第15回 さきたま杯(Jpn2)

【予想】
◎フジノウェーブ
○ラブミーチャン
▲ラヴェリータ
△ナイキマドリード
△ダイショウジェット
△セレスハント

 逃げるジーエスライカーを自力で捕まえて好タイムVの東京スプリング盃から、そう衰えは感じないフジノウェーブ。前走の東京スプリントは忙しい千二で末脚不発も、現状ベストの千四なら巻き返せるとみました。太目を叩いたラブミーチャンの変わり身が特注モノ。ラヴェリータ、ナイキマドリードなども含め上位拮抗。

【レース】
 注目の逃げ争いは、好スタートを決めたジーエスライカーがハナ。対照的にラブミーチャンは発馬ひと息で2番手に甘んじる形。ナイキマドリードが定位置の外3番手。スーニは意外に早目に6番手。その外から進出はダイショウジェット。ラヴェリータは内々で窮屈な走り。フジノウェーブは行き脚が鈍く後方から。当然ペースは速目でも、メンバーを考えば、先行勢に無理のないペース。4コーナーで先頭に並びかけたナイキマドリードが、直線も脚いろ衰えず伸び切って1着ゴール。スーニを頭差抑えて、ジーエスライカーが2着に粘りました。

【上位馬の寸評】
1着 ナイキマドリード
 昨年はJBCスプリントを2着するなど南関屈指のスプリンターに成長。NARグランプリ最優秀短距離馬に選出された同馬。浦和千四のオーバルスプリントも勝っているように距離の融通も利く馬ですが、前走の東京スプリントが、手応えの割に意外に伸びず6着。それがちょっと不満で評価を下げてしまいました。この日はマイナス4キロの479キロ。フックラとした体つきは好感も、昨秋の絶好調時に比べると気合乗り今イチの印象。レースは好スタートから戸崎騎手が多少気合をつけて外3番手、いわばこの馬の指定席。勝負処から手応え良くスパートをかけて、4コーナーでは既に先頭に立つ勢い。他馬に付け入る隙を与えぬ、着差以上の完勝でした。注文通りの競馬とはいえ、改めて非凡なスピード能力を再認識。気合不足に見えたのも、それだけ馬が大人になったということか。南関を代表するスプリンターは今が旬です。

2着 ジーエスライカー
 JRAオープン千二でもハナに行くスピードはピカイチですが、近3走は2、2、4着と勝ち切れず。距離千四でラブミーチャン、ナイキマドリードにマークされる形では分が悪いとみて無印にしてしまいました。この日はマイナス2キロの486キロ。少し前までは太目に映った馬体が随分スッキリして、適度な気合乗り。現状480キロ台がこの馬の理想体重のようです。レースは好スタートから坂井騎手が気合をつけてハナへ。ラブミーチャンがスタートひと息だったので、思ったよりも楽な逃げ。勝負処からナイキマドリードのプレッシャーを受け、4コーナーでは並ばれましたが、それほど前半に無理をしなかった分、2着を死守しました。メンバー有利な船橋記念は2番手抜け出しを決めたものの、基本的には逃げ馬。距離は3歳時に千七の京浜盃を逃げ切ったことがあるものの、短いにこしたことはない。今後も徹底してハナに拘る個性派として存在感を発揮しそうです。

3着 スーニ
 名古屋千四のJBCスプリント1着を始め、交流重賞で実績を積み重ねてきた同馬も、最近は存在感が薄れがち。距離の千四は合うものの、置かれ過ぎる懸念は拭えませんでした。この日はマイナス2キロの474キロ。数字以上に大きく見せる好馬体。キビキビ感もあり、いつも通りの好気配。仕上がりに関しては全く問題なし。レースは好スタートから最近にない行きっぷりの良さで6番手、先行グループの直後。3、4コーナーでは、先を争う3頭から少し離れた4番手と絶好のポジション。これはと思わせましたが、結局は逃げたジーエスライカーをも捕まえ切れず3着に終わりました。このレースぶりを見る限り、今後もなかなか勝つまでは難しいかもしれません。

4着 ダイショウジェット
 これまで重賞レースでは、JRAと地方を含めて18戦して2着が最高。パンチ不足は否めませんが、前走のかしわ記念が0秒9差の4着。この組み合わせなら2着か3着くらいならあるかなとみていました。この日はプラス8キロの563キロ。多少太目に映りますが、大体がこんな感じの馬。気合乗りなどは、かしわ当時よりも良く見えました。レースはやや躓き気味のスタートで前半は後方9番手。向流しに入ると外からポジションを上げ、最終4コーナーでは5番手。ただし、そこからは脚が続かず、雪崩れ込んだ感じの4着。ほぼ力通りの結果でしょうか。年齢的にも上積みは期待薄。

5着 ラヴェリータ
 牝馬交流重賞のめぼしいところは大体モノにした同馬。果敢に挑んだかしわ記念は逃げて2着。差し返す根性を発揮してフリオーソを慌てさせるなど、その実力は折り紙つき。力通りに走れば当然勝ち負けですが、忙しい千四に戸惑わないか…。内枠でモマれた際にどうか…など、ちょっぴり不安点もありました。この日は増減なしの517キロ。あまり気合を表に出すタイプではないし、馬格の割に威圧感がある方ではない。ほぼいつも通りの気配。レースは武豊騎手が気合をつけて出たものの、出脚ひと息で内7番手から。外から被されて行きっぷりが思わしくありません。ポジションを下げて、最後は苦し紛れに内に突っ込む形。伸びる気配は見せたものの、挽回には及ばず5着止まり。不安が的中した感じ。完全に不完全燃焼の競馬で、次走での巻き返しに期待。

6着 ラブミーチャン
 最近は順調さを欠きながらも兵庫ゴールドトロフィー、かきつばた記念を連続3着。こと短距離なら交流レベルでも楽に通用を証明。叩いて太目の馬体が絞れてくるとみれば、同型ジーエスライカーがいても勝ち負けになると判断。この日はマイナス6キロの508キロ。ちょうどいい体つきで、適度な気合乗り。以前よりかなり増えているのは、成長分もあるようです。レースは肝心のスタートがひと息。濱口騎手が気合をつけて行ったものの、早々にハナはあきらめて2番手から。流れに乗って4コーナーでは内ジーエスライカー、外ナイキマドリードと3頭併走の形。一応の格好は作りましたが、やはり序盤のロスが響いて脱落、6着に終わりました。内容的には悲観するほどではありません。順調に使っていけば、短距離路線、あるいは牝馬交流路線で活躍が期待できる。

7着 フジノウェーブ
 前走の東京スプリントは10着でも1秒圏内。2走前の東京スプリング盃は逃げるジーエスライカーを下して好タイム勝ちと、衰えは微々たるもの。現状ベストの千四なら、人気的にも狙い目とみました。この日はマイナス2キロの480キロ。体つきがシャープだし、最近のこの馬としては気合乗りも上々で、なかなかの好気配。レースはやや躓き気味のスタートで後方10番手から。思うようにポジションを上げられず、ようやく4コーナー手前から追い上げ態勢に入りましたが、時既に遅く6着まで。完全にスピード負けというレースぶり。今後の評価は微妙ですが、基本的に左回りは良くないのかも。地元大井で千四、千六くらいなら、今一度注目したいところも。