第48 回 報知オールスターカップ(S3)

【予想】
◎トーセンルーチェ
○スーパーパワー
▲スターシップ
△グランシュヴァリエ
△コスモフォース
△ピサノエミレーツ
△ジャングルスマイル

 相変わらずエンジンの掛かりが遅いトーセンルーチェ。ただしようやく順調に使えるようになったのと、間違いなく長距離向きの馬なので、狙い目とみました。同じく復調気配のスーパーパワー、JRAでの実績十分スターシップが相手本線。

【レース】
 ナターレが逃げて2番手ジャングルスマイルは、大体予想された展開。1周ホームストレッチでガクンとペースが落ち馬群が凝縮。内からコスモフォース、そしてスーパーパワー、スターシップの8枠2頭が続き、トーセンルーチェは中団。セトノギムレットは後方から。残り800からピッチが上がり、スターシップが先頭へ接近。トーセンルーチェも追撃態勢。最後の直線、いかにもステイヤータイプらしい渋さを発揮したスターシップが競り勝ち見事に緒戦V。伏兵ロードキャニオンがイン強襲の2着。トーセンルーチェは切れ味ひと息で3着に終わりました。

【上位馬の寸評】
1着 スターシップ
 初勝利が7戦目ながら、着実にステップアップしてオープン馬に成長。特に千八以上の長目の距離に高適性。S3レベルの長距離戦なら、いきなり勝ち負けになるとみていました。この日はプラス8キロの486キロ。多少立派に映りますが、馬っぷりはいいいし適度な気合乗り。力を出せるデキと判断。レースは好スタートから石崎駿騎手が気合をつけて3番手へ。そのポジションをキープして、2周目の勝負処から力づくでマクって出る形。上がりがかかるサバイバル戦に乗じて競り勝ちました。年齢的に大きな変わり身は?でも、まだ絞れる体つき。南関限定の二千以上の距離ならいつでも勝ち負け。

2着 ロードキャニオン
 JRAでは芝の長距離路線で4勝。ただし、転じた道営では5戦して未勝利。そして南関転入緒戦の大井は見せ場なく10着。明けて8歳という年齢からもノーマークにしてしまいました。この日はマイナス5キロの473キロ。あまり気合は表に出さないタイプですが、体つきは悪くなく、マズマズ順調と判断。レースは好スタートを決めて、服部騎手がラチ沿いの中団7番手で折り合いに専念。我慢に我慢を重ねて最後の直線もイン強襲。距離二一をきっちりロスなく運んで2着に押し上げました。大外枠からなし崩しに脚を使った緒戦とは対照的なレース運び。完全にハマった競馬で、二番が利くかは?

3着 トーセンルーチェ
 フリオーソの弟で、父マリエンバード。いかにもそれらしい大型馬。エンジンの掛かりが遅く、間違いなく距離が延びていいタイプ。格的にはA2で見劣るものの、力づくの早マクりを打つとみて期待しました。この日はプラス4キロの555キロ。一見して太目ですが、これは多分に体型的なものも。一時に比べると格段に気合が乗って、好印象を受けました。レースは出たなりで中団8番手から。いつもより行きっぷりはいい。やはり追走が楽な長距離は合っているようです。最終4コーナーでは5番手まで進出。勢いからすればあるいはと思わせましたが、最後のひと伸びを欠いて3着。好走条件が揃った競馬でこの走りが上限でしょうか。重賞のメンバーに入ると勝ち切るのは難しい。

4着 タートルベイ
 JRAから金沢に移籍して重賞を2連勝、ジャングルスマイルを撃破して一番馬になった経緯。ただし、南関移籍後は未勝利。特に近走はレースぶりが冴えず、年齢的にも盛りは過ぎたとみていました。この日はプラス5キロの509キロ。少しオットリしていますが、馬っぷりは上々で、見た目に衰えは感じられません。レースは好スタートから前半は7番手。勝負処でペースアップした際に対応できずに差が広がりましたが、最後の直線は内からジリジリ盛り返して4着。上がりのかかる競馬に乗じた格好。年齢的にも時計のかかる競馬が好走の必須条件。

5着 ナターレ
 地元川崎に限ると5戦4勝、3着1回。その3着は2走前のロジータ記念ですが、このレースは流れが厳しく負けて納得の内容。今回は男馬が相手ですが、一見して楽に逃げられそうなので、無印にはしましたが、気になる存在でした。この日はプラス5キロの470キロ。馬体をフックラ映して集中力もあり好気配。レースは好スタートから的場文騎手が気合をつけてハナへ。注文通りの競馬に持ち込みましたが、2周目バックストレッチ中ほどから、吉原ジャングルスマイルに絡まれて息の入らない流れに。相手が13着に崩れたことを考えれば、頑張った方でしょう。男馬を相手の長距離戦は厳しかった。今後の糧にはなるはずです。

10着 スーパーパワー
 最近の成績は冴えませんが、中間の攻め気配が良くなっているのと、案外左回りへの適性が高いので、穴として注目しました。この日はマイナス2キロの539キロ。パドックでは気合を表に出さないタイプ。いつも通りの気配。レースは真島騎手がかなり気合をつけて3番手。この馬として異例の積極策。色めき立ちましたが、2周目バックストレッチの中間地点あたりで既に手応えが怪しくなり一杯加減。現状スランプなのか、あるいはレース運びがこの馬のスタイルではなかったということか。次回も大望は?

11着 コスモフォース
 南関では距離千六しか使われていませんが、レースぶりからは長目の距離もこなしそうな感じ。休み明けでも稽古動いており、案外侮れない存在とみていました。この日はプラス14キロの515キロ。気合は乗っていますが、数字通りにやや太目。レースは好スタートから馬なりで内4番手。いい処につけて道中の手応えも悪くありませんでしたが、最後の直線ではサッパリ伸びず。やはり中身が伴っていなかったということでしょう。次走での変わり身に期待。

13着 ジャングルスマイル
 JRAを2戦で切り上げ金沢に移籍、23勝を挙げた叩き上げ。交流重賞の白山大賞典を二度使い2、4着と、その実力は地域限定に留まらず。問題は左回りへの対応と、追い切りで動かなかった点ですが、力通りに走れば当然問題になる一頭でした。この日はプラス1キロの492キロ。馬っぷり上々で気配的には問題なし。レースは吉原騎手がかなり気合をつけて2番手へ。終始ナターレをマークして進みましたが、3コーナー手前で早々に振り切られると、気力が途切れたのかズルズル後退して大敗。状態が伴っていなかったとしか考えられません。