第35 回 東京2歳優駿牝馬(S1)

【予想】
◎エミーズパラダイス
○エンジェルツイート
▲クリヤマキアート
△アイキャンデイ
△ショコラヴェリーヌ
△ロクイチスマイル
△ドラゴンシップ

 人気馬を競り潰して転入緒戦を飾ったエミーズパラダイス。体重が20キロ増えても太目感はなく成長顕著。血統的にも一本筋が通っており、既成の南関勢よりもモノは一枚上とみました。相手は平和賞を勝った後、道営から大井に移籍したエンジェルツイートが有力。クリヤマキアート以下△勢は横一線。

【レース】
 1番枠から絶好のスタートを決めたエンジェルツイートが難なくハナへ。エミーズパラダイスが2番手に行き、ドラゴンシップ、ショコラヴェリーヌ、アイキャンデイと人気馬が前を固める形。クリヤマキアート、ロクイチスマイルは中団。ペースは平均。レースは淡々と流れ、4コーナーでは人気2頭が3番手以下を離して直線へ。一旦は並びかけたエミーズパラダイスを、コーナリングで突き放したエンジェルツイート。最後は同じ脚いろになり、1馬身のリードを保ってエンジェルツイートが逃げ切り勝ちを収めました。

【上位馬の寸評】
1着 エンジェルツイート
 前走の平和賞は、7番人気の低評価を覆して逃げ切り勝ちを収めた同馬。それまでの3戦がいずれも千二で、しかも行きたがる面があり千六は?とみていましたが、意外な耐久力。今回も同型馬を捌いて先手を取り切れればチャンス十分とみていました。この日はマイナス8キロの471キロ。ギリギリの感じもしましたが、活気があり好調キープと判断。レースはスタートした瞬間に1馬身リードの好スタート。緩みないラップを刻み後続を翻弄。4コーナーではエミーズパラダイスに並びかけられましたが、コーナーワークで振り切るとゴールへ一目散。最後まで脚いろ衰えず見事な逃げ切り勝ちを収めました。前日の東京シンデレラマイルが1分40秒6を考えると、1分40秒8はなかなか優秀。どうやら昨年に続いて牝馬のレベルが高そうです。

2着 エミーズパラダイス
 道営3戦2勝。傑出した時計で勝ったわけではなく、正直半信半疑の面もありましたが、転入緒戦の前走は、人気馬を競り潰して好タイムV。何より馬体が20キロ増えても太目感はなく、中身が伴ってきた感じ。これはクラシック候補と直感。他に実績十分の馬はいても、ズバリ勝てるとみました。この日はプラス3キロの477キロ。更に馬っぷりが冴えて適度な気合乗り。申し分のない仕上がり状態。レースはやや腰を落として決していいスタートではありませんでしたが、それほど無理なく2番手へ。道中の折り合いはスムーズ。ジカ付けの形で4コーナーではエンジェルツイートに並びかけましたが、コーナーワークで振り切られて1馬身差。相手の執拗な頑張りに最後は同じ脚になってしまい、その差が詰まらず2着に終わりました。スタートの差が最後まで尾を引いた感じ。その馬っぷりからは、将来的にはこちらの方が出世するとみます。

3着 ショコラヴェリーヌ
 前走のローレル賞は、ドラゴンシップの逃げ切りを許したものの、長く脚を使って2着。決して器用に立ち回れる馬ではありませんが、かなりの器であることは確か。速い時計がないのがネックですが、相手なりに走りそうなタイプで注目していました。この日はプラス6キロの498キロ。少しテンションが上がり気味でしたが、馬体増は好感。馬格の割に案外スマートな体型。もっと増えてもいいくらいです。レースは出たなりで内3番手から。3、4コーナーでは離れた3番手まで進出。前を追いましたが、差は詰まらず離された3着が一杯。完全にスピード負けの形。血統、体型からは距離が延びて良さそうなタイプ。反撃の余地は残されています。

4着 レイモニ
 抜群の手応えで突き抜けたリリーCは、レコードタイムのおまけ付き。エーデルワイスSはマクって出て一瞬見せ場。そして前走のローレル賞は、初の千六ながら4着。初距離を意識してやや慎重に構え過ぎたきらいも。距離二度目、ムンロ騎手が強気に攻めれば、あるいはという感じもしていました。この日はマイナス9キロの457キロ。前走時に比べるとややテンションが上がり気味でしたが、決して細目感はなく好調キープと判断。レースは出たなりで外9番手からの競馬になり、4コーナーでは5番手まで進出。最後もジリジリ脚を伸ばしましたが4着まで。これが能力一杯というところでしょうか。

5着 メイクアミラクル
 3戦目の未勝利戦を勝って川崎に移籍。時計や勝ちっぷりからは気になる存在でしたが、1200までしか経験していない点で、勝ち負けまではどうかとみていました。この日はマイナス1キロの457キロ。仕上がり切った体つきで、インパクトは今イチ。レースは今野騎手がヤンワリ出て折り合いに専念。内8番手を進み、4コーナーでは6番手。最後の直線は内目を突いてソコソコ伸びてきましたが5着まで。馬体から上積みは?でも、短距離で切れそうなタイプです。

10着 ロクイチスマイル
 エーデルワイスS3着、兵庫ジュニアG4着と交流戦で連続好走。初の左回りが課題でも、実績からは当然注目の一頭でした。この日はマイナス1キロの478キロ。体をフックラと映し、キビキビ感もありいい雰囲気。レースは出たなりで中団7番手を進んだものの、全く見せ場すらなく10着。初コースにしても中身の薄い競馬でした。

12着 ドラゴンシップ
 重賞レースを2連勝中ですが、ともにやや恵まれた感じも。それと最終追い切りでエミーズパラダイスとの併せ馬で後れを取ったのが気掛かり。そのエミーズパラダイスを含めて新興勢力がおり、人気ほどの信頼性は?とみていました。この日はプラス3キロの478キロ。気配的にはここ一連と同様で、好仕上がりと判断。レースは佐藤博騎手が気合をつけて先行2頭から離れた3番手。ポジション的には理想。ただし途中から追走が苦しくなり追い通し。最後の直線は苦し紛れに内に突っ込んだものの、全く伸びず12着と惨敗。ちょっと負け方が悪い。

15着 クリヤマキアート
 鎌倉記念、ローレル賞と、続けて川崎を使い連続3着。更に強敵が加わって厳しい情勢ですが、素質はヒケを取らず、ソコソコやれるとみていました。この日はプラス3キロの468キロ。幸い馬体減りもなく気合乗り十分。好調キープは間違いなし。レースは出遅れ。挽回して中団8番手を進みましたが、最後は完全にバテて15着。これもちょっと負け過ぎで、先行きに暗雲が。

16着 アイキャンデイ
 ハイセイコー記念、平和賞と連続2着。特に前走の平和賞は、初の左回りながら、差し返す形での2着。成長が窺えるので、新興勢力が相手でも、ソコソコやれるとみていました。この日はプラス9キロの500キロ。ビッシリ追い切っての馬体増は好感。太目感なし。レースは的場文騎手が多少気合をつけて外5番手から。途中でポジションを下げて内8番手。最後の直線は内を狙ったものの、まるで伸びず殿り負け。馬込みでモマれたのが響いたようですが、これも負け過ぎ。次走で即挽回は難しそうです。