち負けするには、川崎マイラーズを2着した時のように、単騎逃げが望ましい。

4着 ライジングウェーブ
 昨年5月の大井記念を勝った以降は、頑張っても入着ライン。7歳という年齢、忙しいマイル戦という点からも、少頭数とはいえ印は付け切れませんでした。レースは酒井騎手が気合をつけて出たものの、行き脚がつかず最後方から。道中もポジションを上げられず直線勝負。ベルモントプロテアと一緒になって追い込み4着まで押し上げました。全体時計、上がりタイムともにかかる競馬になったのが幸いしたようですが、久々に見せ場十分の走り。パドックでもこの馬にしては覇気があり、毛ヅヤも上々。いくらか復調気配があるので、この秋、長目の距離のレースでは警戒すべきかも。

5着 キングスゾーン
 南関東でもお馴染みの古豪。8歳を迎えた今年も全国行脚で好成績を残し、4月の船橋では房の国オープンを1着。距離の許容範囲は広い馬ですが、基本的にはスピードタイプで1600メートルは望むところ。この日のパドックでも元気一杯の姿を披露。体付きもこの500キロ前後が一番スッキリして動きやすい感じ。まず好勝負は間違いないとみていました。レースは好スタートから安部騎手が出ムチ連発でハナを主張。ペース的にはそれほど負担が大きいとは思えませんでしたが、3コーナー手前でサプライズゲストに交わされてアウト。決して大バテしたわけではありませんが、挽回する気力は残っていませんでした。無理にハナに拘ったのが裏目に出たのか…。それほど衰えが来ているとは思えず、相手次第ではまだまだ活躍できる。

7着 トーセンアーチャー
 転入後2、10、4着。S3レベルなら善戦できているし、今の川崎コースは少し時計のかかる馬場になっているので、この馬のパワーがモノを言う可能性もあるとみていました。レースはダッシュ鈍く後方から。これは想定内ですが、上がりのかかる競馬になりながら、まるで脚を使えず7着は拍子抜け。この日はプラス4キロの500キロ。体型もありますが、やや太目に映る造り。暑い盛りで、やや調整が難しいようです。例年この時季は休養に充てていた馬。狙いはもっと涼しくなってからでしょう。