第14回 京成盃グランドマイラーズ(S3)

【予想】
◎カキツバタロイヤル
○ディアーウィッシュ
▲ケイアイライジン
△マグニフィカ
△フサイチピージェイ
△イーグルショウ
△テイエムカゲムシャ

 大井記念は一旦2番手に上がったものの、決め手負けして4着に終わったカキツバタロイヤル。二六→千六でも距離の融通が利く差し馬。展開の利を加味して連軸信頼。連覇を狙うディアーウィッシュ本線ですが、転入馬の取捨がひとつのポイント。

【レース】
 3頭横並びの逃げ候補。その真ん中の今野ディアーウィッシュが好スタートを決めたために両サイドの戸崎マグニフィカ、山崎誠ヴァイタルシーズは控え気味。ディアーウィッシュもそうハナには拘らなかったので、その間隙を衝いて左海フサイチピージェイが逃げるとは予想外の展開。ペースはスロー。スンナリ外2番手で運んだディアーウィッシュが馬なり4コーナー先頭に立ち、危なげなくゴールを駆け抜けました。混戦の2着争いは森カキツバタロイヤルが浮上。

【上位馬の寸評】
1着 ディアーウィッシュ
 昨年逃げ楽勝を決めたゲンのいいレース。それ以降の2勝も千六で、マイラーとしての資質が鮮明に。稽古上々、展開不問の強味もあり勝ち負け確実とみていました。この日はプラス7キロの527キロ。ハードに追い切っての馬体増は充実の表れと判断。パドックではいつも気合を表に出さないタイプです。レースは好スタートから今野騎手が自在に立ち回ろうとする構え。結局フサイチピージェイに行かせて外2番手は願ったりの展開。ペースも先行馬向き。4コーナー先頭の勝ちパターンに持ち込み、危なげなくゴールを駆け抜けました。今年7歳とはいえ、衰え皆無で元気一杯。とにかく自分の形に持ち込むと渋太い。

2着 カキツバタロイヤル
 昨年の東京記念以降は長目の距離を使い好走続き、特にスマートファルコンの2着したダイオライト記念が好内容。距離の許容範囲は広く千六OK。流れが速くなると読んで、この馬に◎を打ちました。この日はマイナス1キロの427キロ。大人しいタイプで、そう見映えしないのはいつも通り。仕上がりは順調と判断。レースは森騎手が気合をつけて外5番手から。やや早目ですが、案外ペースが落ちたので、まずは理想のポジション。ただし、3コーナー過ぎにケイアイライジンがマクって来た際に、これに交わされて一瞬手応えが怪しくなるシーンも。4コーナーから直線にかけても馬込みに入り不自由な競馬。バラけた処でようやく脚を伸ばし何とか2着は確保しました。案外器用さに乏しく、こういったスローの瞬発力勝負は向いていないのか。それでも力の一旦は示しました。

3着 ドリームトレジャー
 JRAでは芝路線ですが、転入緒戦の埼玉栄冠賞を人気薄で1着。以降は勝っていませんが、時折見せ場があり、常に穴っぽいムードを漂わせている馬。ただし、千六?で印は付け切れませんでした。この日はプラス2キロの480キロ。転厩緒戦でも調整に狂いはないようで、馬っぷりは相変わらずいい。レースは競走中止したエネルマオーを除けば最後方からの競馬。2着争いがもつれる混戦に乗じて3着まで脚を伸ばしました。多少時計がかかる競馬になったのも幸いしたか。計算しづらいタイプですが、メンバーや展開次第ではいつ大駆けがあってもおかしくない。

4着 ヴァイタルシーズ
 昨年のこのレースは逃げるディアーウィッシュの2番手を進み3着。勝つためには逃げたいところですが、今回はマグニフィカも加わってきたので展開微妙でした。この日はマイナス2キロの447キロ。年齢的に大幅な変わり身は望めず、大体近走と同レベル。レースは何が何でもの構えで行くとみていたところ、内のディアーウィッシュのスタートが良かったので、山崎誠騎手がすぐにハナはあきらめた感じ。昨年と同パターンを目論んだようですが、そこに外から一気にフサイチピージェイが行ったので、外3番手から。これでは厳しい。やはり2番手は欲しい。ディアーウィッシュに付いて回り一旦は2番手に上がりましたが、追い比べで後れを取り4着。流れを考えれば大健闘でしょう。重賞レースではよほど展開に恵まれないと苦しい。

5着 イーグルショウ
 2月の報知グランプリCでは、ゴール寸前ヴァイタルシーズを交わして2着。ただし休み明けの前走大井記念がマイナス11キロ。全体的にこぢんまりした印象も。7歳という年齢を考えると上積みは?ですが、左回りのS3ならソコソコはやれそうな気もしました。この日はマイナス2キロの463キロ。特に細目感はなく現状維持。レースは坂井騎手が気合をつけて内9番手から。直線勝負で混戦の2着争いに加わったものの、特に見せ場らしい見せ場はなし。衰えは否めません。

7着 マグニフィカ
 G1ホースも以降の不振で世代レベルを問われる標的に。ただし、今回は59→56キロ。鞍上戸崎、適距離と思われる千六。厩舎の勢いもあり豹変の期待十分。正に正念場でした。この日はプラス8キロの525キロ。少しテンションが上がり気味ですが、これが本来の姿。相変わらず馬っぷりは冴えており、万全の状態と判断。レースはスタートひと息。隣のディアーウィッシュのスタートが良かったので、戸崎騎手は戦法を切り替えたのかインで抑える形。内4番手を進み、最後の直線も内に入りましたが、全く伸びず7着。追って脚を使える馬ではありません。あのスタートでも、ディアーウィッシュが抑えてので、行く気になればハナに行けたはず。そうすればもう少し違う結果が出たかも。まだ復活のチャンスはあると思います。

8着 フサイチピージェイ
 JRA6勝で、佐賀記念2着もあるオープン馬。追い切りで同僚のディアーウィッシュに遅れたのは減点ですが、気になる存在ではありました。この日はプラス5キロの489キロ。馬っぷり良く適度な気合乗り。態勢は整ったと判断。レースは他の先行勢が牽制し合うのを尻目に外から一気にハナ。スローダウンしてマイペースに持ち込みましたが、4コーナー手前でディアーウィッシュに交わされズブズブ。次に繋がる競馬とは思えません。

10着 ケイアイライジン
 JRA新馬勝ちで、ダービーにまで駒を進めた素質馬。ダート2戦が9、10着は気になりますが、かなり調教の本数を乗っているので、厩舎的にも注目していました。この日はプラス26キロの528キロ。馬っぷりは悪くないものの、さすがにちょっと太い。本数はともかく、ビシッと行っていない影響でしょうか。レースはスタート今イチ。6番手からの競馬になりましたが、勝負処からマクりを打って一旦は4番手まで進出。最後はバテたものの、それなりに見せ場はありました。地方で再生する可能性も。