第32 回 浦和記念(Jpn2)

【予想】
◎ボランタス
○シビルウォー
▲エーシンモアオバー
△ボレアス
△タートルベイ
△クリールパッション

 前走の埼玉栄冠賞でカキツバタロイヤルとのマッチレースを制したボランタスは、フリオーソを別格とすれば、現在の南関では屈指の実力派。とりわけ浦和コースではキレのいい走りを見せるので、JRA勢を撃破するとみました。当然シビルウォー、エーシンモアオバーなどのJRA勢が相手。

【レース】
 同型不在で予想通りエーシンモアオバーの逃げ。2番手で追いかけたのがボレアス。2周目バックストレッチでシビルウォーが3番手に上がり、その内にクリールパッションとJRA勢が前を固める形。ボランタスは例によってバックストレッチ半ばからスパートをかけ、4コーナーでは離れた5番手。まだ差がありましたが、レース上がりを大きく上回る末脚を発揮して、まとめて差し切りました。人気のシビルウォーが2着を確保。

【上位馬の寸評】
1着 ボランタス
 前走の埼玉栄冠賞は、完全に相手をカキツバタロイヤルに見定めたレース。その分タイムは要したものの、競り勝って底力をアピール。今回はJRA勢が相手ですが、それほど抜けて強いわけではないので、抜群のコース実績も加味して◎を打ちました。この日はマイナス2キロの534キロ。適度な気合乗りに力強い踏み込み。前走と同様に申し分のない仕上がり。レースは出脚ひと息で後方からはいつも通り。ただし、2周目バックストレッチが平均12秒後半のラップで推移。緩む処がなかったので、意外に差を詰め切れず、4コーナーではまだ離れた5番手。浦和の短い直線で届くかどうか微妙でしたが、メンバー中、図抜けた瞬発力を発揮してまとめて差し切りました。改めて地力の高さとコース適性をアピールする競馬内容。間もなく8歳を迎えますが、衰えは感じられません。

2着 シビルウォー
 ブリーダーズゴールドC、白山大賞典と、この馬らしいロングスパートを決めて交流連破。前走のJBCは、一転した先行策で強力先行2頭を追いかけ3着。自在に立ち回れることを証明。一枚落ちのこのメンバーなら当然勝ち負けの計算が立ちました。この日はプラス2キロの474キロ。前走時がプラス7キロでも全く太目を感じさせませんでしたが、更に増えてくるあたりは充実の証。活気もあり絶好調。レースは1周ホームストレッチで吉田豊騎手が馬を外に出して前を追い、バックストレッチでは外3番手へ。勝負処から叩いてマクって出て勝ちに行きましたが、ジリジリという感じで伸びひと息。手こずっている処にボランタスの急襲を食い2着。一瞬のキレの差が明暗を分けました。この馬自身の力は出し切ったと思います。

3着 ボレアス
 既にジャパンダートダービーで2着と、南関でも実績を残している同馬。レパードSも強い勝ちっぷりでしたが、前走の南部杯が意外に伸び悩み、評価が揺らぐところ。人気ほどの信頼性は?とみて△に留めました。この日はマイナス3キロの465キロ。数字以上に大きく見せる好馬体はいつも通り。初コースを気にすう風もなく万全の仕上がりと判断。レースは好スタートから武豊騎手が気合をつけて2番手へ。このメンバーなら十分に予想された先行策。折り合いスムーズに流れに乗り、最終4コーナーでは逃げるエーシンモアオバーに並びかける形。デッドヒートの末に惜しくも3着に敗れました。力は出し切っていますが、この馬の場合は。やはり差しに構えて一瞬の脚を生かす競馬が合いそうです。

4着 エーシンモアオバー
 一昨年の当レースは2番手を進み5着。ただし、逃げたスマートファルコンが7着に沈む競馬で展開不利。以降は徹底してハナに拘る競馬で成績堅実。少し間隔があいている点がカギですが、単騎マイペースが予想される展開からは怖い一頭でした。この日はマイナス15キロの487キロ。ひと息入り大きく減ったのは気掛かりですが、見た目は特に問題なし。キビキビ感があり、好仕上がり判断。レースは好スタートから労せずしてハナへ。道中は計ったように12秒後半のラップを刻み、後続にマクるいとまを与えず。自分の形に持ち込みましたが、最後は競り負けて4着。完全に力負けという競馬ですが、あるいは中身が伴っていなかったのか…。

5着 クリールパッション
 前2年のエルムSが3、1着に対し、今年は6着。以降2戦も僅かに差を詰めた程度で見せ場がなく、どうもリズムが悪い近況。長目の距離で楽に追走できれば変身の可能性もありますが、正直それほどの評価はできませんでした。この日はプラス3キロの477キロ。少しコロンとした体つきで、オットリした気性。あまり良く見せるタイプではないようです。レースはやや躓き気味のスタート。それでも内4番手に行き、終始そのポジションをキープ。最後の直線では外に切り替えしたかったようですが、外に併せてきたシビルウォーに被されて、やむなく内に突っ込む破目に。そして前が壁になり、やや脚を余した感じの5着。あそこで外に持ち出せていればあるいはもう少し際どい競馬になったかも。少し時計がかかる競馬になったのが幸いしての好走です。