第40回 戸塚記念(S2)

【予想】
◎タイセイヴィグラス
○ヴェガス
▲ゴールドスガ
△ミカドポーネグリフ
△ナターレ
△ファジュル
△ハルサンサン

 クラシック出走組もそれほど抜けた感じはしないので、ここは上がり馬のタイセイヴィグラスに注目しました。休み明けの前走の勝ちっぷり上々。スピード血統ですが、レースぶりからは長目の距離もこなせると判断。相手は実績通りにヴェガス、ゴールドスガを重視。

【レース】
 ダービーでもハナに行った逃げ馬エースフォンテンが出遅れ。すかさず逃げたのが的場文ナターレで、ハバナマティーニ、タイセイヴィグラスと続いて内にファジュル。ハルサンサンは予想通り慎重に中団より後ろ。ゴールドスガ、ヴェガスは例によって後方から。向流しに入るとヴェガスが一気に動き、ハルサンサン、ゴールドスガなどもスパートを開始。ただし、逃げるナターレは終始マイペースを守り、追い込み勢の末脚を完封して重賞レース2勝目を飾りました。ハルサンサンに競り勝ちゴールドスガが2着。

【上位馬の寸評】
1着 ナターレ
 東京プリンセス賞の9着は案外ですが、大混戦の東京ダービーで、4コーナー先頭の見せ場を作り1秒圏内の競馬。今回約3ヶ月ぶりの実戦ですが、クラウンCを同様のパターンで1着。侮れない存在とみていました。この日はプラス5キロの466キロ。仕上がり早のタイプで全く太目感なし。適度に気合も乗りいい雰囲気。レースは的場文騎手が気合をつけてハナを主張。1周ホームストレッチではお決まりのスローダウン。向流しの中間地点を過ぎたあたりでヴェガスが2番手に進出してすぐ背後に接近してきましたが、ピッチを上げて先頭を譲らず最後の直線へ。今イチ伸びを欠く差し馬勢を尻目に、悠々ゴールを駆け抜けました。逃げ馬エースフォンテンの出遅れに乗じて、ハナを主張した的場文騎手の作戦が大正解。差し馬勢がいずれもなし崩しに脚を使ってしまい恵まれたところもありますが、改めて今年の3歳牝馬のレベルの高さを証明する結果になりました。 。

2着 ゴールドスガ
 東京ダービーこそ7着ですが、ニューイヤーC3着、クラウンC4着、東京湾C3着と、重賞の上位常連。格付け緒戦の前走は、千五のスピード競馬でハルサンサン、イケノナインに続く3着。相手の土俵でこの結果は、地力の高さを証明する走り。この距離で息の長い末脚を生かせば、当然勝ち負けが予想されました。この日はプラス7キロの472キロ。前走がいくらか余裕を残す造りだったので、この馬体増は意外。それと気合の乗りが今イチの感じも。レースはヤンワリ出てヴェガスと並んでほぼ最後方から。ヴェガスが早目に動いたのに対し、こらは3コーナー手前からスパートして4コーナーでは5番手に進出。上がりのかかる競馬に乗じてジリジリ差を詰めて2着まで押し上げました。流れとしてはハマった感じの競馬。追い込み一辺倒で勝ち味の遅さは否めませんが、まだ良化の見込める体つき。次に自己条件なら(B1・B2)間違いなく勝ち負け。

3着 ハルサンサン
 関東オークス4着後も暑い盛りに2戦。古馬相手のB2千五を1分33秒4の好タイムV。前走の黒潮盃は、早目に動いたところ、案外伸びずに5着。やはり長目の距離になると脚の使い処が難しい感じ。今回は距離二一の克服がカギでした。この日はマイナス12キロの441キロ。体型的なのもありそう細くは映りませんが、ちょっと数字が大きい。中間熱発の影響が多少あるのか…。レースは予想通りにジックリ溜めて脚を温存させる作戦。11番手から進み、向流しに入ると、ヴェガスの後を追うように追い上げ、4コーナーでは4番手まで進出。ただし、最後の直線でもうひと伸びする脚はなく、ゴールドスガとの2着争いに敗れて3着に終わりました。それでも諸々の条件、状況を考えると、この3着は価値があります。いずれ牝馬の重賞はゲットできそう。

4着 ミカドポーネグリフ
 東京ダービートライアル1着。東京ダービー8着を挟んで、3歳交流戦、B3選抜と連勝。見た目や勝ちっぷりは地味系ですが、結構玄人好みの渋さがあるし、前走の時計千八53秒3も悪くない。もちろん距離の延長は問題ないので、初コースでも注目していました。この日はマイナス7キロの440キロ。特に細目感はなくいつも通り。物見することなく落ち着いて平常心。レースは追走に苦労して後方12番手から。差し馬勢はヴェガス、ハルサンサン、ゴールドスガの順に動きましたが、この馬は一番遅れてスパート。上がりのかかる競馬に乗じて4着に食い込みました。大体力通りの競馬とみて良さそうですが、初コースでここまで走れば上等か。

5着 ヴェガス
 羽田盃3着、東京ダービー2着とクラシック路線で大活躍。このメンバーでは文句なく実績bPですが、いかんせん追い込み一辺倒。先行有利な川崎コースにどう対応するかがポイントでした。この日はマイナス13キロの478キロ。これはデビュー以来の最低体重。元来馬っぷりがいいのでそう細くは見えませんが、ややこじんまりした感じ。間隔があいてこの体重減は割引きと言わざるをえません。レースは例によって後方から。2コーナーを回ってバックストレッチに入ると即座にスパート開始。3コーナーでは2番手まで上がりましたが、さすがに無理がたたって最後の直線は一杯加減。後続の追い込み勢に交わされ5着に後退しました。今回に関しては基準外とみるべきでしょう。いかにもレース運びが強引過ぎたし、体調不備も重なっての敗戦。

12着 タイセイヴィグラス
 使い出しは千四の新馬。超スローの瞬発力勝負で上がり3ハロン37秒6をマークして1着。クラウンCは9着に敗れたものの、それを除けば4戦4勝。スピード血統ですが、決して勝ち気に行くタイプではなく、距離はこなしそう。叩き二度目の上積みも見込んで期待しましたが…。この日はマイナス1キロの478キロ。あまり気合は表に出さない馬。決して目立つ馬っぷりではありませんが、毛ヅヤ上々で、休み明け好走の反動はないと判断。レースは吉原騎手が多少気合をつけて外3番手から。大体予想されたポジションですが、向流しで次々に来られて手応えが怪しくなり無抵抗に後退。クラウンと同様の結果になってしまいました。やはり距離が長いということなのか。自己条件で仕切り直し。