第23回 かしわ記念(Jpn1)

【予想】
◎フリオーソ
○エスポワールシチー
▲オーロマイスター
△ラヴェリータ
△ロードバリオス
△ダイショウジェット

 芝の部分でダッシュが利かなかったフェブラリーSのフリオーソ。猛然と追い込み2着は負けて強し。スマートファルコンとの死闘を糧に、更にスケールアップして今やダート最強レベル。過去2年連敗のエスポワールシチーに雪辱を果たすとみました。もちろん相手はエスポワールシチー。3番手は、そのエスポワールシチーを退けてレコード勝ちの南部杯が光るオーロマイスター。

【レース】
 エスポワールシチーが出遅れ。戸崎フリオーソが逃げる姿勢でしたが、これを上回るスタートダッシュを決めてハナに行ったのが武豊ラヴェリータ。的場文グランシュヴァリエが積極策で2番手。フリオーソが3番手につけ、これをマークするように佐藤哲エスポワールシチー。ダイショウジェット、オーロマイスターは中団。ペースは平均。3コーナー過ぎから動いたフリオーソが、直線の入口ではラヴェリータを交わす勢い。これに連れて2番手に上がったエスポワールシチーとの一騎打ちかと思われましたが、エスポワールシチーの伸びが案外。執拗に粘るラヴェリータを競り落として、フリオーソが勝利を収めました。

【上位馬の寸評】
1着 フリオーソ
 スマートファルコンとの死闘を繰り返して6歳シーズンを終了。年明けて川崎記念を順当勝ち。フェブラリーSは、アッと言わせる後方強襲で2着。7歳を迎え、更にスケールアップした感じ。休み休み使っているエスポワールシチーよりは、今回に関しては分のいい一戦とみていました。この日はプラス2キロの508キロ。相変わらず気合乗り抜群の好馬体で絶好の仕上がり。レースは戸崎騎手が気合をつけて逃げる姿勢でしたが、案外行き脚がつかずラヴェリータにハナを譲って3番手からの競馬。これは少し誤算だったか。3コーナー過ぎから動いて4コーナーではラヴェリータを呑み込む勢い。楽勝ムードでしたが、エスポワールシチーは抑え込んだものの、ラヴェリータに食い下がられて、ちょっと苦戦したという印象も。最後の1ハロンは13秒4を要して、全体の時計が1分38秒2は、やや物足りません。エスポワールシチーにまともに競馬されていたら危なかったかも。序盤のリズムが少し悪かった影響か…。今回に関しては勝ったことに価値を認めたい。

2着 ラヴェリータ
 牝馬の交流路線では主役を張るこの馬も、JBCクラシック8着、ジャパンCダート7着、マーチS14着と、最近は男馬相手では劣勢。距離ももう少し長目の方が合っているので、あくまでも3着候補の1頭という評価でした。この日はプラス3キロの517キロ。大人しい馬だし、馬格の割にそう見映えする方ではなくいつも通りの気配。レースは武豊騎手がバシバシ気合を注入して外枠からハナへ。これは砂を被って嫌気が差し、ボロ負けしたマーチSを反省してのことでしょう。この馬の逃げですからペースは平均程度。渋太さを発揮したのは最後の直線に入ってからです。4コーナーでは既にフリオーソに交わされながら、執拗に頑張り差し返すシーンすら。フリオーソに目一杯追わせて0秒1差。エスポワールシチーに先着は、予想以上に時計がかかったのが幸いしたとはいえ価値ある走り。今後の牝馬路線では距離に関係なく毎回主役。

3着 エスポワールシチー
 一昨年のかしわ記念から、昨年のかしわ記念までG15連勝の快挙。その内4勝がマイル戦。海外遠征は結果が出ませんでしたが、復帰戦の名古屋大賞典をレコード勝ちと存在感をアピール。当レース3連覇を目指して万全の態勢なら、フリオーソとの一騎打ちが濃厚でした。ところがレースでは2馬身ほどの出遅れ。佐藤哲騎手が気合をつけて5番手、フリオーソをマークするポジションは昨年と同様。ただし、少し無理をして行ったので、馬が行く気にはやり掛かり気味。直線の入口では2番手の外に上がりましたが、そこからは同じ脚になり、ラヴェリータすら捕まえ切れず3着に終わりました。この日はプラス4キロの498キロ。フリオーソのような、いかにもダートの超一流馬という抜群の馬っぷりではありませんが、大体この馬のいつもの雰囲気。2年前に来た時のようなイレ込みもありません。今回は出遅れてリズムを崩したのが痛かった。次は本領を発揮してくれるのでは。

4着 ダイショウジェット
 デビューから一貫してダート路線。千四から千八まで連対実績があり、回りを問わないタイプ。ただし、重賞では2着が3回のみ。このメンバーでは精々入着ラインの評価でした。この日はマイナス1キロの555キロ。いかにもパワー型という体つきで、オットリしたタイプです。レースは馬なり発進で中団6番手。4コーナーでは4番手まで進出して前を追いましたが、前3頭の壁は厚く離された4着。力通りは走ったという感じ。

5着 オーロマイスター
 エスポワールシチーを破りレコードタイムを叩き出した昨年の南部杯が特筆すべき走り。以降のG1路線は二桁着順続きですが、調教の動きが変わってきたところに、実績のあるマイル戦。2強に割って入ればこの馬かなとみていました。この日はプラス1キロの513キロ。もうひと絞りといった体つきですが、馬っぷり上々で適度な気合乗り。状態アップを確認。レースは吉田豊騎手が気合をつけて中団7番手、ほぼダイショウジェットと併走。ただし意外に反応が鈍く、4コーナーでも離れた5番手。ダイショウジェットから5馬身差の5着はいただけません。南部杯を過大評価するのは危険かも。

6着 ロードバリオス
 ダート1勝は条件戦。父ブライアンズタイムだけにダートはこなすとは思いますが、芝路線の馬がいきなりダートG1はいかにもハードルが高いという印象。精々が△の評価でした。この日はマイナス4キロの448キロ。フックラとした体つきで落ち着きもあり好気配。レースは好スタートから馬なりで内4番手。いいポジションをゲットしましたが、ペースアップしたところで置かれてしまい、ほとんど圏外の6着。G1レベルの馬ではありません。