第34回 帝王賞(Jpn1)

【予想】
◎スマートファルコン
○バーディバーディ
▲エスポワールシチー
△ボンネビルレコード
△シーズザゴールド
△タートルベイ

 JBCクラシック、東京大賞典で圧倒的なパフォーマンスを演じたスマートファルコン。今回は勝負付けが済んでいないエスポワールシチーとの対決が焦点ですが、勢いの差は歴然で寄せつけないとみました。むしろ興味は2着争いで、妙味あるのはバーディバーディの方。

【レース】
 好スタートを決めた武豊スマートファルコンが馬なりでハナ。強気に2番手に行ったのが石崎駿マグニフィカで、佐藤哲エスポワールシチーは大事に3番手から。松岡バーディバーディが4番手で、5番手以下は遥か後方。緩みない流れでも、スマートファルコンにはマイペース。一旦は2番手グループを引き付けたスマートファルコンは、直線向くと一気にスパートをかけて差は広がるばかり。2着争いを尻目にゴール前は流す余裕で1着ゴール。エスポワールシチーが2着を死守しました。

【上位馬の寸評】
1着 スマートファルコン
 フリオーソの回避で、当面の敵は未対戦のエスポワールシチーのみ。ただし、勢いの差は歴然で、勝ちっぷりのみが焦点。この日はプラス7キロの507キロ。パドックを周回する姿は躍動感に満ち溢れ、毛ヅヤも抜群。最近の中でも一番良く見えました。レースは好スタートを決めて馬なりでハナ。前半の4ハロンは大賞典とあまり変わりませんが、5ハロン目から8ハロン目までのラップが大賞典(11秒9〜12秒1〜12秒1〜12秒3)に比べると12秒3〜12秒6〜12秒7〜12秒6と相当楽。フリオーソのマークを受けた大賞典とは全然違います。ここで十分に息を入れて、最後の直線、残り2ハロンでラストスパートをかけると11秒3〜12秒1の瞬発力。これで一気に2番手以下を突き放し、最後の百bは抑える余裕。既にヴァーミリアン、カネヒキリの域を超えたとみます。あとは海外遠征で世界にアピールして欲しい。

2着 エスポワールシチー
 G15連勝を果たした同馬も、休養や海外遠征を挟み勢い停滞。名古屋大賞典はレコード勝ちとはいえメンバーのレベル? かしわ記念は出遅れたとはいえ意外な凡走。完全復調とは言い難いし本質マイラーで距離も? 2着安泰とは思えませんでした。この日はプラス2キロの500キロ。いかにもダート馬といった迫力は感じませんが、キビキビ感があり毛ヅヤも上々。この馬としてはなかなか良く見えました。レースは好スタートから徐々に馬を内に寄せて3番手から。残り5ハロンで2番手へ。そして4コーナーでは手応え良くスマートファルコンに接近しましたが、最後の直線は相手のラストスパートに振り切られて差は開く一方。それでもバーディバーディは抑えて意地を見せました。レースぶりと馬の気配からそう衰えは感じられず、今回は相手が悪過ぎ。千六路線ならやはり最強レベルは間違いなし。

3着 バーディバーディ
 昨年の大賞典ではスマートファルコン、フリオーソの2強を3番手で追いかけ、流れ込んで1秒差の3着。今年に入り4戦未勝利ですが、耐久力アップして、マイラーから中距離もこなすオールマイティ型に変貌。エスポワールシチーに若干不安点があるので、人気的にもこの馬の2着付けに妙味ありとみていました。この日はプラス6キロの490キロ。パドックの外目をキビキビと周回する姿に好感。万全の態勢と判断。レースは松岡騎手が多少気合をつけて内4番手からの競馬。3、4コーナーではステッキが何発か入り3番手で必死に前を追走。最後の直線もジリジリ脚を伸ばしましたが、エスポワールシチーも捕まえ切れませんでした。正直これが目イチの競馬でしょう。やはりG1を勝てるほどのスケールは感じません。

4着 ボンネビルレコード
 史上初の帝王賞6回連続出走。過去5、1、2、3、3着という見事な成績。ただし、近走のレースぶりを見ると往年の迫力が薄れており、JRA勢の一角を崩すのは難しいとみていました。この日はマイナス1キロの482キロ。キリッと引き締まった馬体。活気があり適度に汗もかいて、外見的には全盛期と何ら変わらず。レースはこの馬としては比較的まともに出て7番手から。大きく離れた後方馬群の中ですが、的場文騎手は無理に前を追いかけず我慢の仔。直線だけで内を突いて4着は、ほぼ計算通り? とりあえず地方最先着を果たしました。極端に衰えが来ているわけではなく、メンバー次第では久々の勝利も。

5着 フィールドルージュ
 フリオーソを破った川崎記念はもう3年以上も前の話。中止、取消しなどを挟みリズムに乗れない9歳馬。順番で△は打ちましたが、正直厳しいとみていました。この日はプラス2キロの508キロ。毛ヅヤがいいし決して悪くは見えませんが、元来が良く見せる馬で半信半疑。レースは大きく離れた後方馬群の先頭を進み、流れ込む形での5着。特に強調すべき材料はなく、見通しは暗い。