都合により掲載されない重賞があります。ご了承ください。
第39回 戸塚記念(S3)
【予想】
◎ドラゴンキラリ
○ハーミア
▲ビクトリースガ
△ポシビリテ
△ミヤビジンダイコ
△ラヴェル
△トーホウデート
△ラスカルキッド

 いつになく早目に動いて2着の黒潮盃が見処十分のドラゴンキラリ。体がボリュームアップして成長を確信。57キロでも最有力とみました。斤量的に有利なのが53キロのハーミア。関東オークス2着の実績からもほぼ互角の評価。3番手は、いかにも距離が延びて良さそうなビクトリースガ。

【レース】
 スピード抜けるジーエスライカーが労せずしてハナ。1周目ホームストレッチから向流しにかけてはお決まりのスローペース。向正面中程で、後方から一気に動いたビクトリースガが先行グループに接近。これに呼応するようにハーミアも動いて俄然ペースアップ。ドラゴンキラリは手応え?で赤信号。最後の直線は早目に抜け出した2頭の争い。ビクトリースガの追撃をガッチリと受け止めたハーミアが、重賞レース初制覇を果たしました。

【上位馬の寸評】
1着 ハーミア
 6月の関東オークスでは、JRAの強豪に食い下がり2着。脚抜きのいい頃の馬場だったとはいえ2分13秒4の好タイム。休み明けの前走黒潮盃は、男馬を相手に強気に勝ちに行く競馬で惜しい3着。馬体も増やして滑り出し上々。二度目の今回、53キロの斤量からも、好勝負は間違いなしとみていました。この日はプラス1キロの495キロ。北海道時代は490キロ台で走っていたし、全く太目感はありません。捌きが硬いのは気になりましたが、いつもこんな感じの馬。力を発揮できる仕上がりと判断。レースは戸崎騎手が多少気合をつけて3番手からの積極策。いつでも動ける好ポジションをゲット。向流しの中間地点を過ぎるあたりでスパートしたビクトリースガが背後に接近。それに合わせるように動いて3、4コーナー先頭。最後の直線は、食い下がるビクトリースガを突き放す形で、文字通りの完勝劇でした。現在の南関古牝馬はどんぐりの背比べ状態だけに、この馬が参戦すれば即主役候補。交流戦でも活躍が期待できそうです。

2着 ビクトリースガ
 今季C1に格付けされて2、1着。大井の多頭数シビアな競馬を凌いで2着。連続レコードV馬チョウサンペガサスなど粒揃いのメンバーを5馬身も千切った前走など、実に中身の濃い競馬。格は下でも十分に食い込むチャンスありとみていました。レースは出たなりでほぼ最後方に近いポジション。動いたのは向正面の中間地点を過ぎるあたりで、一気に先行グループに接近。ハーミアに食いつく形で一旦は馬体を並べるところまでいきましたが、相手もさるもの。最後は突き放されてしまいました。ただし並みの馬なら、ハーミアに受け止められてマクり切れなかった時点で、売り切れになってもおかしくないところ。それが追い込み勢を抑えての2着は価値があります。パドックではいつもオットリして、あまり気合を表に出すタイプではありません。だからこそ距離の融通も利くということか。まだキャリア8戦、これからが楽しみな馬です。

3着 ミヤビジンダイコ
 前走の戸塚記念トライアルでは◎を打ったものの4着。ちょうど今回のビクトリースガと同じようなマクりを打ったものの、売り切れて4着。それを踏まえて、今回は山崎誠騎手が追い込みに徹しました。後方のインでジックリ構えて、前があくのを待ってロスなく内々を進出。最終4コーナーでは5番手。最後の直線も内を突いて前に迫り3着に浮上しました。東京ダービートライアルを勝った際も、派手な殿り強襲劇だったように、この馬はジックリ溜めて本領発揮。意外性のある馬です。パドックではいつもテンションが高く、発汗してイレ込み気味。サクラローレル産駒らしく、脚長でスリムな体型。基本的には長距離向き。

4着 ナイセストスター
 トライアルでは逃げて楽勝を決めた同馬。ただし今回は世代屈指の快速馬ジーエスライカーの存在が目障り。石崎隆騎手がどう運ぶかに注目していたところ、案の定抑える作戦に出ました。インコースの4番手で折り合いに専念。意外に行きっぷりはスムーズ。頑なに自分のペースを守り、最終4コーナーでは離れた4番手。直線は外に回して差を詰め4着。石崎隆騎手らしい競馬を教え込む内容で、今後に繋がりそうです。基本的なスピード能力は高いので、次走の走り注目。

5着 ウインクゴールド
 S3ニューイヤーCを1着。クラシック路線に乗り羽田盃4着。ダービーは14着ですが、逃げ争いに加わるなど、世代有数のスピード馬であるのは確か。問題は休み明けで2100の長丁場でした。この日はマイナス5キロの492キロ。体重の割にスマートな体型の馬で、もう少し増えていて欲しかった。ややチャカチャカうるさいのはいつも通り。レースは好スタートを決めてあわよくば逃げようかという勢い。序盤から中盤にかけては終始2番手。ハーミアとビクトリースガがスパートした際に、後れを取って3番手に下がり、最後の直線はイン粘り。さほど大バテせずに5着は、流れを考えればマズマズでしょう。やはりこの馬は1600くらいが合うマイラータイプ。体を戻してくれば、現在のA3条件でもソコソコやれそうです。

6着 ポシビリテ
 北海道2歳優駿2着、クラウンC1着、羽田盃6着、東京ダービー5着の実績からすれば55.5キロの斤量は有利。ただし稽古の動きが今イチとのことで評価が微妙でしたが…。この日はマイナス9キロの485キロ。羽田盃当時と比べると20キロ減。確かに数字通りこじんまりした感じで、躍動感に溢れていたあの当時の面影がありません。レースは道中9番手から動く気配を見せたものの、ポジションを上げられずに6着止まり。どうみても本来の走りではなく、次走での変わり身に期待。

9着 ドラゴンキラリ
 2歳時から重賞路線にほぼ皆勤賞で、勝てないものの好走多数。世代有数の実力馬であることは確か。前走の黒潮盃はいつにない積極策で2着。真島騎手とのコンビも板についてきた様子。距離の2100も向いているので、57キロでも◎を打ちました。この日はマイナス9キロの473キロ。決して細目感はなく、キッチリ仕上げてきたという感じ。レースは出たなりで中団の7、8番手。これは想定内ですが、向流しでペースアップした際に、まるで対応できずに追っ付け通し。完全にリズムを崩したようで、見せ場なく9着止まりとは案外。極端なペースの緩急に対応する器用さがなかったということか…。一過性のポカとみるべきか…。