第49回 しらさぎ賞(S3)

【予想】
◎ザッハーマイン
○ブライティアグラス
▲ネオグラティア
△プリマビスティー
△ハーミア
△エロージュ
△ツクシヒメ

 転入後、南関限定の牝馬重賞では圧倒的な強さを発揮して2勝。JRAの最強レベルの馬を相手に激闘を演じてきたザッハーマイン。元来がスピードタイプだけに千四もOKなら単不動。相手に狙ってみたいのは、格下でも近走のレース内容が優秀なブライティアグラス。ネオグラティア、プリマビスティー以下△勢も連下候補。

【レース】
 好スタートを決めて果敢にハナを主張したのがスズリスペクト。エロージュ、ザッハーマインがこれを追いかけてブライティアグラスまでが先行グループ。最後方のレギュラーサヤカまでほぼ一団とはいえ、緩みない流れ。3コーナー過ぎからスズリスペクトを交わしに行ったザッハーマインが、後続を大きく離して最後の直線へ。後方から徐々に進出したプリマビスティーが2番手グループから突き抜けてきましたが、これを難なく抑えてザッハーマインが貫禄を示しました。

【上位馬の寸評】
1着 ザッハーマイン
 転入後の重賞2勝は、ともにジックリ差しに構えて抜群の瞬発力を発揮。JRAトップクラスが相手の2戦は、正攻法の競馬で勝ちに行っての惜敗。現在の南関牝馬では傑出した存在で、距離千四もOKなら不動の大本命とみていました。この日はマイナス11キロの490キロ。かなり大きな数字だけに気にはなりましたが、元来男馬勝りの立派な馬格を誇り、全く減ったという感じはしません。力を出せる仕上がりと判断。レースは的場文騎手が多少気合をつけて外3番手から。まずは磐石のポジション。3コーナー過ぎからスズリスペクトを交わしにかかり、直線の入口ではほぼセイフティリード。プリマビスティーの追撃を余裕を持って退け、力の違いを見せつけました。やはり基本的にはこのくらいの距離が合っているのか。男馬相手でも、フリオーソ以外とならヒケ目なし。

2着 プリマビスティー
 東京2歳優駿牝馬を勝って以降、勝ちから遠ざかっている同馬。ただし、以前に比べると30キロ近く体重が増えて、しかも見違える落ち着きぶり。成長しているのは確か。ただし、逆に多少太目に映っていたので、もう少し絞れてくればと思っていたところ、この日はマイナス12キロの453キロ。ちょうどいい感じ。道営時代には千二のオープン2勝と短目の距離にも対応できるので、大いに注目していました。レースは出脚が鈍く置かれたものの、向流しから馬込みを縫うようにして追い上げ、4コーナーでは3番手まで進出。上がり3ハロン37秒9と抜けた脚で(2番手は39秒2)ザッハーマインにも迫ろうという勢いでした。どうやら完全に吹っ切れた様子。次走は、どういう条件に使ってきても狙ってみたい。

3着 スズリスペクト
 昨年の夏〜秋シーズンに3連勝。距離?のロジータ記念でも差のない4着など、急激に存在感を増してきた同馬。気分良く行ければ、かなりのハイラップを刻んでも容易にはバテない馬。千四も得意なので気にはなりましたが、休み明けの今回、稽古の内容が今イチということで印は見送りました。この日はプラス11キロの444キロ。元来が細身であまり見映えのしない馬。とりあえず増えたのは好材料と診断。レースは好スタートから江川騎手が気合をつけると、抜群の加速力で同型馬を抑えて難なくハナへ。途中2番手のエロージュは振り切ったものの、勝負処からザッハーマインにジカ付けされる形では厳しい。3、4コーナーで交わされてあっぷあっぷ。それでも3着なら良しとすべきでしょう。まだ下の条件に出走できる利点もあり、今後とも目が離せない存在です。

4着 タカヒロチャーム
 一昨年の11月にロジータ記念の勝って以降は未勝利。脚の使い処が難しいタイプですが、昨年の当レースでは見せ場十分の3着。浦和コースへの適性は高そうで、ハマればあるいはという気もしました。この日はマイナス1キロの480キロ。特に目立つ気配ではありませんが、休み明けでも太目感なく仕上がった様子。レースは出たなりで外6番手からの競馬。後ろから来たプリマビスティーにアッサリ追い抜かれて最終4コーナーでは5番手。バテたスズリスペクトすら捕まえ切れなかったのが、今のこの馬の実力かもしれません。今ひとつ成長力に乏しい。

5着 ブライティアグラス
 ここ3連勝が、ハイペースを自力で動いてなかなか強い競馬。浦和千四もドンピシャなので、格は下でも狙い目十分とみていました。この日はプラス18キロの461キロ。元来がスリムな体型の牝馬で、全く太目感はありません。これは充実の表れと判断。レースは本橋騎手が気合をつけて行ったものの、前3頭からは離された4番手。かなり追走に手こずり、一旦は馬群に沈みかけましたが、最後の直線はある程度辛抱が利いて5着。やはりこれがオープンの壁でしょうか。自己条件なら当然巻き返し。

6着 ハーミア
 南関転入後は2510と安定感抜群。ただし、休み明けの今回は調整過程が今イチ。しかも忙しい浦和千四にどこまで対応できるか、不安点もありました。この日はプラス12キロの510キロ。この馬にしては気合が出ている方でしたが、数字通りに気持ち太い感じ。レースはスタート直後のリズムが悪く、後方9番手からの競馬。ほとんど見せ場らしい見せ場がなく6着。いかにも叩き台という雰囲気があり、次走に期待。

8着 ツクシヒメ
 こちらはハーミア以上の休み明けで14ヶ月ぶり。プラス6キロの508キロ。相変わらず馬っぷりはいいし、気合乗りも十分でしたが、やはり多少太目の印象。レースは山田信騎手が気合をつけて行ったものの、まるで反応せず後方10番手から。追い通しでも差を縮められずに終了。叩けば変わってきそうですが、休養期間が長かったので、もう少し時間がかかるかも。

9着 ネオグラティア
 自己条件のJRA交流戦を2連勝して勇躍エンプレス杯に挑戦。堂々先行勝負で南関最先着の5着。この走りができればとみていましたが…。この日は増減なしの436キロ。大体いつもこんな感じの馬ですが、ギリギリの造りであまり見映えしません。間隔があいたので、もう少し戻っているかと…。レースは距離を意識して御神本騎手がかなり気合をつけて行きましたが、流れについて行けずジリ退。どうやらテンから忙しい競馬は合わないようです。千六以上あればとは思いますが、馬体の回復がポイント。

10着 エロージュ
 3走前のトゥインクルレディー賞では、今野騎手がロスなく経済コースを運んで2着。意外に成長力に乏しく、現状ではあれが精一杯の感じもしますが、稽古の動きが良くなってきたのと、スピードタイプのこの馬には浦和千四が魅力で△を打ちました。この日はマイナス3キロの504キロ。馬っぷりの良さではザッハーマインの次位。レースは積極果敢に2番手に行って逃げるスズリスペクトを追いかけたものの、3コーナーではアラアラ一杯で脱落。このレースぶりからは、目途が立ちません。