第10回 JBCクラシック(Jpn1)

【予想】
◎シルクメビウス
○フリオーソ
▲オーロマイスター
△セレン
△スマートファルコン
△ラヴェリータ
△アドマイヤスバル

 3歳時にジャパンダートダービーに参戦した当時に比べると、ひと回り逞しくなり決め手に
磨きがかかったシルクメビウス。今回の馬場ならそう極端な高速決着になるのは
考えられないので、追い込みが間に合うとみました。当然フリオーソが相手本線。

【レース】
 2番枠のマグニフィカが逃げて3番枠のフリオーソが2番手。こういった川島ラインの先導を予想していましたが、それを崩したのが大外枠の武豊スマートファルコンで
内に切れ込むようにして自然にハナへ。フリオーソは目標を切り替え追って2番手。
オーロマイスター、アドマイヤスバルと続いて、シルクメビウスは中団の外目。
セレンは例によって後方。超ハイラップで飛ばすスマートファルコンが3コーナーあたりから
リードを広げ、2番手のフリオーソは手応え今イチ。シルクメビウスが4番手まで進出。
十分な貯金があったスマートファルコンが、7馬身差の圧勝。
フリオーソが辛うじて2着を確保しました。

【上位馬の寸評】
1着 スマートファルコン
 1400メートルから2100メートルまでの交流重賞を10勝の実績は認めても
昨年の浦和記念では2秒9差の7着と大敗。6月の帝王賞では6着。
前走の日本テレビ盃では、2キロ重いフリオーソに完敗。GTで同斤57キロの今回
逆転までのイメージは湧きませんでした。レースは外枠から内に切れ込むようにして
無理なくハナへ。前半3ハロンのペースは日本テレビ盃とほぼ同じですが、4ハロン目
5ハロン目のラップが落ちず、1000メートル58秒1(日本テレビ盃は60秒3)は、今回の馬場を考えると異例のハイラップ。すっかりペースを乱されたフリオーソが手応え?に対し
こちらは快調に逃げ脚を伸ばし、3コーナーからは離し気味に。直線の入口あたりでは
ほぼセイフティリード。7馬身差の圧勝劇に終わりました。差しに構えて逆転は
難しいと判断した鞍上予定の作戦でしょう。絡まれずに気分良く走れた際は、かなりの
ハイラップでも我慢が利くことを証明。今後はこのパターンで押すことになりそうです。
この日はマイナス2キロの499キロ。懸念したイレ込みはなく好気配。
再び存在感が大きくなってきました。

2着 フリオーソ
 前走の日本テレビ盃は、トランセンドとスマートファルコンの激しい2着争いを尻目に
危なげない勝ちっぷり。この中間に多少順調さを欠いたようですが、最終追いは
キッチリ行っているし、力は発揮できるとみました。この日はマイナス3キロの507キロ。
いつも通りの好馬体で好仕上がりと判断。レースは戸崎騎手が同厩マグニフィカの動向を
窺いつつ先行。ただし、外からスマートファルコンが一気に行ったので、目標を切り替えて
これの2番手へ。これは想定内でしょうが、スマートファルコンがペースを緩めず
ガンガン飛ばしたので、追っ付け追っ付け追走する破目に。相当負担が大きかったのか
3コーナーあたりでは苦しくなり離され気味。一応2着は確保したもののよもやの完敗でした。単純な上がり3ハロンの比較では日本テレビ盃が36秒2に対し、今回は40秒2と、4秒も
余計に要す始末。自分のペースを守っていればもっと楽に2着できたでしょうが、立場上は
勝ちに行くしかないので仕方ありません。それとやはり調整面で誤算があったのか…。
今後スマートファルコンと顔が合う際に、作戦が難しくなってきました。

3着 アドマイヤスバル
 昨年はJBCスプリント2着ですが、今年はクラシックの方を使ってきました。
今年もかしわ記念3着、帝王賞4着と相手なりに走る堅実さは買えるものの、GTを
勝ち切るまでの切れ味は? それと酷暑の影響でやや体調を崩していたとのことで
この日はマイナス12キロの506キロ。馬っぷりがいいので細目感はありませんが
少し気合が不足しているかなという印象も。レースは小牧騎手が気合をつけて内4番手から。この馬としてはかなり積極的な運び。3コーナー過ぎにはフリオーソの直後のイン。
このあたりでは2着もありそうな雰囲気。最後は同じ脚になってしまいましたが
この厳しい流れを前々の競馬で頑張れたのは収穫。7歳馬で大幅な上積みは疑問ですが
メンバー次第では十分チャンスがありそうです。

4着 シルクメビウス
 3歳時にジャパンダートダービーを2着。その際は体重の割に(476キロ)案外スリムな
印象。現在は490キロ台に乗り、前走のブリーダーズゴールドカップでは
カネヒキリを並ぶ間もなく交わす圧勝。今回の馬場状態ならそれほど極端に速い決着に
なるとも思えないので、この馬の追い込みが間に合うとみました。
この日は増減なしの492キロ。仕上がり切った体付きで、あと10キロくらい増えても
いい感じ。少しテンションが上がり気味なのも気になりました。レースはヤンワリ出て
中団8番手から。有力処が前にいるのを意識して早目の仕掛け。直線の入口では4番手まで取り付きましたが、そこまでに脚を使ってしまいお釣りなし。正味目イチの4着でした。
もう少しジックリ構えていれば2着はあったか…。ただし、東京大賞典を使ってきても
それほど高い評価は?

5着 ボンネビルレコード
 6月の帝王賞では3着していますが、現在のこの馬の場合は、交流重賞では
あくまでも伏兵扱いの入着ライン。今回も大体力通りの結果に終わりました。
レースは後方11番手をジックリ進めて直線だけ外から詰めて5着。体調は安定しており
南関同士の競馬なら主役級。

6着 セレン
 時計の速い決着では限界がありますが、多少時計がかかる今回の馬場ならソコソコ
やれそうな感触はありました。レースはスタート躓いて後方10番手から。
これは想定内としても、ハイラップにまるで対応できず、終始圏外のまま6着。
以前は1600〜1800メートルくらいの差し馬とみていましたが、今は2000メートル以上の
長目の距離。楽に追走できる流れの瞬発力勝負が合っていそう。
フックラと丸味を帯びた体付きで、調子は申し分ありません。

10着 オーロマイスター
 前走の南部杯は、エスポワールシチーを破りレコード勝ち。グランシュヴァリエあたりが
見せ場十分の3着だっただけに、即飛びついていいか微妙な面もありましたが
勢いに注目して▲を打ちました。レースは吉田豊騎手が気合をつけて3番手から。
ところが勝負処からは、ほぼ併走のアドマイヤスバルがポジションを上げて行くのに対し
こちらは後退気味。結果は10着と惨敗。もう少し脚抜きのいい馬場が合っているのか。
それと1800メートルは微妙に長いか。条件さえ揃えば、この馬のスピードは脅威。