第61 回 川崎記念(Jpn1)

【予想】
◎スマートファルコン
○ボランタス
▲ニホンピロアワーズ
△ランフォルセ
△キングスエンブレム
△フリオーソ

 東京大賞典は文字通り肉薄されたスマートファルコン。ただし、2分1秒台では駆けたし、これは2着馬ワンダーアキュートの充実ぶりを褒めるべき。気配的には特に変わりないので、軽い川崎の馬場の時計勝負なら、スピードで圧倒するとみました。絶好調ボランタスが本線。

【レース】
 絶好のスタートを決めたスマートファルコンが労せずしてハナへ。フリオーソもスタートを決めて2番手に行き、積極果敢にスマートファルコンを追う形。出負けしたランフォルセが即挽回して3番手。キングスエンブレム、ニホンピロアワーズと続き、ボランタス、マイネルアワグラスは中団。緩みないハイペース。勝負処から後続を突き放したスマートファルコンは、最後の直線も脚いろ衰えず正に独壇場。驚異的なレコードタイムを叩き出して、王者健在をアピールしました。ランフォルセの2着もなかなかの好内容。フリオーソは懸命に踏ん張って3着。

【上位馬の寸評】
1着 スマートファルコン
 JBCクラシックでトランセンド、東京大賞典でワンダーアキュートに迫られ、絶対的な信頼感は薄らいできました。ただし、負けていないのは厳然たる事実。川崎は初めてでも、脚抜きのいいここの馬場は間違いなく合うはず。レコード決着は十分に予想されました。この日はマイナス7キロの506キロ。以前と違って内に秘めた闘志という感じで落ち着いたもの。見た目は変わりませんが、マイナス7キロは、厩舎サイドが言うように、太目を絞り込んだ分でしょう。レースは絶好のスタートを決めて楽にハナへ。1周ホームストレッチでもペースを緩めず、川崎2100としては珍しく12秒台のラップを連発。残り800から更にペースアップしては追いかける方もたまりません。完全にこの馬の勝ちパターンで、驚異的なレコードタイムを叩き出しました。やはり気を抜かせずガンガン行く競馬がこの馬には似合う。それとやはり川崎の軽い馬場は向く。あとは海外に敵を求めるのみ。

2着 ランフォルセ
 昨年5月の東海テレビ杯でワンダーアキュートの2着。9月のエルムSで重賞タイトルを奪取。未知数の魅力はありますが、地方競馬へは初参戦だし、休養明けでもあり△に留めました。この日はプラス20キロの498キロ。多少立派かなという程度で、馬っぷりは上々。落ち着きもあり好気配でした。レースはスタート出負け。ただし、内枠ということもあり、横山典騎手が即座に挽回を図り内3番手に。速い流れを無理なく追走して、最終4コーナーではフリオーソと併走の内2番手。スマートファルコンには完敗ですが、3着以下との差をジリジリ広げて危なげなく2着を確保しました。この馬自身も楽にレコードタイムを塗り替えているし、普通なら楽勝の競馬。この走りができれば、次はどこに出てきても(スマートファルコンがいなければ)狙ってみたい。

3着 フリオーソ
 あの驚異的なレコード決着になった東京大賞典以来、久しぶりのスマートファルコンとの対決。相手が川崎コース初めてに対して、こちらは過去4年の川崎記念でヴァーミリアン、カネヒキリなどを相手に2、2、2、1着の成績。普通なら優位に立てるところですが、何せ屈腱炎での休養明け。今回に関しては評価を下げざるをえませんでした。この日は増減なしの508キロ。元々体型的に少し太目に映る馬ですが、ちょっと緩い感じ。正直半信半疑。レースは好スタートを決めて2番手。普通はペースが緩む1周ホームストレッチでも、相手に息を入れさせないよう、積極果敢に追走。さすがに無理があったのか、3コーナーあたりから突き放されてしまいましたが、それでも3着に頑張ったのは賞賛ものです。今後も脚もととの相談ですが、何とかもうひと花咲かせて欲しい。

4着 マイネルアワグラス
 これまで南関では大井2000のジャパンダートダービー4着に、船橋2400のダイオライト記念2着。長距離のサバイバル戦で強さを発揮する馬。距離の2100はいいとしても、レコード決着すら予想される川崎の馬場ではどうかなとみていました。この日はプラス1キロの524キロ。フリオーソと同じブライアンズタイム産駒で、似たような体型。ちょっと太目に映りますが、大体がこんな感じの馬。マズマズ順調と判断。レースは出脚ひと息で7番手から。追い詰めで追走がやっとという状況。最後はジリジリと差を詰めて4着まで来ましたが、正に精一杯の走り。今後も勝ち負けするにはかなり条件が限定されます。

5着 ニホンピロアワーズ
 1800の新馬でデビュー以来、一貫してダートの中長距離路線。2走前のジャパンCダートを除けばオール3着以内の堅実駆け。特に2100の白山大賞典2着、2500の名古屋グランプリ1着と、力の要るサバイバル戦で本領発揮。川崎の馬場は微妙でも、相手なりに走りそうなタイプで注目していました。この日はマイナス7キロの520キロ。いかにも力馬という大型馬で、オットリしたタイプ。長距離向きは間違いなし。レースは酒井学騎手がかなり気合をつけて離れた5番手から。向流しでは必死になって追い上げを図り4番手に上がりましたが、ここまでが精一杯。最後は流れ込んだ形の5着。スピード負けを痛感。レコードが出る川崎コースでは分が悪かった。

6着 ボランタス
 昨年の川崎記念は勝ったフリオーソから1秒3差の3着。ただし、今年は埼玉栄冠賞、浦和記念と2連勝中。特に前走の浦和記念はシビルウオー以下のJRA勢をなで斬り。目下絶好調だけに、ひょっとすると…の期待感はありました。この日はプラス6キロの540キロ。8歳という年齢を感じさせぬ馬体のハリに力強い踏み込み、気合乗り。デキの良さを確認。レースは山崎騎手が気合をつけて内7番手から。山崎騎手も結構色気があったのか、珍しく序盤から仕掛けて追走、ただし速い流れにマクるいとますらなし。最後の直線は最内を突いて目イチに叩き出されて6着。これも完全にスピード負け。いかに絶好調でも力の差はいかんともしがたい。

7着 キングスエンブレム
 昨年のダイオライト記念でスマートファルコンと対戦。4コーナーで2番手に上がったものの、終いバテて5着。ただし、前走のベテルギウスSが楽勝だったので、一応△を打ちました。この日はプラス1キロの467キロ。兄ヴァーミリアンと違ってコンパクトにまとまった馬体。適度な気合乗りで好調と判断。レースは岩田騎手がかなり気合をつけて外4番手から。ただし、勝負処でスマートファルコンに更に加速されると追走が厳しくなり後退。完全に力負けでした。