第47回 報知オールスターカップ(S3)

【予想】
◎ボランタス
○マルヨフェニックス
▲ブルーラッド
△タンゴノセック
△マグニフィカ
△シーズザゴールド
△グランシュヴァリエ

 前走の浦和記念はスマートファルコンの2着。ようやく南関の水に馴染み、明け7歳とはいえ今が旬という雰囲気。メンバー有利なSV戦で長距離も歓迎なら勝てるとみました。マルヨフェニックスは左回り微妙も地力上位。ブルーラッドはここにきて復調気配。もつれてタンゴノセックが浮上。

【レース】
 予想通りに戸崎マグニフィカの逃げ。これをマークして積極的に進めたのが、的場文騎手に手替わりしたグランシュヴァリエ。3番手に御神本ブルーラッド。尾島マルヨフェニックスは中団。山崎誠ボランタスは例によって後方から。残り800あたりからボランタスが一気に動いて先行グループに接近。それを察知したブルーラッドもスパートしてレースが急展開。大外に回したボランタスの手応えは抜群で、楽に突き抜けました。ブルーラッドが2着を死守。展開に乗じたタンゴノセックが3着。

【上位馬の寸評】
1着 ボランタス
 JRAダート5勝でオープン在籍の割に地味な印象を受けましたが、俄然存在感をアピールしたのが昨年6月のゴールドC。二重、三重の不利を被り大きく置かれながら、強引にマクり切って突き抜けた勝ちっぷりは、完全に役者が違うという競馬。秋に復帰後2戦目の前走浦和記念をスマートファルコンの2着。中間の気配が更にアップなら負けられない一戦とみていました。この日はマイナス5キロの534キロ。体が絞れて活気もあり、納得の仕上がり状態。レースはスタートひと息とはいえこの程度は織り込み済み。序盤は後方を進み、向正面の中間地点を過ぎるあたりから無理なくスパート開始。3コーナーでは既に先頭に並びかける勢いで、直線入口では早くも先頭。3頭雁行の他2頭、ブルーラッド、グランシュヴァリエとの脚いろの差は歴然で、全く危なげない勝利でした。今のデキなら、交流重賞でもソコソコやれそうな気がします。

2着 ブルーラッド
 スマートファルコンを3コーナーで抜き去って楽勝を決めた一昨年の浦和記念。カネヒキリの2着した昨年のマーキュリーCのイメージが強く、割と人気になるタイプ。近走のレースぶりからはやや行き詰っているという印象があり信頼度?という気もしましたが、それでもこの組み合わせなら有力な一頭とみていました。この日はマイナス3キロの472キロ。フックラと映して適度な気合乗り。気配的にはここ一連と同等。レースは好スタートから御神本騎手が気合をつけて外3番手からと、この馬の好走パターン。ジックリ構えていたところ、向流しでボランタスがスパート。それに後れを取ってはならじと動いたので、終いはやや一杯加減に。それでもデキの良さと地力で2着を死守しました。南関トップクラスの実力馬であることは間違いありませんが、今ひとつパンチ不足。

3着 タンゴノセック
 長距離経験は、昨年の大井記念で5着。エンジンの掛かりが遅いタイプだけに、合わないはずはない。展開がもつれれば食い込み可能とみていました。この日はマイナス2キロの492キロ。悠然とパドックを周回する姿は風格があり、デキは上々と判断。レースはヤンワリ出て後方からとワンパターン。有力馬のスパートより、ワンテンポ遅らせて進出開始。直線の入口では5番手まで取り付き、終いはジリジリという感じで3着。いつもほどの切れ味が発揮できなかったのは、メンバーがメンバーだけに仕方ないところでしょう。この馬が突き抜けるとすれば、ペースが速くなるもう少し短目の距離なのか…。個性派として得がたい存在ではあります。

4着 ブンブイチドウ
 クラシック路線で好走した明け4歳の実力処が枕を並べて討ち死にした中にあって、この馬だけは2着争いに加わって何とか面目を保ちました。この日はプラス1キロの500キロ。やや気負い気味なのはいつも通り。馬っぷり上々で雰囲気は悪くありません。チークピーシズ装着。レースは出たなりで外9番手から。ほとんどタンゴノセックと同じパターンでレースを進め、4コーナーでは5番手。2着争いには加わりましたが、インパクトの薄い走り。2歳の早い時期から使い込んできた馬で、今ひとつ成長力に乏しい。

5着 グランシュヴァリエ
 昨年は高知への移籍緒戦でこのレースに挑戦。8番人気でマズルブラストの2着と好走。2走前の南部杯ではアワヤの見せ場を作って3着と、油断できない存在です。この日は増減なしの485キロ。南部杯の時でも、まだ夏負けが尾を引いているのかモサッとしていましたが、今回は活気が出ていい感じでした。レースは急遽手替わりした的場文騎手の積極策で3番手からの競馬。2周目3コーナーでは一旦先頭に踊り出る勢いでしたが、1、2着馬のプレッシャーに押し潰される形で5着。ただし競馬内容としては3着くらいの価値は与えていい。本質的にはもう少し短い距離の方が合っている馬。いずれ穴をあけそうです。

6着 マルヨフェニックス
 過去2回このレースを使って4、8着。どうもコーナーリングが悪く左回りはスムーズでない。一昨年の川崎スパーキングサマーCを勝ってはいますが、安心はできないというのが正直なところ。それでも地力に期待して○を打ちました。この日はマイナス7キロの485キロ。これは絞れた分と判断。集中力もあり好気配でした。レースは尾島騎手がかなり気合をつけて外6番手から。勝負処で4番手まで取り付きましたが、手応え?でここまでが精一杯。離された6着に終わりました。ターンの回数が多いと、どうしても気を使って消耗してしまうのか…。右回りで見直したい。

10着 カキツバタロイヤル
 サンタアニタトロフィーではボンネビルレコードを破り重賞ゲット。次走は一転して長距離の東京記念を使い3着と、実り多かった昨年。ただし、今回は2ヶ月半ぶりの実戦。調教はソコソコ積んでいるものの、馬格の割にタフに使い込んで頑張り抜いてきた馬が一頓挫してどうか…正直半信半疑でした。この日はマイナス4キロの423キロ。小柄ながらそう細くは見せない馬で、気配的にはいつもと同じ。レースはスタートひと息。本多騎手がかなり気合をつけてイン4番手。ただしそのポジションをキープするのに汲々として追い通し。これでは長距離戦でスタミナが保つわけがなく、大敗を喫しました。本調子に戻るまでには少し時間がかかるかもしれません。

11着 マグニフィカ
 ジャパンダートダービーでは並居るJRAの強豪を抑えて凌ぎ切った同馬。復帰緒戦のJBCクラシックはあくまでも叩き台。攻め気配がアップした今回は、単騎逃げの利点と先行有利の馬場を生かしての逃げ切りも十分にあるとみていました。高支持を集めたのも、そういった期待感の表われでしょう。この日は増減なしの528キロ。ややテンションが上がり気味でしたが、これは復調のシグナルと判断。ただしもうひと絞りといった体付き。レースは好スタートから戸崎騎手が気合をつけてハナへ。序盤は青写真通りに進みましたが、2周目の3コーナー手前で、早くも呑みこまれてズルズル後退とは拍子抜け。まだ中身が伴っていないということでしょうか。次走での評価が難しくなってきました。

12着 シーズザゴールド
 復帰緒戦は水沢のダービーグランプリを使って3着と無難な滑り出し。そこから増減なしの490キロ。ややテンションが上がり気味でしたが、体付きは決して悪くない。力を発揮できる仕上がりとみました。レースはテン乗りの森騎手がソッと出て折り合いに専念。ただし馬が行きたがり、それをなだめるのに必死。あまりリズムは良くありません。精神面での消耗も手伝い、中団から無抵抗に失速。それにしても4歳を代表する2頭の惨敗は情けない。フリオーソの後継馬はいつになったら出てくるのやら。