第11 回 JBCクラシック(Jpn1)

【予想】
◎スマートファルコン
○トランセンド
▲シビルウォー
△ボンネビルレコード
△テラザクラウド

 スマートファルコンが最後に負けたのは、トランセンドに機先を制された昨年の日本テレビ盃。以降は逃げ楽勝の連続。勝負処からピッチを上げて後続を突き放す戦法に迷いなし。再びトランセンドと対決の日を迎えましたが、走り慣れた地の利もあり死角なしの大本命。もちろんトランセンドが相手ですが、これが深追いして甘くなるようだと、替わってシビルウォーが浮上。

【レース】
 無難に出た武豊スマートファルコンがハナ。藤田トランセンドは恐らく予定の運びで2番手。好スタートを決めた吉田豊が積極策で3番手。バックストレッチに入るとピッチが上がり一列棒状タテ長の展開。ただし、千b通過が60秒7で、スマートファルコンの逃げとしてはスロー。食い下がるトランセンドを突き放して直線に向かうスマートファルコン。その手応えからはまたもや楽勝かと思われましたが、残り100で脚が上がり、詰め寄るトランセンド。それでもスマートファルコンは、前半の貯金で何とか1馬身残しました。3着シビルウォーで本命サイドの決着。

【上位馬の寸評】
1着 スマートファルコン
 フリオーソを振り切り破格のレコードタイムを叩き出した東京大賞典。上がり3ハロン36秒0の脚を使ってエスポワールシチーを子供扱いにした帝王賞。ライバルを打ち倒し今や無人の野を行くがごとき快進撃。正直トランセンドでは相手にならないとみていました。この日はプラス3キロの510キロ。適度な気合乗りで毛ヅヤも上々。ひと叩きされて前走の日本テレビ盃以上の好気配。益々信頼度アップ。レースはスタート自体はトランセンドの方が良かったものの、相手が無理をせず、ほぼ馬なりでハナへ。快調に逃げ脚を伸ばし、一旦引き付け、残り400でラストスパートはいつもの勝ちパターン。ただし、最後の100で脚いろが怪しくなり、いつになく武豊騎手も慌てた振る舞い。それでも前半の貯金で1馬身残し貫禄を示しました。あの大賞典は、千b58秒9の猛ラップを刻んで驚異的なレコード駆け。帝王賞は千b59秒8で入り、上がり3ハロン36秒0でブッチギリ。それを考えると、千b通過が60秒7で、上がり3ハロン37秒3を要し2分2秒1は不満。前2レースがレコード決着だけに、余計物足りません。これではトランセンドに迫られたのも納得。思い返すと、前走の日本テレビ盃も、思ったほどは弾けていない。年齢的な衰えなどと言うのは早計かもしれませんが、その勢いに一抹の疑念が…。

2着 トランセンド
 ドバイWC2着など、ダートでは指折りの実力馬ですが、昨年の日本テレビ盃は逃げてフリオーソの2着。フェブラリーSは勝ったとはいえ、追い込みに回ったフリオーソの2着の方がインパクト大。その後力をつけているといっても、大井の二千を走ってスマートファルコンの敵になるとは思えませんでした。この日はプラス3キロの521キロ。歩様が硬いし馬格の割に迫力を感じませんが、これはいつも通り。毛ヅヤ上々で調子に関しては全く問題なし。レースはポンと出てスマートファルコンにハナを譲る形。2番手からは予定通りでしょう。離れた番手から徐々に詰めて3コーナーでは直後に接近。ただしこれは相手の作戦で、満を持したラストスパートにはついて行くのがやっと。4コーナーでは3馬身差。残り200では5馬身差がついて完全に勝負あったと思われましたが、残り100から相手の脚いろが怪しくなり、ジリジリ詰めて1馬身差まで迫ったところがゴール。前走の南部杯と同様のこの馬らしい渋い走りで意地を見せました。次の対決に楽しみを残したレース内容と言っていい。

3着 シビルウォー
 二千のブリーダーズゴールドC、二一の白山大賞典をロングスパートで連勝。レコードが出るような決着では?でも、トランセンドがスマートファルコンを深追いして甘くなるようだと、替わって浮上するのはこの馬とみていました。この日はプラス7キロの472キロ。全く太目感はなく、これは充実の証。適度な気合乗りで絶好調と判断。レースは好スタートを決めて3番手からと、強力先行2頭を意識した積極策。離れた3番手を進み、3コーナー手前からはかなり仕掛けて離されまいと必死。前半に多少無理したので最後はいつもの脚が使えませんでしたが、上がりがかかる競馬に乗じて1秒圏内の3着と好走。今のデキの良さが窺える内容でした。適距離のレースを選んで使っていけば、まだまだ勝てる。

4着 グランシュヴァリエ
 1年前の南部杯でオーロマイスター、エスポワールシチーに続く3着したのが特筆すべき走り。以降は地元高知で3勝したのみ。南関でも時折掲示板には乗るものの、このメンバーでは難しいとみていました。この日はマイナス5キロの496キロ。もうひと気合といったところで、気配は目立たず。レースはヤンワリ出て後方10番手から。極力抑えて直線勝負に賭け、混戦の4着争いを制しました。本橋騎手の好騎乗?

5着 テラザクラウド
 マズルブラスト、ボランタスなど古豪を破り東京記念を優勝。目下5連勝中の上がり馬。ただし、中間放牧に出してひと息入り、稽古の動きが今イチとの報告。そこにこの強力メンバーでは微妙なところでした。この日はプラス3キロの514キロ。そういう目で見るせいかもしれませんが、やや馬が大人しい感じも。レースは前半はジックリ進め、バックストレッチの中間あたりで離れた4番手に進出。ただし思うように進まず離された5着が一杯。レース内容を見る限り、やはり本調子にはなかったようです。

7着 ボンネビルレコード
 既に9歳。衰えは隠せませんが、今年の帝王賞では南関最先着の4着。追い切りはソコソコ動いているし、まだ余力は残っているはず。流れ如何では3着くらいはあるとみていましたが…。この日はプラス9キロの492キロ。増えたのは好感で、活気もあり決して悪くは見えませんでした。レースは的場騎手が仕掛けて7番手からの競馬。道中の行きっぷりからすると悪くとも掲示板には乗りそうでしたが、意外と脚をなくして7着。普通なら3〜4着の間には入っていいはずなのに…。さすがにこれでは見通しが険しい。