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第17回 アフター5スター賞(S3)
【予想】
◎スーパーヴィグラス
○ケイアイジンジン
▲ラインドライブ
△ヤサカファイン
△ナイキマドリード
△コアレスピューマ
△ラストキング

 今年の前半戦では短距離王フジノウェーブの連続2着と、非凡なスプリント能力を発揮したスーパーヴィグラス。脚質自在で展開に左右されないのが大きな強味で、斤量面からも連対は確保できるとみました。昨年の覇者ケイアイジンジン、転入緒戦でもスピード抜群のラインドライブ、その他△勢まで圏内。

【レース】
 注目の逃げ争いは、加速力抜群のスリーセブンスピンがハナに行き、2番手グループはケイアイジンジン、スーパーヴィグラス、コアレスピューマ、ラインドライブなどが雁行の形。中団以降では、ヤサカファインが徐々に内目に馬を寄せて追撃体勢。その一歩前にナイキマドリード。最後の直線は各馬横一線、一瞬は混沌の様相でしたが、速攻で決着をつけたのがヤサカファインです。1頭分あいたところに鋭く切り込み、鮮やかな差し切り勝ち。外伸びたナイキマドリードが2着に押し上げ、スーパーヴィグラスは3着に終わりました。

【上位馬の寸評】
1着 ヤサカファイン
 今年3月、重賞初挑戦の東京スプリング盃(1400)は、フジノウェーブから1秒2差の5着。千二ベターだけに、前進は可能ですが、過去11秒台の持ちタイムがない点。それと差し馬とはいえ16頭立て16番枠はいかにも不利で、△の評価に留めました。レースは出たなりで、内の動向を窺いつつ外10番手から。3コーナー手前から徐々に馬を内に寄せて追撃体勢。最後の直線では内目の馬群に突っ込み、1頭分あいたところに鋭く切り込み抜け出しました。脚があれば多少窮屈になっても抜け出せるという好例。この日はプラス4キロの491キロ。放牧明けの2走前が480キロでちょっと淋しく見えましたが、ハードな追い切りを敢行しつつ馬体増と、いよいよ本調子。交流路線での走りが楽しみになってきました。

2着 ナイキマドリード
 3走前に船橋の千メートルを使った際は、勝負処で置かれてしまい、盛り返したものの4着。明らかに距離不足というレースぶり。その後は千六、千四を連勝。千メートルの直後の千六を楽勝するあたりが、この馬の非凡な能力、レースセンスを如実に示しています。今回は千二ですが、過去2勝の実績があり適性十分。勝ち負けになるとみていました。レースは気合をつけて外6番手からの競馬。終始外目のポジションで機を窺い、直線も外に進路を。上手く立ち回ったヤサカファインには敗れたものの、外伸びて2着に押し上げたレース内容は、勝ち馬にそうヒケを取りません。体をフックラ映して適度な気合乗り。まだまだ成長余力がありそうです。距離は1200〜1400メートルあたりがベストか。今後の短距離路線の主役候補に浮上。

3着 スーパーヴィグラス
 昨年の後半戦からは短距離主体のローテーションで堅実駆け。特にフジノウェーブの2着して千二を1分11秒4で駆けた2月のウインタースプリントが秀逸。勝ち味に遅いのは確かですが、このメンバーで斤量55キロならチャンスとみていました。レースは張田騎手がかなり気合をつけてハナにでも行こうかという勢い。終始2番手グループを進み、最後の直線も他が脱落する中、頑張っていましたが、結果は差し馬2頭に屈して3着。追い込み決着を考えれば健闘の部類ですが、重賞レースを勝ち切るまでのパンチ力に欠けるのは確か。スンナリ先行して一瞬の脚を生かせるような流れが理想。交流レベルになると、尚更厳しそうです。毛ヅヤ上々、馬体も維持できており、体調は文句なし。

4着 ロイヤルボス
 デビューから5連勝してハイセイコー記念を勝った馬ですが、あまりスプリンターというイメージは湧きません。東京ダービーで大接戦の3着があり、どちらかと言うと千六から二千くらいが合っていそう。それと休み明けの前走が2秒1差の13着。この日の気配も、モサッとして太目に映る馬体は相変わらず。とても狙える根拠は見出せませんでした。レースは御神本騎手が気合をつけて行ったものの、後方12番手から。忙しい千二だけにポジションを上げられず、正味直線勝負。外伸びてスーパーヴィグラスにハナ差まで迫る4着は大健闘でしょう。展開に乗じた好走で、これが次に繋がるかは微妙。

5着 ケイアイジンジン
 昨年の当レースは、的場文騎手がギリギリまで追い出しを我慢して、一瞬の脚を生かすファインプレイ。当時は51キロ。今回は55キロ。楽観はできませんが、今年1月のガーネット賞ではスーパーヴィグラスを破っているし、細身の馬体が大分フックラして成長中。的場文騎手が内枠を最大限に生かせば、十分にチャンスがあるとみていました。この日はプラス3キロの475キロ。もっと増えてもいいくらいですが、昨年が457キロですから成長を確信。レースは内で包まれるのを嫌ったのか、的場文騎手がかなり気合をつけてあわよくばハナに行く構え。スリーセブンスピンに行かれて引く形で2番手グループのイン。我慢して直線勝負賭けましたが、叩き合いの追い比べでは分が悪く、離された5着。やはりこの馬の理想はハナか揉まれない外2、3番手。メンバーと、展開次第では、短距離ならいつでもチャンスを掴める。

16着 ラインドライブ
 JRAでは主に短距離でダート5勝。重賞レースでも逃げ争いに加わるほどのスピード馬。調教試験が千五を1分34秒9の好タイム。騎乗するのが戸崎。当然注目すべき存在でしたが、プラス7キロの475キロとはいえ、意外にスッキリした体付き。テンションは高目。逃げも十分に予想されましたが、レースは戸崎騎手が左右の動向を窺いつつ慎重な滑り出し。ただしスピードがあるので2番手グループの1角に。あとは直線勝負でどこまで頑張るかですが、結果はまるで無抵抗に下がり殿り負け。叩き台的な色彩が濃いにせよ負け過ぎ。気性的には逃げ馬なのでは。ハナ切れれば豹変する可能性もありますが、人気になりそうなタイプで馬券的な旨味は? 体はもう少し増やしたい。