第2回 東京スプリング盃(S3)

【予想】
◎フジノウェーブ
○ケイアイゲンブ
▲ヤサカファイン
△ジーエスライカー
△ディアーウィッシュ

 前哨戦のウインタースプリントは、いいポジションにいながら伸び悩んで4着のフジノウェーブ。9歳という年齢が気になりますが、あれは2走目の反動が出たきらいもあり、現状ベストの距離千四で改めて注目しました。上がり馬ケイアイゲンブ、59キロ微妙でも地力上位ヤサカファイン、好枠から逃げるジーエスライカーまで4頭の競馬。

【レース】
 好枠からスタートを決めたジーエスライカーがごく自然にハナ。ケイアイジンジン、スーパーヴィグラスなど好位グループは一団で、フジノウェーブもその一角。直後にケイアイゲンブ。ヤサカファインは中団のインでジックリ。緩みないペースで軽快に飛ばすジーエスライカー。ただし、勝負処から2番手に上がったフジノウェーブの手応えも抜群。最後の直線は外に切り替えたフジノウェーブが力強く抜け出し、復活Vを飾りました。追い込むヤサカファインを頭差抑えてジーエスライカーが2着死守。(シャレーストーン、インプレッションのゲートが悪く、レースが大幅に遅延)。

【上位馬の寸評】
1着 フジノウェーブ
 休養明け、今季緒戦の船橋記念5着は納得の滑り出し。ただし、距離が千二に延びた前走ウインタースプリントが意外に伸びを欠き4着。正直9歳という年齢は気になりましたが、あれが2走目の反動と割切れば、斤量慣れしている点、現状ベストの千四、人気的にも狙い目とみて◎を打ちました。この日はマイナス1キロの485キロ。スッカリ枯れた様子で大人しいのはいつも通り。数字以上に体つきが締まった感じで好仕上がりと判断。レースは好スタートを決めて2番手グループの一角。インコースでジックリ脚を溜めて手応え抜群。最後の直線は外に切り替えて苦もなくジーエスライカーを捕らえました。馬場状態からすれば1分24秒3の時計は予想通りですが、衰えぬスピード能力をアピール。老練だけに、発走時間が延び延びになったのも、他馬に比べれば影響が少なかったか…。南関同士で千二〜千六なら依然主役級。

2着 ジーエスライカー
 前走のウインタースプリントは、前半2番手で大事に乗りながら、終い差し込まれて2着。前々走の船橋記念では2番手から抜け出したとはいえ、基本的には逃げ馬。今回は2番枠を引いて、しかも他の先行型が外枠。どうみても楽に逃げられそうなのと、千七の京浜盃1着から距離の千四も全く問題はないので、チャンス十分とみていました。この日はマイナス9キロの491キロ。体型的なものもありますが、いつも太目に映るくらいなので、絞れてちょうどいい感じ。適度な気合乗りで前走以上のデキと判断。レースは好スタートを決めて馬なりでハナ。速い流れとはいえ、馬場状態とこの馬のスピード能力を考えると、無理のないペース。特に突っつかれる場面もありませんでしたが、最後はフジノウェーブに力負けの形で2着。胴が詰まった体型で斤量はこなしそう。距離の融通は利く逃げ馬で、一にも二にも展開次第。

3着 ヤサカファイン
 専ら千二路線ですが、昨年4月のゆりかもめオープンでは千四を1分25秒5で2着。その後の充実ぶりを考えれば当然首位候補の1頭ですが、過去56キロまでしか経験していない点と、休み明けがカギでした。この日はプラス12キロの496キロ。これは中山遠征で減らした体を戻した分。調教はキッチリこなしているし好仕上がりと判断。レースはスタート五分。1番枠だけに積極的に攻めたいところですが、石崎駿騎手が折り合いに専念してジックリ構え中団のイン。徐々に進出して直線は外へ進路を。上がり3ハロンでメンバー最速の36秒5をマークしながら3着に終わりました。いつもほど弾けなかったのは59キロが影響したのでは。距離はやはり千二の方が競馬がしやすそう。先行決着でここまで来るのですから、やはりこの馬の実力は本物です。

4着 ケイアイゲンブ
 距離オールマイティ、展開不問の堅実駆け。昨年12月のディセンバー賞では、千四を1分25秒6でインプレッションを破り1着。重賞初挑戦でも、楽に通用の手応えがありました。この日はプラス1キロの510キロ。相変わらずの馬っぷりの良さ。活気があり毛ヅヤも上々でピークのデキを維持と判断。レースは最初の発走時は枠入り不良。正規の発走時はスムーズに入り五分のスタート。戸崎騎手が気合をつけて内4番手から。勝負処でやや離され気味になり、最後の直線はインを突いて目イチに追ってきましたが、ジリジリという感じで4着まで。上位3頭に比べて3キロ軽い56キロでこの結果。やはり重賞の壁ということでしょう。それと距離はもう少し長い方がいいのかも。

5着 ディアーウィッシュ
 前走の報知グランプリCは2番人気で5着。理想的に運んであの結果。成績は別にして、近走の馬の気配も今イチ。昨年12月のオーバルスプリントでナイキマドリードに首差の2着と、距離千四で変わり身を見せる可能性もありますが、上位4頭とは差のある△に留めました。この日はマイナス10キロの523キロ。これは単なる輸送減りか。大人しいのはいつも通り。ここ一連と同等の気配。レースはこの馬にしては珍しくスタート今イチで外7番手からの競馬。勝負処からマクって出てポジションを上げましたが、最後は同じ脚になり5着が精一杯。デキ云々よりも、この展開では仕方ない結果でしょう。