第18 回 マイルグランプリ(S2)

【予想】
◎ケイアイゲンブ
○ザッハーマイン
▲フジノウェーブ
△ツルオカオウジ
△ルクレルク
△ラインプレアー
△ボク

 休み明けのアフター5スター賞(千二)はスピード負けしたケイアイゲンブですが、二度目の前走は千四で変身の1着。今回は過去4勝とベストの千六だけに、重賞でも勝ち負けとみました。仕上がりひと息でも地力上位ザッハーマイン、古豪フジノウェーブ、上がり馬ツルオカオウジと多彩なメンバー。

【レース】
 JRAではスプリント路線のセントラルコーストが、スピードのあるところを見せてハナへ。ルクレルクが2番手に行って、内3番手にケイアイゲンブ。先行グループの直後にツルオカオウジ、ザッハーマイン。フジノウェーブ、ボクが中団で、ラインジュエル、イーグルショウは後方。ペースは平均。勝負処が動いたのがツルオカオウジで、4コーナーでは先頭に並びかける勢い。これに連れてフジノウェーブ、ボクも進出して直線へ。ゴール1ハロン手前で単騎先頭に立ったツルオカオウジを目がけてボク、フジノウェーブが殺到。更に外からイーグルショウ、内からラインジュエル。5頭横一線の叩き合いは、僅かにムンロ騎乗のボクに軍配が上がりました。

【上位馬の寸評】
1着 ボク
 オープンでもソコソコ走る割に、自己条件でも詰めの甘さを露呈して勝ち切れない馬。ベストの千六でも△までしか付け切れませんでした。この日はマイナス3キロの513キロ。相変わらず馬っぷり上々で状態は文句なし。レースは出たなりで中団9番手から。3コーナー過ぎからマクって出て4コーナーでは4番手。ゴール100メートル手前では先頭に立つ勢い。いつもはここから最後のひと伸びを欠くケースが多いのに、この日はキッチリ脚を使い切って競り勝ちました。勝因は仕掛けのタイミングがドンピシャだったこと。やはりムンロ騎手の腕は見逃せません。これで重賞路線に定着とみるのはまだ早計。

2着 フジノウェーブ
 既に功成り名遂げた9歳馬。かつての短距離王ですが、ズブくなった現況では千四〜千六ベスト。59キロでも有力とみていました。アフター5スター賞を除外後で気配注目でしたが、この日はマイナス2キロの478キロ。パドックを周回する姿はいつも通り。気合は表に出しませんが、案外キリッとした好仕上がり。レースは好スタートから出たなりで内8番手。3コーナー過ぎからポジションを上げ5番手、直線は外目に進路を。最後は競り合いでボクにハナ差後れを取りましたが、ほんの首の上げ下げの差。もう少し距離があれば差し返していたでしょう。やはり現状は追走が楽な千六くらいが合うと再確認。まだまだ油断できない存在です。

3着 ツルオカオウジ
 休養期間が多く、まだレース数を使っていない4歳馬。今回も休み明けですが、乗り込み量は十分。ただし近4勝がいずれも千八で、前走は二六の大井記念2着と、どちらかと言うと長目の距離志向。スケールの大きさは認めても、イキナリ忙しい千六に対応できるかがポイントでした。この日はプラス1キロの541キロ。気合乗り十分の好馬体は、いつもながら異彩を放っています。レースは好スタートから馬なりで外6番手。意外に行きっぷりがいい。勝負処からマクって出て4コーナーでは先頭に並びかける勢い。1ハロン手前で一旦単騎先頭に立ちましたが、惜しくもゴール前殺到されて3着。間違いなく次に繋がる競馬。南関限定の重賞ならいつでも勝ち負け。

4着 イーグルショウ
 2月の報知グランプリCを2着していますが、今季2戦は7、9着。やや盛りを過ぎた感じの7歳馬。狙う根拠に乏しく、16頭16番人気も納得。この日はプラス2キロの480キロ。気配的にはいつも通りで、決して悪くはありません。レースはテン乗りの石崎駿騎手が気合をつけて出ましたが、やはり行き脚がつかず後方から。ただし道中は内々をロスなく馬なりで進出。直線は外に切り替えて追い込み勝負。脚を溜めていた分、決め手が冴えてアワヤの見せ場。健在をアピールしましたが、次に二番が利くかは疑問。

5着 ラインジュエル
 今夏2勝で意外性のある馬。ただしテンに忙しい競馬だと追走に手こずるケースが多々で、このメンバーで千六ではどうかとみていました。この日はマイナス10キロの475キロ。少しギリギリに見えるくらいの時の方が走る傾向があり、最近の好走例は470キロ台。そういう意味ではこの馬体減は好材料。大人しいのはいつも通り。レースは有年騎手が気合をつけても行き脚が鈍く内11番手から。人気薄の気楽さもあり、前が壁になるのは覚悟の上で、ロスを極力避けてインに拘る競馬。うまい具合に前が開けて直線は内強襲。これもイーグルショウと同様に溜めた分切れて際どい5着。力を出し切る競馬でした。

6着 ケイアイゲンブ
 格は下でも、デキの良さと持ちタイムも含めた距離適性。そして斤量面からも最有力とみましたが…。この日はプラス1キロの518キロ。体型的なものでやや太目に映りますが、気合乗り、毛ヅヤともに上々で絶好調と判断。レースは好スタートから内3番手の好ポジションをゲット。これならと思いましたが、勝負処での反応がひと息で、最後の叩き合いにも参加できず6着。決してバテたわけではありませんが、オープンのメンバーに入って決め手勝負になると辛いのか…。

8着 ルクレルク
 休み明けのオープン特別を2着と、マイルへの高適性を発揮した同馬。二度目で要注目ですが、外枠をどう捌くかがポイントでした。この日はプラス1キロの501キロ。多少テンションが高いのはいつも通り。馬っぷりは冴えており好仕上がり。レースは戸崎騎手が気合をつけて2番手からの競馬。この馬の形に持ち込みましたが、4コーナーあたりで早々と手応えが怪しくなり後退。外枠云々よりも、重賞のメンバーに入っては地力不足か。