第15 回 TCK女王盃(Jpn3)

【予想】
◎ショウリダバンザイ
○カラフルデイズ
▲プレシャスジェムズ
△ウェディングフジコ
△プロヴィナージュ
△パールシャドウ

 前走のシンデレラマイルは、酷量58キロに加えて外々を回るロス。3キロ減の55キロで乗り慣れた服部騎手なら反撃必至とみました。ただし展開はカラフルデイズ、プレシャスジェムズの先行2頭に有利。ウェディングフジコ以下△勢も横一線。

【レース】
 単騎逃げはほぼ確定とみられたプレシャスジェムズがスタートミス。対照的に好スタートを決めたカラフルデイズがその気になれば逃げられそうでしたが、岩田騎手は特に拘らず。巻き返してプレシャスジェムズがハナに。カラフルデイズ、ウェディングフジコと続いて、直後のインにハルサンサン。パールシャドウ、プロヴィナージュも差がなく続き、後方のショウリダバンザイまで一団。スローペースで完全にヨーイドンの競馬。苦心して今野騎手が折り合いに専念したハルサンサンが、直線弾けて1着ゴール。カラフルデイズは一旦先頭に立ちながら惜しい2着。渋太く粘ったプレシャスジェムズが3着。

【上位馬の寸評】
1着 ハルサンサン
 前走のシンデレラマイルは、内を突いて一旦先頭に立ちながら、伏兵テイエムヨカドーの強襲に屈して2着。一瞬のキレはこのメンバーでも楽に通用しますが、ベストは1400〜1600。交流の1800で力勝負になると、ちょっと足りないかなとみていました。この日はプラス3キロの467キロ。最近は460キロ台に固定されてひと回りボリュームアップ。とにかく好調期間が長い。レースは今野騎手が意識的にヤンワリ出て折り合いに専念。インコース4番手と絶好のポジション。我慢に我慢を重ねた分、いつも以上に弾けて、JRA勢をまとめて差し切る大金星。スローの瞬発力勝負にピタリとハマった感じです。この馬がある程度長目の距離で好走するなら、緩みない流れよりもこういうパターンか。それにしてもラヴェリータとミラクルレジェンドがいないと、JRA勢も今ひとつパンチ不足です。

2着 カラフルデイズ
 3歳時に2100の関東オークスを勝っていますが、基本的には1800以下で持ち味が生きるスピードタイプ。2走前のJBCレディスクラシックでは、ハイペースを追いかけて1800を1分51秒2。この時計で走れば問題なく勝てるところですが、スローペースになった際の折り合いが課題でした。この日はマイナス1キロの432キロ。いつも言うように3歳時からの馬体の成長が今イチ。それほどテンションは上がっていませんでしたが…。レースは好スタートを決めましたが、岩田騎手は抑え気味で、プレシャスジェムズに行かせて2番手から。これが当初からの作戦だったのでしょう。苦心して折り合いをつけ、ヨーイドンの決め手勝負。残り200で一旦は先頭に立ちましたが、ゴール寸前ハルサンサンに頭差交わされました。負けたとはいえ、見た目以上に底力があるのは確か。脚抜きのいい馬場の1400くらいが一番合いそう。

3着 プレシャスジェムズ
 昨年のエンプレス杯では、ラヴェリータなど牝馬最強メンバーに混じり0秒1差の接戦。クイーン賞は休み明けながらクラーベセクレタの2着と、交流実績では大威張り。今回は初めて56キロを背負いますが、単騎逃げはミエミエなので、折り合って逃げられれば単の目も十分にあるとみていました。この日はマイナス3キロの507キロ。もうひと絞りという感じもしますが、活気があり好気配。レースはスタートでトモを落として完全に出負け。ただし他にハナに拘る馬がおらず、ゴール板を過ぎたあたりで自然にハナへ。意外に溜めが利いてスローペースの逃げ。ただし追ってから鋭い脚が使えるタイプではなく、結局は決め手負けという形で3着。スタート五分に出て、徐々にピッチを上げて、少し離し気味に逃げる形に持ち込みたかった。次は大逃げを打つ競馬を見てみたい。

4着 ウェディングフジコ
 地方初参戦の一昨年の当レースではユキチャンの2着。以降も芝ダート、距離万能のオールマイティー型として活躍。近2戦に不満は残るものの、人気を下げて狙い目十分とみていました。この日はマイナス4キロの465キロ。馬体をフックラと映し適度な気合乗り。非常にいい雰囲気。レースは出たなりで外3番手と申し分のないポジション。終始人気の先行馬2頭をマークして進みましたが、直線の決め手勝負で後れを取り4着。スピード、切れ味のあるマイラータイプの馬に、折り合って速い脚を使われては分が悪かったか…。既に8歳。今後も勝ち切るのは骨かも。

5着 パールシャドウ
 前走のクイーン賞は、先行馬ペースを意識していつになく早目に動いたものの、最後は同じ脚になり4着。重賞のメンバーに入ると勝ち味の遅さを露呈。今回も流れとしては先行馬ペースになりそうなので、仕掛け処が微妙でした。この日はプラス2キロの472キロ。前2戦と同様にキリッとした好仕上がり。レースは出たなりで進んで向流しでは外4番手。そこから引いて6番手は、クイーン賞と同じような運び。最後は内を突いて差を詰め、上がり3ハロンは勝ち馬ハルサンサンと同じメンバー最速の36秒5。器用に立ち回れない分の差が表われました。この馬の場合はもっと長目の距離のサバイバル戦が似合う。

7着 プロヴィナージュ
 08年の関東オークスでユキチャンの2着。以降は芝路線でダートは久々ですが、戦績、血統、馬格などから、決して苦にするタイプではありません。入念に調教を積まれており、侮れない存在でした。この日はマイナス3キロの523キロ。均整の取れた好馬体で、巨漢馬というイメージなし。キビキビ感があり毛ヅヤも上々。非常に良く見えました。レースはスタートひと息。内7番手から進み、ポジションを上げられず最後の直線へ。終いは差を詰めるどころか突き放されてしまい7着。久々のダートに戸惑ったのでしょうか…。

8着 ショウリダバンザイ
 昨年の当レースは9着ですが、当時は休み明け。それに対して今年は叩き二度目。その前走は58キロに加えて外を回るコースロス。55キロで乗り慣れた服部騎手なら反撃確実とみていました。この日は増減なしの472キロ。懸念していた馬体減りはなく落ち着きもあり好気配。レースはスタートひと息で後方8番手から。ただし、スローペースを意識した服部騎手が早目に動き、3コーナーでは4番手に取り付きましたが、手応えというかリズムが今イチ。最後の直線はまるで伸びる気配がなく8着。流れが向かなかったにせよ不甲斐ない走り。やや調子を落としているのか…。