第14回 TCK女王盃(Jpn3)

【予想】
◎ミラクルレジェンド
○ザッハーマイン
▲ラヴェリータ
△ブラボーデイジー
△ショウリダバンザイ
△シンメイフジ

 見た目とは裏腹に、牝馬離れした勝負強さを誇るミラクルレジェンド。5戦5勝と負け知らずの1800メートルで最有力とみました。クイーン賞の雪辱を期すザッハーマインも絶好調。実績上位ラヴェリータ、逃げも十分可能なブラボーデイジーなど牝馬オールスターキャスト。

【レース】
 内枠から内田博シンメイフジがハナを主張。北村宏ブラボーデイジーは無理をせず2番手キープ。ラヴェリータ、ザッハーマインと人気処が前を固め、互いに牽制し合ったので、前半39秒1〜52秒0〜63秒8という異例の超スローペース。完全にヨーイドンの瞬発力勝負。いち早く動いたザッハーマインが一旦は先頭に立つ勢いでしたが、最後はワンテンポ仕掛けを遅らせたラヴェリータ、ミラクルレジェンドのデッドヒート。ラヴェリータが首差競り勝ち、貫禄を示しました。

【上位馬の寸評】
1着 ラヴェリータ
 南関東での重賞3勝はすべて川崎コース。大井は初めてになりますが、名古屋大賞典1着から右回りは不安なし。前走のジャパンCダートは、7着とはいっても0秒6差。男馬の一線級に混じっても好戦できる底力は、牝馬としてはピカイチ。57キロでも当然勝ち負けとみていました。この日は増減なしの518キロ。いつも通りにスッキリとしたシャープな体のライン。適度に気合も乗り好調キープと判断。レースは馬なりで外3番手からと理想的な滑り出し。勝負処で一旦ポジションを下げましたが、最後の直線は猛然と追い上げ、残り100メートルからはミラクルレジェンドとの壮絶なデッドヒート。首差競り勝ち、貫禄を示しました。この馬のイメージにそぐわないスローの瞬発力勝負での勝利は価値大。まだまだラヴェリータの時代は続きそうです。

2着 ミラクルレジェンド
 ダート路線に切り替えて敗れたのはジャパンダートダービーのみ。それもゴール前の脚勢は一番で、0秒1差の4着。ザッハーマインを圧倒した前走のクイーン賞を含め1800メートルは5戦5勝。ラヴェリータと2キロ差があれば、こちらに分ありとみていました。この日はマイナス1キロの428キロ。他の人気馬に比べると見劣りますが、この馬に関しては見た目は度外視。レースは岩田騎手が多少気合をつけて6番手から。他の有力処を前に見てジックリ待機。スパートのタイミングはほぼラヴェリータと同じ。2頭で抜け出しデッドヒートになりましたが、惜しくも首差競り負けました。スローの瞬発力勝負ならこちらの土俵という気もしますが、馬体を併せての競り合いで体力負けのきらいも。それと終始馬込みに入り、そこで多少消耗したか…。まだラヴェリータとの勝負付けは済んでいません。

3着 ブラボーデイジー
 案外ダート経験は浅いものの、1年前のエンプレス杯ではラヴェリータに競り勝つ堂々たる勝利。ダート適性に関しては全く問題なし。2走前のクイーン賞大敗は、出遅れが響いたためで度外視。まともなら逃げも十分に可能で怖い一頭でした。この日はプラス7キロの543キロ。全く太目感はなく活気十分。クイーン賞の時より気配アップ。レースは好スタートを決めて行く気ならハナにも行けそうでしたが、内枠の内田博シンメイフジが主張したので、無理せず2番手。道中の折り合いはスムーズ。いつでも抜け出せるポジションにいたものの、追い比べで遅れを取り離された3着。バテたというよりも、完全に決め手負けの形。長距離の割に強気に攻めて凌いだエンプレス杯のようなレース運びがこの馬の好走パターン。結果論ですが、多少無理してでも先手を取り切った方が良かったかも。

4着 ザッハーマイン
 前走のシンデレラマイルは58キロを背負って楽勝。南関の牝馬では突出した存在を改めてアピール。今回はクイーン賞で敗れたミラクルレジェンドに加えてJRAの強豪が勢揃い。確かに試練ではありますが、斤量差を考えれば、十分に太刀打ちできるとみていました。この日はプラス2キロの501キロ。相変わらず馬っぷり抜群で、とにかく見映えがいい。レースはCデムーロ騎手が多少気合をつけて外4番手から。流れに乗って4コーナーでは2番手。最後の直線は一旦先頭に立つ勢いでしたが、残り100メートルで脚が鈍り離された4着。完全に力負けという競馬内容。このキャリアだけにまだ伸びシロはあるはず。それともう少し短目の距離の方が合うのかも。条件次第では、上位馬を逆転する可能性は残されていると思います。

5着 シンメイフジ
 関東オークス以来7ヶ月半ぶりの出走。まだ未知数の面はありますが、常識的に考えて、いきなりこのメンバーが相手では負担が大きい。△は打ったものの、正直厳しいとみていました。この日はプラス12キロの462キロ。これは完全に成長分で、オークスの時と同様にやや胴長でスリムな体つき。体重はもっとあってもいいくらい。とりあえず仕上がりは進んでいると判断。レースは内田博騎手がかなり気合をつけてハナを主張。幸い好位グループの人気馬が牽制し合ったので超スローの溜め逃げ。ヨーイドンの追い比べで5着に落ちましたが、マズマズ見せ場は作りました。使っての変わり身に期待ですが、どちらかと言うと芝の方が合うのでは。

6着 プリマビスティー
 ロジータ記念3着、シンデレラマイル2着と着順上げてきましたが、南関同士の話。JRAの一線級が相手では正直厳しいとみていました。この日は増減なしの462キロ。以前とは別馬のように落ち着いて、体つきもフックラというよりもややコロンと映るくらい。状態はピークとみました。レースは好スタートから左海騎手が気合をつけて内5番手。終始経済コースを回り目イチの競馬で6着。ベストを尽くしての力負けですが、0秒8差ならマズマズ。南関限定なら大威張りで主役候補。

9着 ショウリダバンザイ
 大きく体を増やしたロジータ記念を圧勝。ひと回り成長して完全に本格化の様相。距離オールマイティの自在型。展開もつれれば3着くらいなら、とは思っていました。この日はプラス4キロの477キロ。太目感なく落ち着きあり好仕上がりと判断。レースは出遅れて後方13番手から。流れを考えるとどうみても勝負なるポジションではなく、僅かに詰めた程度の9着。少し間隔があいた分、中身が伴っていなかったのか…。今回に関しては基準外とみるべきでしょう。南関同士なら即挽回が利く。