第10 回 鎌倉記念(S3)

【予想】
◎ウィードパワー
○ヘヴンズパワー
▲ニシノファイター
△クリヤマキアート
△ルイクリスタルラヴ
△ミヤビプレスト
△センゲンオーラ

 どうみても道営勢に分がありそうな一戦。その中でも重賞2勝を含めて3戦3勝のウィードパワーの能力が一枚上と判断。ヘヴンズパワーはJRA五百万で2着の実績注目。千→千五でもスピード上位で逃げ切りまで。ニシノファイターは豊富なキャリアと千七経験が強味で、混戦になれば一気に浮上。トライアルの若武者賞組はレベル?で軽視。

【レース】
 好スタートを決めたヘヴンズパワーが、噂通りのスピードを発揮して逃げる体勢でしたが、1コーナーで大きく膨れるアクシデント。これに直接不利を受けた馬が3頭。その間隙を突いてコーナーワークでハナに行ったのがキョウエイロブスト。不利を被りながらテンピークスが2番手に行って、ニシノファイターは先行グループの直後。クリヤマキアート、ルイクリスタルラヴは中団。出遅れたウィードパワーは後方から。ヘヴンズパワーはすっかりリズムを崩してジリ退。ペースは馬場を考えると平均。まず動いたのはルイクリスタルラヴで、3、4コーナーで早くも先頭。これについてマクってきたのがクリヤマキアートですが、4コーナーで膨れ気味。ニシノファイター、センゲンオーラはやや外に振られる形。それでもキャリアを生かした渋太い走りを見せて、ニシノファイターが競り勝ち重賞ゲット。ルイクリスタルラヴがクリヤマキアートを首差抑えて2着を確保しました。

【上位馬の寸評】
1着 ニシノファイター
 道営3頭の中では地味な存在で9番人気と低評価。ただし、新馬Vが千七。以降は千二路線でも、距離が延びて変わり身を見せる可能性は十分とみていました。この日はマイナス8キロの480キロ。なかなか馬っぷりがいいし、キビキビ感もあり好気配。マイナス体重は絞れた分と判断。レースは小国騎手が出ムチを振るい外5番手から。勝負処からマクって出ましたが、4コーナーでやや外に振られるロス。それでもキャリアを生かした渋太い走りを見せ、叩き合いに競り勝ち見事重賞をゲットしました。ただし、上がりのかかる混戦レースに乗じたのは否めません。続けての好走となるとどうでしょうか。

2着 ルイクリスタルラヴ
 2走前のシーサイドスター特別で人気のドラゴンシップに競り勝ったのが価値ある走り。前走はよもやの4着ですが、これはハイペースに巻き込まれたのが敗因。折り合って行ければ、このメンバーでも十分に太刀打ちできるとみていました。この日はプラス1キロの509キロ。デビュー当初は緩く映った体が随分キリッとして活気もあり好気配。レースはスタート出遅れ。向流しで中団に取り付き、早目早目の仕掛け。無理なく3、4コーナーで先頭に立ち、最後の直線も懸命に粘っていましたが、ゴール前惜しくもニシノファイターに屈しました。スタートミスがなければと悔いの残る競馬。まだ未完成の部分があり、今後の成長が楽しみです。

3着 クリヤマキアート
 2戦2勝はともに1秒差以上の楽勝。クロフネ産駒の牝馬で注目の一頭。キャリア不足、休み明け、初距離、初コースなど課題は山積でも、魅力のある存在でした。この日はマイナス3キロの466キロ。迫力こそ感じませんが、コンパクトにまとまった均整の取れた好馬体。毛ヅヤ上々で集中力を保ち、なかなかいい雰囲気。レースは出たなりで内6番手から。折り合いに専念しつつ徐々にポジションを上げ、勝負処からマクり上げる作戦。ただし、4コーナーでやや膨れ気味になったのは、初の左回りが影響したか。外から被されつつも執拗に粘った走りは、3着とはいえ見処タップリ。間違いなく牝馬クラシック戦線の有力候補です。

4着 センゲンオーラ
 前走の若武者賞は1人気で3着。低レベルのトライアルで敗れたのはいただけませんが、2走前にミヤビプレストを抑えたレース内容が、時計を含めてなかなか優秀だし、現B2の快速馬センゲンコスモの弟という血統も魅力があり、印を打ちました。この日はプラス3キロの463キロ。馬体から大きな上積みは?でも、適度に気合が乗り、好調と判断。レースはヤンワリ出て後方からと、従来とは異なる戦法。向流しで中団内に潜り込み、3、4コーナーから一気にマクる作戦。4コーナーで外に振られるロスもあり、最後の直線は伸びを欠いて4着に終わりました。それでも次に繋がる走り。メンバー次第では十分に勝機があるでしょう。

5着 シビルアイバー
 地元浦和のみを使い1、1、3着。これといって速い時計があるわけではなく、このメンバーに入っては厳しいとみていました。この日はマイナス6キロの451キロ。パドックであまり気合を表に出さないのはいつも通り。マズマズ順調といったところ。レースは左海騎手が気合をつけて内4番手から。特に不利も被らず、絶好のポジション。途中からやや追走が苦しくなりましたが、それでも大きくはバテず5着。これが能力一杯の競馬でしょう。地元のみの手薄なメンバーなら当然有力候補。

7着 ミヤビプレスト
 下の条件を勝ってきた馬ですが、終い確かなレースぶりと、体つきの良さからは、結構奥行きのありそうな馬。このメンバーでも案外通用しそうな気がしました。この日はプラス3キロの452キロ。体重以上に馬を大きく見せて好仕上がり。レースは発馬前突進と大出遅れ。10番手から進み、僅かに差を詰めた程度。次走自己条件なら当然反撃。

8着 キョウエイロブスト
 九百→千五を跳ね除けてトライアル1着。かなりの能力を感じさせますが、このメンバーで自分の形に持ち込めるかどうかは疑問で印はつけ切れませんでした。この日はプラス3キロの466キロ。結構馬っぷりがいいし、サウスヴィグラスの仔にしては気合の乗りも良く、気配は良好でした。レースはヘヴンズパワーが1コーナーで外に膨れた間隙を突いて、コーナーワークでハナ。望外の展開になりましたが、トライアルと違い緩みのない流れに息が入らず、3、4コーナーでルイクリスタルラヴにマクられアウト。現状一線級のメンバーに混じると厳しい。

9着 ウィードパワー
 インパクト大の栄冠賞。千二→千八のブリーダーズ1着で土つかず3連勝。もちろん現時点の道営1番馬。南関勢よりモノが一枚上とみました。この日はプラス5キロの501キロ。馬格の割に迫力は感じませんが、少しでも増えたのは好材料とみるべき。非常に落ち着いて、初コースを気にする素振りはなし。レースは大出遅れで後方から。道中の行きっぷりも悪く、何もしないままに終わった感じ。もちろんこの1戦のみで評価は下げられませんが、馬っぷりからそれほどの大物感はありません。
10着 ヘヴンズパワー
 千bを2戦したのみですが、JRA五百万に挑戦しての2着は価値大。いきなりの千五でも、スピードの違いで押し切る可能性は十分とみていました。この日はマイナス4キロの448キロ。パドックを周回する姿は躍動感があり、体つきもフックラ、非常に良く見えました。レースは好スタートから逃げる体勢でしたが、1コーナーで大きく外に膨れるアクシデント。ここですっかり戦意喪失というか、御神本騎手も他馬に遠慮した感じでジリ退。やはり初の左回りが影響したようです。もちろん次走は改めて注目。