▼第10回 JBCスプリント(Jpn1)

【予想】
◎サマーウインド
○ナイキマドリード
▲ミリオンディスク
△ブリーズフレイバー
△ノースダンデー
△スーニ
△シシノテイオー
△アイルラヴァゲイン

 1400メートルでは取りこぼしても1200メートルでは底を見せていないサマーウインド。
スタートしての一完歩目があまり速くないので1ハロン短縮されての1000メートルが
ポイントですが、抜群の加速力で補えるとみました。東京盃が見せ場タップリだった
ナイキマドリードが地の利を生かせば逆転まで。ミリオンディスクは1000メートルが
忙し過ぎる感じも、崩れ知らずの堅実駆けで上位確実。
ブリーズフレイバーはハナ切れればの条件つき。

【レース】
 今回は五分に出たサマーウインドが、無理なくハナへ。アイルラヴァゲイン
ナイキマドリードが2、3番手で、ミリオンディスクは先行グループをマークするように6番手。その直後にスーニ。当然息をもつかせぬハイラップ。3、4コーナーにかけて
ナイキマドリードが2番手に上がり前を追うのは東京盃と同じパターン。
スーニがマクって出て先団に接近。直線に向いてもサマーウインドの脚いろは衰えず
後続を突き放す形で楽勝の1着ゴール。ナイキマドリードが渋太く粘って2着。
内目から追い上げたミリオンディスクが3着に浮上しました。

【上位馬の寸評】
1着 サマーウインド
 ダート千二は7戦7勝。最強スプリンターとして君臨する同馬。
ただし、今回は1ハロン短縮されて千メートル。近2戦がスタート今イチなので
速攻勝負のこの距離で若干の不安はありました。レースはそんな心配も吹っ飛ぶような
好スタート。1番枠のスリーセブンスピンがスタート甘かったこともあり
さほど無理なくハナへ。この時点でほぼ勝利は確定。快調に飛ばし、勝負処から
食い下がってくるナイキマドリードを突き放すとあとは独走。今回の馬場で57秒6の時計も
出色で、付け入る隙を全く与えませんでした。この日はマイナス3キロの521キロ。
均整の取れた好馬体で、巨漢馬のイメージはありません。キビキビ感もあり
正に今が旬という感じ。今後しばらく短距離路線をリードしていくのは間違いなし。

2着 ナイキマドリード
 条件馬というイメージが強かった馬ですが、重賞レース初挑戦のアフター5スター賞で2着。そして前走の東京盃は、サマーウインドを負かしに行き4着。もう少し内目の枠だったら
あるいはという競馬。地の利を加味すればチャンスもあるとみていましたが、今回も外枠が
微妙で対抗馬の評価。レースは川島騎手が気合をつけて2番手。
少し脚を溜める余裕すら見せ3番手に下げましたが、途中から動いて2番手。
サマーウインドを負かしに行く競馬は東京盃と同様で、アワヤと思わせましたが
最後は突き放されて2着。ただし、レース内容は素晴らしい。
初めて千メートルを使った頃に比べると反応が違ってきました。地力強化とブリンカー効果の相乗作用か。体をフックラ映して相変わらず気配上々。次のレースが楽しみです。

3着 ミリオンディスク
 近走は短距離交流路線に狙いを絞り安定感抜群。ただし、サマーウインドに連敗中。
距離の千メートルも若干忙しい感じがあり、逆転までのイメージは湧きませんでした。
レースは蛯名騎手が気合をつけて行ったものの、やはり追走に手こずり6番手。ナイキマドリード、スーニが動いた際も差を詰められず、離れた6番手で直線へ。内目からジリジリ脚を
伸ばしてアイルラヴァゲイン、スーニは交わしましたが、3着までが精一杯でした。
この馬なりの走りはできたと思いますが、どうみても千メートルは忙しい。この馬の場合は1200〜1400メートルがベストディスタンスでしょう。
パドックを周回する姿はキビキビ、伸びやか。毛ヅヤも上々で、相変わらず良く見せます。

4着 スーニ
 昨年の当レースの優勝馬ですが、距離が1400→1000メートルへ。今年千二の
東京スプリントを勝った際が、1分12秒2の凡タイム。スタートも含めて多少ズブくなっている今のこの馬に、千メートルはいかにも忙しい。危険な人気馬とみていました。
この日はマイナス7キロの465キロ。体重以上に大きく見せる馬で、落ち着きもあり好気配。馬を一見した後は、微妙に評価アップ。レースは川田騎手がかなり気合をつけて
行ったものの、やはり出脚ひと息で7番手から。途中から追い上げを図り4番手まで進出。
2着争いには加われそうな感じもありましたが、最後は無理がたたって4着。
それなりに収穫はあったと思います。千メートルを使ったことが刺激になれば
次はもう少し反応が良くなるかも。

5着 アイルラヴァゲイン
 JRAでは専ら芝路線。近走はダートでも結果を出していますが、交流路線のメンバーに
混じってどこまでやれるか未知数の部分が多過ぎました。スタート直後に芝がないコースは初めてとのことですが、特に影響はなくサッと2番手へ。さすがにスピードは非凡です。
ただし、3コーナー過ぎにナイキマドリードに交わされ3番手。前を追うという脚力、気力は
感じられません。決して大バテしたわけではありませんが、流れ込む形の5着が精一杯。
これが実力といことでしょう。ダートの交流路線を歩んできている馬はそんなにヤワじゃない。

8着 ノースダンデー
 昨年の当レースでは、フジノウェーブに先着の4着と、地方馬では最先着。
ただし、今年は休み明け。しかも距離が1400→1000メートルでは劣勢は否めませんでした。ただし、気配的には、5月のさきたま杯3着、6月のゴールドカップ2着の時よりも気合乗り
毛ヅヤが改善されて悪くない。レースは案の定追走に苦労して後方11番手から。
追い上げる姿勢は窺えたものの、この距離では余裕がなく8着止まり。
次走1400〜1600メートルの適距離なら注目したい。

13着 ブリーズフレイバー
 休養前は地元千二で1分11秒台を連発。快速で売り出し中の3歳。
ただし、4走前に圧倒的な1人気を裏切った際は、抑える競馬を試みて意外に伸びず2着。
現状はハナ切れないと力を発揮できない様子。このメンバーで行き切れるかどうか
安心はできませんでした。レースは好スタートを決めて坂井騎手が懸命にしごいて
行きましたが、行き切れずに、馬込みにモマれつつジリ退。キャリア不足を露呈する格好。
休み明けとはいえ気配は非常に良かったので、ハナに行けるメンバーなら当然豹変がある。