第47回 報知グランプリカップ(S3)

【予想】
◎キングバンブー
○ディアーウィッシュ
▲ブルーラッド
△イーグルショウ
△モエレエターナル
△クレイアートビュン

 転入緒戦は豪快な追い込みを決め、2戦目の前走は一転して逃げの手に出て後続を寄せつけなかったキングバンブー。抜群の馬っぷりにパワフルな跳びは紛れもなく重賞級の器。交流重賞で好走経験のある実力馬が相手でも、斤量差を加味すれば勝てるとみました。相手は実績通りにディアーウィッシュ、ブルーラッドを重視。

【レース】
 好スタートを決めたヴァイタルシーズの逃げは予想通りで、ディアーウィッシュ、ケイアイジンジンの並びも順当。キングバンブーはスタートひと息もあり今回は中団から。ブルーラッドは前半から行きっぷり今イチで後方。遅目の流れを意識して御神本騎手が早仕掛けに出たキングバンブーが、3コーナーでは3番手。4コーナーでは先頭に並びかける勢い。最後の直線も確かな脚取りでゴールを駆け抜け、重賞レース初制覇を果たしました。対照的に追ってサッパリ伸びなかったのがディアーウィッシュ。2着には、粘るヴァイタルシーズをゴール寸前交わしたイーグルショウが浮上。

【上位馬の寸評】
1着 キングバンブー
 転入緒戦は意外に人気が薄かったものの、外豪快に伸びて圧倒的な勝利。只者ではないというレースぶり。前走は一転した逃げ戦法で2連勝。年齢の割にレース数を使われておらず、伸びシロを残しての転入。52キロの軽量なら、実績上位馬を撃破できるとみていました。この日は増減なしの512キロ。抜群の馬っぷりに適度な気合乗り。これは間違いなく絶好調。レースはスタートひと息で序盤は慎重に。向流しに入ると外目に持ち出して5番手まで進出。3コーナーでは3番手。4コーナーでは先頭に並びかける勢い。ディアーウィッシュが意外に伸びを欠いたこともあり、全く危なげない勝利でした。脚質自在で距離の許容範囲も広いオールマイティの実力派。今後の重賞路線でも台風の目になってきました。

2着 イーグルショウ
 デビュー当初から左回りへの高適性を発揮していた馬で、重賞レース初制覇は川崎マイラーズ。当然このレベルの争いなら重い印が付いてしかるべき馬ですが、昨秋に復帰後のレース内容にやや不満。年齢のせいか、全体的にこじんまりした感じで気配も今イチ。というわけでおさえまでの評価に留めました。この日はマイナス4キロの477キロ。大体ここ一連と同様で、マズマズ順調と判断。レースはスタートひと息で後方8番手から。ペースの割に追走に手こずり、4コーナーでもまだ離れた5番手。普通は難しいポジションですが、ヴァイタルシーズがバテたのと、ディアーウィッシュが意外に伸びなかったのに乗じて2着に浮上しました。内容的には平凡で、手薄なS3での入着ラインの評価が妥当。

3着 ヴァイタルシーズ
 過去番手競馬でも好走した例はありますが、このメンバーで距離千八では、ハナを切ることが好走の絶対条件。案の定、水野騎手が好スタートから出ムチ連発でハナを主張しました。対戦比較で分の悪いディアーウィッシュにジカ付けされる形ですから、本来は厳しいところですが、相手の体調に問題があったのか、意外にマークが緩み息の入る逃げ。直線はキングバンブーに交わされながら頑張っていましたが、最後の最後に脚が止まり3着。能力は出し切ったと思います。この日はプラス1キロの455キロ。パドックではあまり気合を表に出さないタイプで目立ちません。デキ云々よりも、この馬の場合はスンナリ逃げられるかどうか展開がすべて。

4着 ブルーラッド
 スマートファルコンを3コーナー手前で抜き去って楽勝を決めた浦和記念から1年以上も未勝利。その間にカネヒキリの2着したマーキュリーCもありますが、S3でも取りこぼす始末。このメンバーなら当然重い印は付きますが、正直半信半疑の面もありました。この日はマイナス8キロの464キロ。これはハードに追い切って仕上げてきたと判断。体をフックラ映して活気もあり、最近の中では一番良く見えました。レースは出脚が鈍く、内田博騎手が押せど叩けど反応今イチで後方9番手から。道中少しずつポジションを上げてきたとはいえ、とても勝ち負けの手応えではなく、離された4着がやっと。まだ老け込む歳ではありませんが、もう過去の実績を過大評価するのは危険かも。

5着 ディアーウィッシュ
 本当によもやの凡走でした。レースは例によって抜群のスタートセンスで飛び出し、馬を内に寄せて楽にヴァイタルシーズの2番手。この時点で勝ち負けは約束されたようなもの。特に折り合いに苦労する場面もなく淡々と進み、4コーナーでは先頭に並びかける形。これはキングバンブーとの一騎打ちになるとみていたところ、追ってからサッパリ伸びず、ヴァイタルシーズを捕まえ切れないどころか、さして鋭い脚を使っていないイーグルショウ、ブルーラッドにも交わされて5着。正直敗因は掴めません。あえて言うなら距離か。JRAでは長目の距離で好走しているようですが、ナイキマドリードとマッチレースを演じたオーバルスプリント(浦和千四)から、現在は短距離ベターか。それとも体調面に問題があったのか…。次に使ってきた際の評価が難しくなってきました。この日の気配はいつもと変わらず。パドックではオットリしたタイプです。

6着 モエレエターナル
 牝馬のクラシック路線を賑わし、男馬を相手にも善戦した実力馬が復活。屈腱炎で休み20ヶ月ぶり。いきなりこのメンバーでは常識的には難しいところですが、ちょっぴり注目ということで△を打ちました。この日はプラス20キロの463キロ。全く太目感はなく、外見的には活躍していた当時よりもいい。多少テンションが上がり気味なのは以前と同じ。レースは中団につけたままのポジションで終了ですが、滑り出しとしてはマズマズ。次に楽しみを残しました。