第21 回 埼玉栄冠賞(S3)

【予想】
◎ボランタス
○カキツバタロイヤル
▲タカオセンチュリー
△トーセンゴライアス
△キスミープリンス
△キングバンブー

 休み明けを二度叩いて復調気配のボランタスが、ゲンのいい浦和コースでマクり一発、チャンスとみました。今や南関屈指の実力馬に成長したカキツバタロイヤルとの一騎討ちムード。JRAでは長目の距離でも好走しているタカオセンチュリーが3番手で、順当な一戦。

【レース】
 1周目ホームストレッチで先頭に立ったケイアイライジンが、後続を離しての逃げ。向流しに入ると馬群が凝縮してエースオブタッチ、タカオセンチュリーと続き、カキツバタロイヤルは4番手。ペースは超スロー。向流しの中間地点を過ぎると、後方にいたボランタスが一気に動いて2番手に進出。カキツバタロイヤルも負けじと動いて、1馬身圏内に食い下がり直線へ。逃げたケイアイライジンも頑張っていましたが、最後は2強のデッドヒート。ボランタスが頭差競り勝って、衰えぬ実力をアピールしました。

【上位馬の寸評】
1着 ボランタス
 重賞初Vとなった昨年5月の浦和ゴールドCが破格の勝ちっぷり。以降もスマートファルコン、フリオーソなどを相手に堂々の立ち回り。休み明けを二度叩いて前進。ゲンのいい浦和コース、相手関係も含め駆け頃とみました。この日はマイナス3キロの536キロ。休み明け2戦に比べると気合乗りが改善して明らかに気配アップ。レースは例によって出脚ひと息。後方から進みましたが、予想通り2周目バックストレッチで早マクり。3コーナー手前ではカキツバタロイヤルも抜き去り2番手へ。最後の直線は粘るケイアイライジンを交わし、カキツバタロイヤルとのデッドヒート。頭差競り勝って、完全復調をアピールしました。7歳とはいえ全く衰えは感じられず、南関限定の重賞レースならいつでも主役級。

2着 カキツバタロイヤル
 馬っぷりは地味でも、類稀な勝負根性を発揮して満遍なく距離をこなし、今や南関東を代表する実力馬に成長。前走の日本テレビ盃は、スマートファルコンを負かしに行った分の3着。反応機敏で浦和コースも2戦2勝と得意。ほぼボランタスとの一騎討ちとみていました。この日はプラス6キロの431キロ。少しでも増えてきたのは好材料とみるべきか。大人しいのはいつも通り。レースは好スタートを決めて、その気になれば逃げるくらいの勢い。収まったポジションは外4番手。警戒すべきはボランタスのマクり一発で、前はノーマークという状況。そして予想通りの相手の強攻策。ここで僅か一瞬のタイミングの差で、半馬身でも相手に機先を制されたのが痛かった。最後は内から差し返す根性を発揮したものの、体力差で押し切られた格好。あくまでも展開のアヤで、決して力負けではありません。負けても同馬の評価は下がらず。

3着 ケイアイライジン
 単なる2強のデッドヒートに終わらせず、レースに興趣を加えたのが、この馬の頑張りでした。JRAでは芝とはいえ千八、二千で各々2勝。馬っぷり上々だし、稽古は抜群に動く馬。距離が延びて真価発揮の可能性もなくはありませんでしたが、転入後3戦のレース内容が悪過ぎるので、正直印は付け切れませんでした。この日はプラス6キロの526キロ。馬っぷりだけなら間違いなくメンバー一番です。レースは典型的な逃げ馬不在を見越して川島騎手がハナを主張。確かに序盤は楽に運べましたが、3コーナー手前からは人気2頭が動いてきたので、かなりプレッシャーはかかったはず。それをゴール寸前まで粘っていたのは、高く評価できます。本来は差しも利く馬だし、あれだけ稽古でも動くのだからダートがダメということはないはず。これを刺激に再生する可能性も十分。

4着 キスミープリンス
 東京ダービー3着、ジャパンダートダービー4着と、連続してコンマ差入着。それもやや脚を余した感じの競馬。間違いなく3歳世代の代表格ですが、今回は休み明けで初の古馬相手。△までしか打てませんでした。この日はプラス3キロの459キロ。気性的にも仕上がり早なのでしょう。コンパクトにまとまった馬体は春シーズンと同様。パドックでは意外に落ち着いて周回できており好仕上がり。レースは御神本騎手が大事に構えて中団6番手から。勝負処からのペースの緩急にも対応して前を追いましたが、前3頭との差は縮まらず離された4着。諸々の状況を考えれば及第点でしょうか。距離への対応力はある。

5着 テイエムヨカドー
 連覇を狙った霧島賞は、勝ち馬の予想外の抵抗に遭い2着。前走のレディスプレリュードは、好スタートから経済コースで立ち回ったものの、見せ場なく9着。7歳という年齢からも、苦戦が予想されました。この日はプラス3キロの481キロ。特に変わった様子はなし。レースは出たなりで後方を進み、バテた馬を交わしての5着。現状では目イチの走りでしょう。

7着 トーセンゴライアス
 JRA4勝で、主に長目の距離に良績。このレベルの重賞なら通用しそうな気もしましたが…。この日はプラス11キロの575キロ。体型的なものもあるでしょうが、一見して太目の造り。これでは…という感じ。レースは中団の侭まるで動けず7着。体つきからそう急激に良くなるとは思えません。

10着 タカオセンチュリー
 JRAでは全て千四以上を使い、主に中距離路線で活躍。それがイキナリ千二の重賞Vは能力の違い? ただし、あの行きっぷりと切れ味を見ると、スプリンターの匂いも。取捨に悩みましたが、稽古動いていることも加味して▲を打ちました。この日はプラス14キロの520キロ。確かにやや太目に映る体型の馬ですが、それにしても輸送してこの体重増は? レースは柏木騎手が気合をつけて3番手を進みましたが、勝負処でペースアップすると呆気なく後退。今後は短目の距離での狙いが正解でしょう。