第56回 羽田盃(S1)

【予想】
◎クラーベセクレタ
○キスミープリンス
▲シングンボス
△ヴェガス
△ルーズベルト
△ドラゴンウィスカー
△ダークリバース
△ブラックサンダー

 京浜盃は出たなりでハナに行って楽勝を決めたクラーベセクレタ。時計も非常に優秀で、歴代の女傑に比肩する実力派。レースぶりから距離が延びても全く不安はないので、勝ちっぷりのみ注目でした。相手も京浜盃2着キスミープリンスで順当な一戦。

【レース】
 内枠の赤嶺ゴーディーが宣言通りにハナを主張。2番手に柏木ブラックサンダーが行き、戸崎クラーベセクレタは手控えて3番手。それをマークするように手替わりした柴山キスミープリンス。クラーベセクレタが慎重に構えたのでスローペース。3コーナー過ぎから動いたクラーベセクレタが、馬なりで4コーナー先頭。最後の直線も更に脚を伸ばして7馬身差の圧勝を決めました。中団から漸進した町田シングンボスが、渋い末脚で2着と健闘。

【上位馬の寸評】
1着 クラーベセクレタ
 男馬相手のクラシック路線に照準。前走の京浜盃は上がり3ハロンを37秒4でまとめ、千七1分46秒5の好タイム勝ち。新戦力が加わってきましたが、名牝の相がある同馬の優位は動かないとみました。この日はプラス3キロの465キロ。数字以上に大きく見せる好馬体で、適度な気合乗り。踏み込みが力強い。実力はもとより、完成度でも群を抜いてる感じです。レースは内枠のゴーディーに行かせて3番手から。これは想定内でしょう。スローペースでも道中の折り合いは極めてスムーズ。3コーナー過ぎから徐々にスパートして4コーナーでは馬なり先頭。このポジションで上がり3ハロンがメンバー最速の38秒1ですから、千切れるばかり。非の打ち所がない勝ちっぷりでした。ペース次第では1分52秒1の時計も楽に詰まっていたはずで、歴代の女傑レベルを再認識。距離延長など関係なし。東京ダービーも仕方ない。

2着 シングンボス
 前走の京浜盃は、後方から内を突いて差を詰めて5着。東京ダービーでフリオーソと接戦を演じたロイヤルボスの全弟ですが、兄よりも均整の取れた好馬体の持ち主。追って味があるレースぶりから距離が延びるのも大歓迎ですが、時計の速い決着に不安もありました。この日はマイナス2キロの482キロ。相変わらず馬っぷりは抜群で、落ち着きが出たのも成長。レースは町田騎手が気合をつけて中団8番手から。ペースが遅い分、いつもよりは前目のポジション。3コーナー前からステッキを振るって前を追い、4コーナーでは離れた6番手。最後の直線も息の長い末脚を繰り出して2着まで押し上げました。相変わらずズブさを感じさせますが、53秒台で駆けられたのは収穫。距離が二千に延びる東京ダービーも、2着争いの有力候補です。

3着 ヴェガス
 前走のクラウンCは、気の難しさを出してロスの多い競馬を強いられながら2着。アテにしづらい面はありますが、いかにも距離が延びて良さそうなタイプ。大井コースに実績もあるので、上位有力とみていました。この日はプラス2キロの493キロ。パドックでは物見もせず集中して周回。馬っぷり上々で好仕上がり。レースはダッシュが利かず後方11番手から。それでも前走の序盤の運びに比べれば随分マシ。3コーナー過ぎから外目をマクって出て中団まで進出。最後の直線もジリジリ脚を伸ばしてきましたが、シングンボスとの2着争いに敗れ3着。この馬の実力は出し切ったと思います。東京ダービーでは、展開もつれた際の連下級か。

4着 ドラゴンウィスカー
 過去の実績ではメンバーで上位ランクですが、前走のクラウンCは理想的にレースを進めて3着。クラシックレースで勝ち負けの決定力は?で、△に留めました。この日はプラス2キロの493キロ。馬格の割にインパクトに欠ける体つきですが、大体いつも通りの雰囲気。あまり気合は表に出さないタイプです。レースは好スタートから内のクラーベセクレタを意識してその直後4番手。道中はロスなく進めて最後の直線は外へ切り替えましたが、伸び今イチの4着。大体これが一杯一杯の走りでしょう。東京ダービーでも頑張って4、5着までか。

5着 ブラックサンダー
 休み明けの前走は1番人気で7着。スタートが悪くリズムを崩した感じの敗戦。このメンバーで通用するかは微妙ですが、結構素質を秘めていると見込んでいる馬で、△を打ちました。この日はマイナス7キロの483キロ。スリムな体型の馬であまり減るのは嫌ですが、今回に関しては絞れた分か。集中力もあり前走以上のデキと判断。レースは好スタートから柏木騎手がかなり気合をつけて2番手へ。クラーベセクレタのプレッシャーを受けつつ直線の入口までは頑張っていましたが、追って伸びる余力はなく目イチの5着。ただし積極的なレース運びは見処十分で、次に繋がりそう。本質千四ベストで、次走条件次第では狙える。

6着 キスミープリンス
 全日本2歳優駿3着、京浜盃は外伸びてクラーベセクレタの2着。一蹴されたとはいえ、時計の1分47秒0は例年の勝ち馬レベル。当然2着候補の一番手でしたが…。この日はプラス4キロの454キロ。京浜盃の時と同様にややテンションが上がり気味でしたが、体の造りは上々。好調キープと判断。なお御神本騎手が騎乗停止で内田博騎手が騎乗予定でしたが、直前の落馬事故で急遽柴山騎手に手替わり。レースは出たなりで外枠から無理なく5番手へ。決して道中の運びは悪くありませんでしたが、最後の直線は全く伸びる気配がなく圏外の6着。多少外を回るロスがあったとはいえ、不可解な敗戦。やはりテン乗りが微妙に響いたのでしょうか…。この1戦のみではまだ見限れません。

9着 ルーズベルト
 JRAではダート千八の未勝利戦を1勝。ただし、その後の弥生賞が10着とはいえ0秒9差。的場文騎手が騎乗することもあり、2着争いには加われそうな気がしていました。この日はプラス15キロの493キロ。全く太目感はありません。活気もあり好仕上がりと判断。レースは出遅れて後方12番手から進み、見せ場なしの9着。現時点で重賞レースで通用の力量は疑問。