第31回 浦和記念(Jpn2)

【予想】
◎スマートファルコン
○ボランタス
▲ブルーラッド
△ロールオブザダイス
△ドリームトレジャー
△ディアーウィッシュ

 JBCクラシックでは、フリオーソ以下になし崩しに脚を使わせて楽勝を決めた
スマートファルコン。やはり気分良く逃げた際の強さは格別で、ここも同様の戦法で
勝ちっぷりのみ注目。距離的にボランタス、ブルーラッドの川崎勢が相手に有力。

【レース】
 好スタートからハナに行ったのはスマートファルコン。これを2番手でマークしたのが
ディアーウィッシュ。ボランタスが積極策で3番手。その直後にブルーラッド。ペースはスロー。淡々と流れ、勝負処からディアーウィッシュがスマートファルコンに並びかけようとしますが、振り切られる形で独走態勢に。スマートファルコンが上がり3ハロンを36秒7でまとめ
6馬身差の圧勝。甘くなったディアーウィッシュを捕らえ、ボランタスが2着に浮上しました。

【上位馬の寸評】
1着 スマートファルコン
 JBCクラシックで念願のG1奪取。その内容も、超ハイラップを刻み、フリオーソ以下に
なし崩しに脚を使わせての圧勝。このレースは昨年痛い目に遭っていますが、まともなら
当然負けられない一戦です。この日はプラス1キロの500キロ。相変わらず馬っぷりが
いいし、何より以前に比べると見違えるほど馬が落ち着いてきました。
レースは好スタートから馬なりでハナ。カーッとなってリズムを崩した昨年とは違い
実にスムーズな逃げっぷり。勝負処からディアーウィッシュが動いて来ましたが
3、4コーナーでこれを振り切るとあとは独走。他馬に付け入る隙を全く与えませんでした。
やはりダートでは現役最強レベルを再確認。来年も交流路線で勝ち星を積み重ねそうです。

2着 ボランタス
 スタート直後に挟まれ、しかも躓いて置かれながら、マクり切って千切ったゴールドCが
インパクト大。休み明けの前走、東京記念は5着に終わりましたが
基本的には叩き良化。距離の2000メートルも全く問題はないので、2着候補の筆頭と
みていました。この日はプラス1キロの539キロ。見映えする好馬体で適度な気合乗り。
良化の手応え十分。レースはスタートの一完歩目はひと息でも、まずは無難な滑り出し。
1周スタンド前では内3番手の好ポジションに潜入。2周目の勝負処でディアーウィッシュが動いてハロンラップ11秒7と忙しくなった際に少々置かれましたが、持ち前の息の長い
末脚を駆使してジリジリ追い上げ、バテたディアーウィッシュを交わし2着に食い込みました。今回に関しては流れが向いたのが好走の要因。この馬の場合は、もう少しメリハリを利かせた競馬の方が強さを発揮しそうです。

3着 ディアーウィッシュ
 今年マイルの重賞を2勝。前走の埼玉栄冠賞は6着に終わりましたが、ひと息後のためか気合乗りサッパリ。距離の2000メートルは問題ないとして、叩いての
良化度合いがポイント。信頼性は今イチとみていました。
この日はマイナス6キロの522キロ。馬っぷりは上々でも、全体的な気配は
連勝時に比べると物足りない感じも。レースは好スタートから馬なりで2番手へ。
これは大体予想通りの展開。2周目3コーナー手前からスマートファルコンに
並びかけようとしましたが、さすがにそれは果たせず、3、4コーナーでは今野騎手の手が
盛んに動いて離され気味。懸命に頑張ったものの、最後はボランタスに交わされ3着に
終わりました。もう少し大事に乗っていれば楽に2着はあった競馬でしょう。
でもこれが競馬だから仕方ありません。S2S3レベルの重賞ならいつでも主役候補。

4着 ブルーラッド
 昨年のこのレースでは、逃げるスマートファルコンを3コーナーで交わして楽勝。
以降1年未勝利ですが、盛岡のマーキュリーCではカネヒキリの2着。実力下降線の
印象はなく、このメンバーなら2着候補の一角とみていました。
この日はプラス8キロの475キロ。デビュー以来最高の数字ですが、決して太目感は
ありません。パドックを周回する姿もキビキビ感があり好気配。レースは御神本騎手が
気合をつけて4番手から。ポジション的には昨年と同様ですが、勝負処からの
ペースアップに対応できず、ムチが入っても置かれ気味。最後は差を詰めてきましたが
4着に終わりました。この馬の実力からするとやや物足りない走り。
まだ中身が伴っていないということか…。

5着 ドリームトレジャー
 JRAでのダート経験は未勝利戦での一度のみで、芝の中長距離路線。
それが転入緒戦の埼玉栄冠賞でブルーラッドを破る金星。ダートへの対応力と
長目の距離への高適性をアピール。このメンバーに入っても、展開がもつれれば
出番ありとみていました。この日はプラス2キロの475キロ。パワフルな好馬体で
適度な気合乗り。一見してダートはこなして当然という体付き。デキは申し分なしと判断。
レースはスタートで躓いたのが誤算で前半は殿りから。途中からポジションを上げて
最終4コーナーでは5番手まで上がりましたが、既に余力がなく5着が精一杯。
切れるというよりは、前々で粘る競馬が合うので、今回の形ではきつかった。
次走で改めて注目。

6着 ロールオブザダイス
 昨年の東京大賞典で僅差の3着。年明けて平安ステークス1着。
その実績からは重い印が付いて当然の馬ですが、近走のレースぶりが低調で勢いに陰り。△に留めました。この日はプラス1キロの449キロ。体型的なものでややコロンと映りますがいつもこんな感じの馬。決して気配は悪くありませんでした。レースは道中5番手を進み
最後の直線は内を突いて目イチの6着。見せ場らしい見せ場はなし。
大賞典3着をいつまでも過大評価するのは危険。