第34回 京浜盃(S2)

【予想】
◎クラーベセクレタ
○リアンローズ
▲キスミープリンス
△シングンボス
△ファジュル
△リョウウン
△マツリバヤシ

 前走のユングフラウ賞が、時計も含めて極めて優秀なクラーベセクレタ。レースぶりから距離の千六も全く不安はなく、重賞レース3連覇が濃厚とみました。相手も牝馬のリアンローズを重視。割って入れば久々でも実績からキスミープリンス。

【レース】
 逃げ馬ゴーディーが外枠を引いたこともあり、人気のクラーベセクレタが労せずしてハナへ。リアンローズとゴーディーが2番手を併走。その直後にリョウウン、マツリバヤシが併走。キスミープリンス、ファジュルは中団。ペースは平均で前がスンナリした流れ。折り合いスムーズに逃げたクラーベセクレタは快調そのもので、後続の追撃を許さず悠々1着ゴール。懸命に粘るリアンローズを交わしてキスミープリンスが2着に浮上。

【上位馬の寸評】
1着 クラーベセクレタ
 転入後、重賞レースを2連勝。特に前走のユングフラウ賞は、戸崎騎手が後ろを振り返る圧倒的な勝ちっぷり。今年の男馬のレベルなら、アッサリの可能性が大とみていました。この日はプラス4キロの462キロ。バランスのいい好馬体。適度に気合も乗り絶好の仕上がりと判断。レースはスタート直後にやや前のめりになったものの、ほぼ馬なりでハナへ。道中は精密機械のように12秒半ばのラップを刻み快調そのもの。最後の直線は一旦リアンローズに迫られましたが、ラストスパートをかけると難なく振り切って余裕の1着ゴール。モノの違いを見せつけました。時計の1分46秒5は、脚抜きの馬場にしても優秀。折り合い自在で距離もこなしそう。男馬も含めてbPは間違いなし。現時点で死角らしい死角は見当たりません。

2着 キスミープリンス
 前走のニューイヤーCは4コーナー先頭に立ったものの、出し抜けを食う形で2着。レースのレベルを考えると不満もありますが、JRAの強豪を相手に堂々と渡り合った全日本2歳優駿3着が見処十分。休み明けでも本馬場で入念に乗り込まれて仕上がり万全なら、2着争いの有力候補とみていました。この日は増減なしの450キロ。多少テンションが上がり気味でしたが、太目感なく好仕上がり。数字以上に大きく見せる好馬体。レースは出たなりで中団7番手から。3コーナー過ぎからマクって出て4コーナーでは先団に接近。終いも渋太く脚を伸ばして2着に追い上げました。勝ち馬は別格で、やはりこの馬の実力も一級品。距離もこなしそうで、もちろんクラシックレースの有力馬。

3着 リアンローズ
 新馬、特別と2連勝後は一進一退でしたが、2走前の雲取賞では甚大な不利を被りながら4着。前走の君子蘭特別は人気のラカンパーナを一蹴。ハイレベルの3歳牝馬の中でも有数の実力派。クラーベセクレタと牝馬ラインの決着が有力とみていました。この日は増減なしの460キロ。体をフックラと映し落ち着きもあり、前走と同様の好気配。レースは馬なり先行で2番手をゴーディーと併走。向正では一旦引いて3番手を大事に。4コーナーでは再び2番手に上がりクラーベセクレタを追いましたが、突き放された挙句、キスミープリンスに差されて3着。ただし勝ちに行った分、甘くなった感じで、内容的には2着馬と対等以上。4着を5馬身離して1分47秒2なら文句ありません。距離延びていいタイプとは思いませんが能力非凡。

4着 リョウウン
 2歳時にゴールドジュニアーを勝った後も、ハイセイコー記念2着など強敵を相手に揉まれて着実に地力アップ。前走の雲取賞は出遅れを挽回して2着。それほどの底力は感じませんが、気分良く走れれば2着くらいはあるかなとみていました。この日はマイナス5キロの473キロ。ハードに追い切ってかなり絞り込んだという造り。レースはスタートはそれほど良くなかったものの、馬なりで内5番手へ。ちょうどリアンローズの直後。折り合いに専念して最後の直線も内を突きましたが、案外伸び切れず離された4着。上位3頭にはどう乗ってもかなわなかったでしょう。千六以下が合いそうなタイプでクラシックレースでは?

5着 シングンボス
 全兄ロイヤルボスは新馬からハイセイコー記念まで5連勝。翌年のダービーではアンパサンド、フリオーソと大接戦。現在でもオープンを張る実力馬。その兄よりもむしろ均整の取れた好馬体。長目の距離を使い耐久力強化も見込めるので、格は下でも注目していました。この日はマイナス2キロの484キロ。いつもより落ち着きがありいい雰囲気。レースは好スタートを決めたものの、テンの行き脚が悪く後方から。道中もまるでポジションを上げられず、最終4コーナーでもほぼ殿りに近い位置では厳しい。内目を突いて差を詰めてはきましたが、離された5着が精一杯でした。兄以上にスタミナはありそうですが、一線級のメンバーに入るとスピードの絶対値で?

7着 ファジュル
 道営5戦1勝の成績は平凡ですが、南関転入後4戦3勝。前走の雲取賞はマイル1分40秒3と、懸念された時計勝負に対応。全兄ディラクエは3年前の当レースの勝ち馬と血統背景も一流。スパッと切れるタイプではないので、単勝2番人気は、なり過ぎかなとも思いましたが、気になる存在ではありました。この日はプラス8キロの498キロ。少し太目に映るくらいでも馬っぷりは迫力十分で、やはり兄に似ています。レースはスタートひと息で9番手からの競馬。平均緩みのないペースで上がりも速く、結局は中団のまままるで動けず8着と大敗。切れる脚がないので、多少強引にでも先に行くか、あるいはペースが緩んだ処で一気にマクるか、そういう競馬が好走パターンのようです。距離が延びていいのは間違いありませんが、信頼度は今イチ。

9着 マツリバヤシ
 道営時代のエーデルワイス賞ではクラーベセクレタに先着する2着。ただし、南関転入後は東京2歳優駿牝馬、ユングフラウ賞と連敗。特に前走のユングフラウ賞は完全に子供扱いで、あのレース内容から逆転は困難。あくまでも連下候補の評価でした。この日はプラス2キロの463キロ。体をフックラ映して活気もあり、ここ一連のいい状態をキープ。レースは好スタートを決めて外5番手からの競馬。淡々とレースを進めましたが、最後の直線はまるで伸びず9着。完全に成長力の差が出た感じです。距離の延長も微妙で、この先も楽観はできません。