第14回 クラウンカップ(S3)

【予想】
◎ナターレ
○マニエリスム
▲ゴールドスガ
△ドラゴンウィスカー
△ハルサンサン
△ヴェガス
△タイセイヴィグラス
△シービスティー

 明け3歳はクラーベセクレタを筆頭に牝馬がハイレベル。そこでこのレースは桃花賞で1、2着した牝馬マニエリスム、ナターレに注目。ただし、今回は地元川崎で迎え撃つ利点のある後者が、人気的にも狙い目とみて◎を打ちました。牡馬勢では好調度でゴールドスガが筆頭。

【レース】
 マニエリスムが出遅れ。1番枠からマルヒロブライティがハナを主張。タイセイヴィグラス、ナターレがこれを追いかけて、人気の1頭ドラゴンウィスカーはその直後絶好の4番手。中団まで巻き返すマニエリスム、並んでゴールドスガ。ヴェガスは行きっぷり悪く後方から。ペースは平均でも、先行3頭はやや競り合う形で差し有利の形勢。最後の直線は、先行争いから抜け出したナターレにドラゴンウィスカーが迫り、更に後方一気にヴェガス。この3頭の争いになりましたが、ナターレが辛くも凌ぎました。

【上位馬の寸評】
1着 ナターレ
 デビューから2連勝後の2歳優牝は、初コースに加えて流れに乗れずキャリア不足を露呈。ただし、前走の桃花賞では時計を2秒も詰めて2着と即汚名返上。敗れたマニエリスムとの再戦ですが、地の利を加味すれば逆転できると判断しました。この日は増減なしの458キロ。体をフックラ映して活気もありここ一連と同等の好気配。レースはスタート直後に両サイドからやや挟まれ気味になったものの、さほどの不利には到らず、的場文騎手が気合をつけて3番手。3コーナー過ぎにスパートして前を呑み込む勢い。最後の直線に向くあたりで早目に先頭に立つと、やや一杯加減になりながらも後続の追撃を封じました。時計の1分43秒8は極めて平凡ですが、自ら勝ちに行って重賞勝ち馬を抑え込んだ点は、キャリアを考えても高く評価できます。牝馬に活躍馬を多く輩出するクロフネの仔。距離もこなしそうで、今後の活躍が楽しみです。

2着 ヴェガス
 2走前の大井戦では、外コース千七で先行して2着。ただし、前走は内コース千六で脚をなし崩しに使い10着。どうも掴みづらい馬ですが、馬っぷり良く伸びシロはあるはず。人気を下げて穴として注目していました。この日はマイナス1キロの492キロ。相変わらず良く見せるし、活気があるというかエネルギッシュ。デキに関しては問題なしと判断。レースは気の悪さを出したのか、酒井騎手が押せども叩けども反応せず離れた後方から。道中の行きっぷりも悪く、普通は絶望的なポジション。ただしレースの上がり2ハロンが14秒4〜14秒2と極端にかかったのも幸いして、ゴール前2着に浮上しました。能力があるのは確かですが、これだけ難しい面を抱えていると、全く計算できません。あくまでも人気薄の際の狙い。

3着 ドラゴンウィスカー
 平和賞2着、ニューイヤーC1着と実績では文句なくbP。前走の雲取賞は1人気で3着ですが、これはスタートミスが敗因。まともなら勝ち負け確実ですが、今イチ馬格の割にスケールの大きさが感じられないので、この馬に関していつも評価を下げてしまいます。そういうわけで今回も△に留めました。この日はマイナス3キロの491キロ。ほぼいつも通りの気配で、特に悪くはありません。レースは水野騎手が気合をつけて4番手から。先を争う3頭を見る形で絶好のポジション。勝負処からは外に切り替えて前を射程圏内に。楽に突き抜けそうな雰囲気でしたが、バテ気味のナターレを捕まえ切れず、ヴェガスに差されて3着。切れる脚がないというよりも、一流の域にはワンパンチ不足。クラシックレースを勝てるほどの器とは思えません。

4着 ゴールドスガ
 ニューイヤーC3着に雲取賞6着。重賞メンバーに入ると格下感はありますが、デキの良さと地元で迎え撃つアドバンテージを評価して▲を打ちました。この日はマイナス5キロの455キロ。フックラとした体つきに適度な気合乗り。ここ一連と同様になかなかの好気配。レースは出たなりで流れに身を任せて中団9番手から。ほとんどポジションを上げられず、直線のみでジリジリ詰めて4着止まり。流れを考えれば、もう少し見せ場が欲しかった。まあこの程度といったところでしょうか。

5着 リバーキンタロー
 過去2勝、2着1回はすべて千メートル戦。レースぶりからも明らかにスプリンタータイプ。千六の重賞レースでは、仮に楽に逃げられたとしても無理とみていました。この日は増減なしの466キロ。馬体をキープして落ち着きもありデキはすこぶる安定。レースはスタートして少々フラフラするシーン。距離を意識して脇田騎手が大事に構え内6番手から。極力マイペースを守り、最後の直線も内を突いて頑張り5着。これは大健闘でしょう。次に短距離戦を使ってきたら是非とも狙ってみたい。

6着 マニエリスム
 転入後2連勝で、前走の桃花賞ではナターレ以下を一蹴。ハイレベル3歳牝馬の一角を形成する素質馬。実戦では初めての左回りになる点、間隔があいたせいか、最終追い切りではドラゴンウィスカーに遅れたことなど多少の不安はありましたが、まともなら当然勝ち負け。この日はプラス3キロの460キロ。転入当初に比べると体つきが丸味を帯びてきたし、テンションが上がることもなく好仕上がりと判断。レースはスタートのタイミングが合わず出遅れ。中団8番手から進み、最後の直線は多少詰めたものの差のある6着まで。レースレベルを考えると、今回程度の出遅れなら跳ね除けて欲しかった。次走で改めて真価を問いたい。