第4回 東京シンデレラマイル(S3)

【予想】
◎ザッハーマイン
○プリマビスティー
▲テイエムヨカドー
△オークヒルズ
△ヒロアンジェロ
△フヨウ(出走取消)
△トーセンバスケット
△ラインジュエル

 クイーン賞はミラクルレジェンドに競り負けたザッハーマインだが、これは相手悪し。
上がり3ハロン36秒5の瞬発力で突き抜けたTCKディスタフのレース内容から
南関の牝馬同士なら実力ピカイチ。馬格から斤量の58キロも不安はなく堅いとみました。
馬体の充実顕著なプリマビスティー、安定株テイエムヨカドーが相手本線。

【レース】
 ザッハーマインの逃げを予想していたところ、意外に行き脚がつかず中団から。
外枠からバックアタックが逃げ、2番手エフテーストライク、3番手オノユウと人気薄が先導。ザッハーマインとプリマビスティーは中団。オークヒルズ、テイエムヨカドーなどは後方。
ペースはスローに近い平均。完全に決め手勝負になり、うまい具合にがら開きになった
インを突いてザッハーマインが抜け出し1着ゴール。対照的に外伸びたプリマビスティーが
2着に入り、人気同士の決着になりました。

【上位馬の寸評】
1着 ザッハーマイン
 上がり3ハロン36秒5の瞬発力で突き抜けたTCKディスタフが圧倒的な強さ。
これは牝馬交流重賞でも勝ち負けできる器と判断。案の定クイーン賞では早速2着と好走。南関牝馬同士なら、58キロでも死角なしとみていました。この日はマイナス3キロの
499キロ。抜群の馬っぷり、踏み込みの力強さ、満点の気合乗り。とても牝馬とは
思えません。更に勝利を確信。レースは両隣のラインジュエル、ジョーイロンデルが
スタートが良かったこともあり、やや挟まれ気味で逡巡する形。結局落ち着いたのが内9番手とは予想外。ペースを考えると危険なポジションですが、馬の実力を信頼してのことか
的場文騎手は腹を括ってジックリ我慢。幸い最後の直線は内がガラッと開いて
ラストスパート。決め手の違いを見せつけて突き抜けました。終わってみれば相手なりの
楽勝。明けて6歳ですが、まだ変わり身が見込めそうな好馬体。JRAからかなりの強豪が使ってきても、牝馬重賞では間違いなく主役級。

2着 プリマビスティー
 1年前の東京2歳優駿牝馬を勝って以来未勝利。ただし、前走のロジータ記念は距離?
ながら3着と好走。当時体がプラス9キロは好感だし、あれほどテンションが高かった馬が、妙に落ち着いていたのが印象的。この日は更にプラス7キロの462キロだから、
2歳優牝の437キロに比べると随分増えています。ややコロンと映りましたが
キッチリ稽古を消化してこれですから、充実の証ととっていいでしょう。それとパドックでは
集中して周回、むしろ大人しいくらい。本当に変わってきました。レースは左海騎手が
気合をつけて外9番手から。ほぼザッハーマインと同じポジション。馬込みの中を
仕掛けて追い上げる運びは決して楽ではありませんでしたが、4コーナーで大外に
回してようやく展望が開ける形。長く脚を使い2着に食い込みました。ザッハーマインに
離されたとはいえ、なかなか中身の濃い走り。この分でいくと案外距離はこなしそうです。
牝馬重賞路線に楽しみな馬が加わってきました。

3着 ラインジュエル
 昨年はTCKディスタフとこのシンデレラマイルを2着。ただし、今年は休養を挟んで
不振続き。稽古は動いていても、信頼しづらい面がありました。この日はマイナス1キロの
466キロ。休養明けのレースが488キロ。そこから5戦目で、絞り込んだというよりは
ややスッキリし過ぎた感じも。その他特に変わった気配はありませんでした。レースは
二度目の騎乗となる柏木騎手がかなり激しく気合をつけてイン4番手の
好ポジションをゲット。ペースを考えるとこの積極策は大正解。流れに乗って最後の直線も内を突きましたが、決め手負けの形で3着。正味目一杯の競馬ですが、久しぶりに
存在感をアピール。この馬は少しギリギリに見えるくらいの方がいいんでしょうか…。

4着 フサイチミライ
 今年は期待されつつも未勝利。年齢的にピークを過ぎた感じは否めないし、休み明け
斤量の58キロを考えると、印は回りませんでした。この日はマイナス12キロの444キロ。
休養前がやや太目に映ったし、この馬の好走例は440キロ台が多い。絞れたとみるのが
正解で、気合も乗り雰囲気は悪くありませんでした。レースは珍しくスタート五分に出て
内8番手からの競馬。ジックリ溜めて直線は外から差を詰め4着。斤量を考えれば
頑張ったとみるべきか。もう少し条件に恵まれれば、という気はしますが、あくまでも
人気薄の際の狙い。

5着 テイエムヨカドー
 今年は荒尾の重賞、霧島賞を優勝。重賞レースの常連になるなど、実りの多い1年。
速い流れを追いかけて5着に粘った前走のクイーン賞も悪くない内容。
南関の牝馬同士なら、格的にも勝ち負け確実とみていました。この日はマイナス3キロの
471キロ。特に目立つ気配ではなく、順調という感じ。レースはいつになく後方に
置かれて13番手から。最終4コーナーでも後方のポジションでは競馬になりません。
5着ならむしろ詰めた方でしょう。ただし基本的に寒い時季はあまり良くないのかも。

6着 オークヒルズ
 前走の川崎戦は、男馬の準オープンクラスを一蹴。勢い付いての参戦なら、斤量の
54キロからも怖い一頭とみていました。この日はマイナス1キロの470キロ。
体をフックラと映し、いくらかうるさいくらいに活気がある。なかなかいい状態と判断しました。レースは繁田騎手が気合をつけても行き脚がつかず後方12番手から。動くに動けず
正味直線勝負になり、内から詰めて6着。やや不完全燃焼の競馬でした。
次走自己条件での反撃を期待。

12着 ヒロアンジェロ
 転入2戦目のトゥインクルレディー賞を快勝したかと思えば、次走のTCKディスタフは
殿り16着と掴みづらいタイプ。△を打ったのは、一応おさえ程度には、という気持ち。
この日は少しレース間隔があいてプラス12キロの510キロ。意図的に調教を軽くしたのが影響したのかもしれませんが、それほどの太目感はなく、マズマズの仕上がりと判断。
レースは坂井騎手が気合をつけて外4番手から。ペースを考えると絶好のポジションを
占めながら、最後の直線では無抵抗に失速。中身が伴っていなかったということか。