第48回 東京記念(S2)

【予想】
◎ボンネビルレコード
○ボランタス
▲マズルブラスト
△テラザクラウド
△キングバンブー

 約3年も勝利に見放されているボンネビルレコード。往年の切れ味は鈍ったものの、そう極端な衰えはないので、この距離、メンバーで56キロなら◎に抜擢しました。叩いての変わり身十分のボランタス、大井記念1着と健在を示したマズルブラスト、上がり馬テラザクラウド、ほぼ4頭の競馬。

【レース】
 スタートしてすぐコーナーの二四。まず1番枠のキングバンブーが先頭に立ち、1周ゴール前で代わってハナに立ったのが2番枠のシルクコンダクター。これがペースメイクしてスローな流れ。マズルブラストは絶好の3番手。テラザクラウドは先行グループの一角。向流しで動いたのがボランタス。ボンネビルレコードは反応ひと息。最後の直線、一旦は先頭に立ったマズルブラストを、残り200で交わしたテラザクラウドが、力強く伸び切り1着ゴール。勢いの差をまざまざと見せつけました。ボランタスを抑えてマズルブラストが辛くも2着。

【上位馬の寸評】
1着 テラザクラウド
 東京ダービー8着後、昨年の下半期は全休。今年2月に復帰後は千四、千六、千八と万遍なく使い、いずれもハイレベルの走り。馬っぷりの良さも特筆モノ。問題は長距離の経験が豊富な古豪とのキャリアの差でした。この日はプラス1キロの511キロ。間隔をあけたローテーションで大事に使われ、今回も申し分のない仕上がり。レースは出たなりで外6番手から。マズルブラストを目標にする形。2周目3コーナー過ぎからは仕掛け通しで内に潜り込み、最後の直線は外目へ。残り200でマズルブラストを交わすと、更にストライドを伸ばし3馬身差の圧勝。堂々たる横綱相撲でした。今日のメンバーとはほぼ勝負付けが済んだ感じ。かなり追わせるレースぶりからは長目の距離に高適性か。更に上のレベルでも期待できそうです。 。

2着 マズルブラスト
 9歳を迎えた今年、大井記念1着、サンタアニタトロフィー2着と健在ぶりをアピール。ボンネビルレコードより2キロ重い58キロは決して有利とは言えませんが、単騎逃げすらありうる展開面で楽にカバーできそう。勝つチャンス十分とみていました。この日は増減なしの535キロ。気合乗り十分の好馬体は相変わらずで、年齢を感じさせません。レースは出たなりで1枠2頭に続く3番手。ほぼ理想的なポジション。向流しで動いてきたボランタスを意識しつつ徐々にスパート。4コーナーで逃げるシルクコンダクターに並びかけ、直線の入口では早くも先頭。完全に勝ちパターンでしたが、残り200でテラザクラウドに交わされてしまい、辛くも2着死守という結果に終わりました。ただし、これは相手の実力に脱凡。マズルブラスト自身の走りはできたと思います。マダマダ南関トップクラスの実力を保持。

3着 ボランタス
 南関での2勝、ゴールドC、報知オールスターCは、ともにインパクト大の勝ちっぷり。更には浦和記念でスマートファルコンの2着、川崎記念ではフリオーソの3着と隠れた?実力馬。前走のサンタアニタトロフィーは5着ですが、休み明けで気配今イチ。過去暑い盛りに使ったケースは少なく、そのあたりが影響したのか…。長目の距離は合うので、気配如何では狙い目十分とみていました。この日はマイナス1キロの539キロ。前走時よりも活気があり明らかに上昇ムード。レースは山崎誠騎手が多少気合をつけて外9番手から。有力先行馬を意識して向流しに入ると早目にスパート。3コーナー4番手、4コーナーでは3番手に進出。かなり脚を使った分、最後の直線はスパッと切れませんでしたが、それでもマズルブラストにはハナ差まで肉薄と、底力を感じさせるレースぶりでした。次は更に良くなってきそうなので楽しみが膨らむ。

4着 ボンネビルレコード
 08年の日本テレビ盃1着以降、約3年近く未勝利。さすがに往年の迫力は失せましたが、それでも2走前の帝王賞では4着と、極端な衰えがきているわけではありません。もちろん長距離戦は望むところだし、このメンバーで斤量56キロは極めて有利。しかも稽古抜群ならズバリ狙い目とみました。この日はプラス3キロの483キロ。猛稽古を消化しての馬体増は好感だし、適度な気合乗りで好気配。レースは五分のスタートから的場文騎手が気合をつけて積極策。ただし、外枠が響いてはまり込むポジションがなく、折り合いも? 結局8番手からの競馬。リズムを崩した分、スパートのタイミングも微妙に遅れて4着。もし内枠だったら違った結果が出ていたのでは…。条件さえ合えば、もう1回追いかけてみたい。

5着 セトノギムレット
 今夏大井の千六で1、2着と好走。ただし決してマイラーというわけではなく、昨年の当レースでは4着と長距離もこなす馬。印はつけませんでしたが、内枠を生かして先行できればソコソコやれるかなとみていました。この日はプラス3キロの455キロ。以前に比べると随分落ち着きが出たし、体つきもスッキリしていい感じの仕上がり。レースは張田騎手が気合をつけて内6番手から。途中少しポジションを下げましたが、気持ちが途切れず懸命に追走。最後の直線も内を突いて5着。正真正銘目イチの競馬ですが、上位4頭の顔ぶれからすれば大健闘と言えるでしょう。重賞レースでの勝ち負けまではちょっと荷が重い。