第8 回 レディスプレリュード(重賞)

【予想】
◎ラヴェリータ
○クラーベセクレタ
▲ミラクルレジェンド
△ブラボーデイジー
△エーシンクールディ
△ショウリダバンザイ
△フレンチカクタス

 牝馬のビッグタイトルを総ナメにして、女王の名を欲しいままにするラヴェリータ。放牧明けでも仕上がり上々なら当然◎ですが、3歳クラーベセクレタの53キロは魅力一杯だし、切れ味勝負でミラクルレジェンドも逆転に虎視眈々。

【レース】
 予想通りエーシンクールディがハナに行き、後続を離しての逃げ。クラーベセクレタ、カラフルデイズ、フレンチカクタスなど3歳馬が続き、その直後にミラクルレジェンド。これをマークするようにラヴェリータ。緩みない平均ペース。向正半ば過ぎから動いたのがラヴェリータで、3コーナーでは早くもクラーベセクレタと2番手併走。これを追うミラクルレジェンドは、直線の入口ではまだ離れた4番手。武豊騎手が懸命に叩き出して、ラヴェリータがようやくエーシンクールディを交わしたところを、外からアッサリ抜き去ったのがミラクルレジェンドです。目の覚めるような末脚で、ラヴェリータに雪辱を果たしました。

【上位馬の寸評】
1着 ミラクルレジェンド
 TCK女王盃、エンプレス杯では、ラヴェリータと激闘を演じて惜敗。放牧明けのマーキュリーCは5着に敗れたものの、続く関越ステークスが素晴らしい勝ちっぷり。牝馬では最強レベルを再認識。このレースもラヴェリータにどう挑むかが焦点でした。この日は増減なしの432キロ。いつも通りといったところ。この馬とカキツバタロイヤルは、あまり見た目は参考になりません。レースは岩田騎手が多少気合をつけて外6番手から。その直後にいたラヴェリータが早目に動いて2番手に上がったのに対し、こちらは一旦置かれて4コーナーでは離れた4番手。前とはまだ距離がありましたが、そこからがこの馬の真骨頂。ケタ違いの末脚を駆使して、並ぶ間もなくラヴェリータを交わし雪辱を果たしました。競り合って体力負けしたのがTCK女王盃。今回は馬体が離れて出し抜けを食わす形。結果的には最高の形になったということでしょう。それにしても勝ちタイムの1分50秒8は優秀。正に男勝りの実力馬です。

2着 ラヴェリータ
 南関東の牝馬交流重賞は過去8戦して6200。負けた2戦もクビ、ハナ差。かしわ記念ではフリオーソを目一杯に追わせて2着惜敗。牝馬では図抜けた存在。斤量の57キロも背負い慣れており、まともなら負けられない一戦とみていました。この日はプラス1キロの520キロ。気合を表に出す方ではなく、パドックではあまり目立たない馬ですが、この日は活気があり、芦毛とはいえ毛ヅヤが輝いており非常にいい雰囲気。これまでの中で一番良く見えました。レースはスタートひと息で序盤は外7番手。向正半ば過ぎから一気に動いて、3コーナーではクラーベセクレタと2番手併走。最後の直線、粘るエーシンクールディをようやく交わした処に、外からミラクルレジェンドの強襲を食い2着に甘んじました。敗因としては、スタートがひと息だったのと、逃げ馬を交わすのに精力を使ったこと。あとはミラクルレジェンドの切れ味に脱帽。今回は相手の形だったということでしょう。

3着 エーシンクールディ
 グランダムジャパンの古馬部門で3勝。男馬相手のサマーチャンピオンでも逃げまくって4着。スーニのレコード駆けのお膳立てをするなどスピード抜群。このメンバーでも逃げは間違いなし。あとは力関係と、大井の千八でスタミナが保つかどうかがカギでした。この日はプラス2キロの494キロ。馬っぷりがいいし、うるさいくらいに気合が乗って元気一杯。過密ローテーションの影響など微塵も感じさせません。レースは好スタートから岡部誠騎手が気合をつけてハナ。緩みないラップを刻んで離し気味に逃げ、3、4コーナーで息を入れて後続を引き付け、直線に向くとラストスパート。最後はラヴェリータに競り負け、更にはミラクルレジェンドにも交わされ3着ですが、予想を上回るスピード、粘りを発揮して存在感をアピールしました。もしミラクルレジェンドとラヴェリータが牽制し合うような競馬だったら、まんまと漁夫の利を占めていたかも。今後も全国を股にかけて活躍しそうです。

4着 ショウリダバンザイ
 桜花賞、ロジータ記念を勝つなど、南関でもお馴染みの実力牝馬。今年は1勝のみですが、その1勝は、道営3冠馬クラキンコを大外一気に交わしたノースクイーンC。予想以上にペースが上がるようだと、食い込み可能とみていました。この日は増減なしの460キロ。ロジータを勝った当時に比べるとひと息の気もしましたが、落ち着きが出たのは好材料でマズマズ。レースはヤンワリ出て後方14番手から。4コーナー手前から一気に動いて直線入口では6番手まで進出。最後の直線も外から一瞬伸びかかりましたが、4着に終わりました。正味目イチでも上がり3ハロンの36秒2は、ミラクルレジェンドと並んでメンバー最速。力は出し切ったと思います。体はもう少し増やしたい。

5着 クラーベセクレタ
 男馬のクラシック路線を戦い抜いて2冠奪取。ジャパンダートダービーは、失格になったとはいえ中央の強豪相手に0秒1差の大接戦。文句なく3歳の一番馬。それが53キロというのは極めて有利。問題は激戦の疲労が完全に癒えているかどうかですが、気配次第では、逆転も十分に可能とみていました。この日はプラス9キロの466キロ。もちろん増えてきたのは好材料。うるさくない程度に気合も乗って、出走態勢は整った様子。レースは好スタートを決めて、序盤の行きっぷりは近2戦に比べると極めてスムーズ。離れた2番手をスンナリ進んでいたところ、3コーナーからラヴェリータが並んできて、しばらく2番手を争う形。ここでいくらかスタミナを消耗したか…。最後の直線も辛抱していましたが、追って伸びる気配はなく5着に後退しました。今回の時計を出すまでもなく、1、2着馬は歴代牝馬でも有数のハイレベル。勝ちに行ってこの結果なら良しとすべきでしょう。次が楽しみ。

7着 カラフルデイズ
 関東オークス1着馬ですが、岩田騎手が最高に上手く乗ったのと、メンバーのレベル? それが男馬の2冠を制したクラーベセクレタより2キロ重い55キロでは、狙い切れませんでした。この日はプラス4キロの438キロ。パドックで時折チャカつくのはオークスの時も同じ。小柄なりにコンパクトにまとまった馬体で悪くない。レースは出たなりで先行して3番手から。ただし緩みないペースに追走が厳しくなり、徐々に後退して7着。完全に力負けといった競馬。基本的には千四くらいが合っているようです。

8着 ブラボーデイジー
 牝馬の交流重賞ではお馴染み。エンプレス杯ではラヴェリータと1勝1敗と星を分け、TCK女王盃ではラヴェリータ、ミラクルレジェンドに続く3着。休み明けがどうかですが、地力を評価して△を打ちました。ところがこの日はプラス19キロの565キロ。見た目にもボテッとして太い。レースはスタートひと息で中団のまま見せ場なし。今回に関しては調整に誤算があったようです。

16着 フレンチカクタス
 骨折での休養明けで約半年ぶり。この日はプラス8キロの504キロ。乗り込んでいるようで太目感はありませんが、ダート適性がどうかでした。レースはスタート出負け。それでもスピードはあるようで4番手に行きましたが、ジリジリ後退して結果は殿り16着。中身が伴っていなかったということか。それと体重の割にスラッとした馬で、やはり芝向きとみるべきでは。