第2回 勝島王冠(S3)

【予想】
◎ロイヤルボス
○ボンネビルレコード
▲バロズハート
△マズルブラスト
△ツルオカオウジ
△イーグルショウ

 前走の準重賞ムーンライトCで久々の勝利を収めたロイヤルボスが、稽古快調で
完全復調の気配。距離の1800メートルも、3歳時に2000メートルのダービーで
アンパサンド、フリオーソと0秒1差があれば不安なし。混戦を断つとみました。
実績上位ボンネビルレコード、転入緒戦でもスピードのありそうなバロズハート
安定勢力のマズルブラストなどが相手。

【レース】
 出遅れながらも気合をつけてバロズハートがハナへ。グラストップガンが2番手に行き
ツルオカオウジ、ルクレルクの並び。マズルブラストは先行グループの直後で
ボンネビルレコードは馬群が切れた中団より後ろ。ペースはやや遅目。最後の直線は
一旦先頭に立ったグラストップガンを目がけて内外から追い込み勢が殺到。
その中でもスーパーパワーの切れ味が格別で、外から一気に突き抜けました。
内から外に切り替えたボンネビルレコードが2着。

【上位馬の寸評】
1着 スーパーパワー
 千八専用ランナーで、息の長い末脚がセールスポイント。ただし、走破タイムは平均して
1分53〜54秒台。51秒台の決着が予想されるここは、時計の比較で厳しいとみていました。この日はマイナス12キロの533キロ。いつも太目に映る馬だけに、これは絞れた分。
大人しいのはいつも通り。少なくとも前走以上のデキと診断。レースは案外スタートまともに出て11番手から。ボンネビルレコードの直後。3コーナー過ぎからマクって出て直線の
入口では外6番手まで進出。持ち味の追っても追ってもバテない末脚をいかんなく
発揮して、豪快に突き抜けました。体調アップを見込んでも、持ちタイムを2秒以上も
詰めるとは驚き。この競馬ができれば、当然今後の重賞路線でも注目株。
長距離の大井記念や東京記念を走らせてみたい。

2着 ボンネビルレコード
 歴戦の猛者も、一昨年の日本テレビ盃以降は未勝利。距離、メンバーからここなら
というところですが、多頭数をどう捌くかがポイント。絶対視は禁物とみていました。
この日はプラス3キロの484キロ。地元でもう少し増えていい気もしましたが、馬には
活気がありいい雰囲気。力を発揮できる仕上がりと判断。レースは的場文騎手が気合を
つけて外枠から内に寄せ、ちょうど馬群が切れた内10番手へ。マズマズのポジションを
ゲットしましたが、外マクったスーパーパワーとは対照的に、こちらは終始内々。
最後の直線も内に入り前が壁。それを避けてゴール1ハロン手前から外に進路を
切り替えましたが、時既に遅し。いち早く抜け出したスーパーパワーの後塵を拝しました。
ペースが上がって展開がバラければともかく、スローペースのインに入り、踏み出しの
タイミングが遅れたのが敗因。それでも衰えぬ実力をアピールする競馬内容。
南関限定の重賞レースならまだまだ主役級。

3着 サイレントスタメン
 ダービーで大逆転勝利を収めた後は未勝利。稽古は動くようになっているし、体付きも
悪くないのに成績が挙がらないのは能力的な限界? それと斤量を背負うケースが
多いのも不利。ここも恵まれての掲示板(4、5着)くらいかなとみていました。
馬の気配はここ一連と変わらずで、好調キープと判断。レースは例によって出遅れ気味のスタートで後方から。腹を括って直線勝負にかける金子騎手得意の戦法で、ロスなく内を
回り直線も内目を縫うように進出。ゴール寸前3着に浮上。
馬券に絡んだのはダービー以来。今回はハマったとみるべきで、次に繋がるかは疑問。

4着 マズルブラスト
 ボンネビルレコードと同世代の古豪。今季緒戦のムーンライトCを2着と滑り出し上々。
昨年セレンの2着したこのレースで好勝負確実とみていました。この日はプラス2キロの
538キロ。威圧感タップリのパワフルな好馬体は健在。気合乗りも上々で、8歳という年齢を感じさせません。レースは戸崎騎手が気合をつけて外6番手から。
最近は多少ズブくなっているので、大体予想されたポジション。勝負処からマクって出て
4番手に進出。最後の直線も一進一退の攻防に加わっていましたが、残り1ハロンあたり
から追い込み勢に殺到されて4着。理想的に運んだのに決め手負けの形。
見た目とは別に、年齢的にはやや下り坂とみるべきか…。
現状、もう少し長目の距離の方が競馬はしやすいかも。

5着 ロイヤルボス
 この馬のレースで印象的なのは東京ダービー。最強世代のアンパサンド、フリオーソと
デッドヒートを演じ、0秒1差の3着。その後は期待外れですが、前走のムーンライトCで
久々の勝利。その勝ちっぷりはなかなかパワフル。距離の1800はもちろん心配ないし
あとひと絞りしてくれば更に前進可能とみて◎を打ちました。
この日はマイナス1キロの531キロ。体型的なものでやや太目に映りますが、前走時に
比べると活気があり、納得の仕上がり状態。レースは意外に御神本騎手が慎重に
運び中団9番手から。脚質を考えると、ちょっと後ろ過ぎる感じ。
そのポジションを上げられず、正味直線勝負。勝負が決した後に差を詰めたという程度の
5着は不完全燃焼。ペースを考えても、もう少し序盤から積極的に攻めた方が
良かったのでは。次走で改めて注目。

10着 ツルオカオウジ
 千八専門のローテーションで黒潮盃を含め3連勝。前走はひと息後ながらA3・B1の
交流戦を2着と、昇り調子の3歳。古馬相手の重賞でも、ソコソコやれる感触はありました。この日はプラス5キロの536キロ。迫力満点の好馬体で毛ヅヤ上々。
いかにも勢いを感じさせます。レースは町田騎手が気合をつけて外3番手からの競馬。
多少折り合いを欠くシーンも。3、4コーナーでは手応えが怪しくなり、10着敗退は意外な
結果。古馬相手の重賞はハードルが高かったいうことでしょうか。

14着 バロズハート
 JRA5勝の実績。調教試験、追い切りともに破格のタイムをマークと、注目の一頭。
一見して逃げられそうな展開面からも気になる存在でした。この日はJRAの最終戦から
プラス1キロの513キロ。体重の割にボリューム感はありませんが
それだけスッキリ仕上がっているということ。あとはどこまで息が保つかでした。
レースは出遅れ。ただし、他に何が何でも逃げたいという馬がおらず、楽にハナへ。
ペースを落として逃げましたが、最後の直線では2番手のグラストップガンに早々と
交わされて急激に失速。14着に終わりました。成績は別にして、レースぶりからは
短距離向きの印象。計算はしづらいタイプです。