第3 回 東京スプリング盃(S3)

【予想】
◎セントラルコースト
○フジノウェーブ
▲スマートインパルス
△ダイワディライト
△セイントメモリー
△ディアーウィッシュ
△シーズザゴールド
△ロイヤルボス

 連続して痛恨の出遅れが響いたセントラルコースト。既に7歳でも馬っぷりは相変わらず冴えているし、そのスピード能力に衰えなし。実績を残す千四なら、改めて注目しました。古豪フジノウェーブ、オープン馬の風格が出たスマートインパルスを相手に重視。

【レース】
 逃げ候補のセイントメモリーが出遅れ。対照的に1番枠から好スタートを決めた山田信バトルファイターがハナを主張。セントラルコースト、ファイナルスコアー、ダイワディライトと続き、その内にフジノウェーブ。スマートインパルスは後方から。ペースはほぼ昨年と同等で、やや速目の流れ。最後の直線は、巧く経済コースで立ち回ったフジノウェーブが楽に抜け出し、完全に2着争いが焦点に。逃げたバトルファイターがギリギリ残しました。

【上位馬の寸評】
1着 フジノウェーブ
 このレース3連覇を目論み鋭意調整を図っていた同馬。この日はプラス4キロの480キロ。いささかも体に緩みがなく、年齢を感じさせぬ馬体の張り。淡々とパドックを周回する姿は、いい意味での年輪を感じさせました。レースは坂井騎手が気合をつけて内6番手から。大体思い描いていたポジションでは。追走に手こずることなく勝負処では前を射程圏内に。ロスなくコーナーを回り直線は外目に。ゴール前200で単騎先頭に立つと、激しい2着争いを尻目に悠々ゴールを駆け抜けました。昨年の1分24秒3には及ばないものの、24秒7は立派。千両役者の存在感をアピール。かつての最優秀短距離馬も今は千四〜千六がベスト。条件が揃えばマダマダやれる。

2着 バトルファイター
 船橋記念の2着で出走権をゲット。駒を進めてきましたが、格下は歴然。距離も短ければ短いほどいい馬で、このメンバーで千四は微妙。とても印は付けられませんでした。この日はマイナス5キロの498キロ。馬っぷり上々で適度な気合乗り。気配的には申し分なし。レースはこの枠だけに山田信騎手がハナを主張。幸いと言うべきか、セントメモリーが後手を踏んだので、希望が叶う形に。それでも格上のスピード馬の追撃も厳しく、決して楽なペースではありません。どこまでリードを保てるかとみていたところ、ゴール前200でフジノウェーブに交わされながらも執拗な頑張り。ギリギリ2着を死守しました。これは評価を改める必要がありそうです。

3着 イーグルショウ
 千四には意外に実績を残していますが、それも大分前の話。既に8歳を迎え、一段とズブさを増している近況を考えると、スピード負けする可能性が大とみていました。この日はマイナス6キロの475キロ。キリッとした体つきで気合も乗り、最近の中では好気配。レースは中団8番手から。ちょうど馬群が切れた処の経済コースで、いいポジション。内々を進出して、3、4コーナーからは外に切り替えマクり戦法。切れ味はひと息でも、この馬らしい渋い走りで3着に押し上げました。掴み処のない馬ですが、実力は維持しているようです。

4着 セイントメモリー
 距離の許容範囲の広いスピード馬で、トライアルのウインタースプリント(千二)を逃げ楽勝。抜群のスタートセンスが売りで、今回も逃げ有力とみれば、斤量差もあり不気味な存在でした。ところが今回は予想だにせぬ出遅れ。後方からとは大誤算。途中から森騎手が馬を内に入れ、腹を括って脚を溜める作戦。うまい具合に内が開けて勝負処ではフジノウェーブの直後へ。直線は大外へ回して一旦は2番手にも上がる勢いでしたが、そこは逃げ馬の悲しさ。あと一歩の詰めを欠いて4着に終わりました。普通に出ていればどうなっていたか…。何とも言い切れませんが、とりあえずこういう形でソコソコ頑張れたのは収穫でしょう。なおこの日はマイナス7キロの484キロでしたが、バランス的にはちょうどいい感じ。活気もあり今絶好調と診断。

5着 スマートインパルス
 昨年下半期からの驚異の上がり馬。勢いに乗り重賞ゲット、東京大賞典にまで出走。年明けて距離千二を2着、二千を3着。適性距離を探っているのか、はたまた弘法筆を択ばずの類か。今回は千四で外枠。テンに置かれる懸念もあり、▲は打ったものの、信頼度は今イチとみていました。この日はマイナス8キロの439キロ。小柄な馬だけに馬体減は微妙ですが、見た目は許容範囲。特に変わりない状態でした。レースは好スタートを決めたものの、外枠だけに石崎隆騎手も無理をせず後方から。ようやくインコースに潜り込めたのは4コーナー手前。直線は内ラチ沿いに詰めて5着まで押し上げました。もう少し長目の距離の方が合っているようです。

14着 ダイワディライト
 JRAでは千二路線。千四は1ハロン長い印象を受けますが、その非凡なスピードは魅力一杯。これが逃げる可能性もあるので、気になる存在でした。この日はマイナス13キロの490キロ。少し太目で使っていたので、絞れた分と判断。マズマズの気配。レースは距離を意識して今野騎手が丁寧な騎乗ぶり。それでもスピードがあるので2番手グループの一角。直線の入口までは手応え上々でしたが、追ってからサッパリ伸びず14着。距離云々よりも、やや盛りを過ぎたとみるべきか。

15着 セントラルコースト
 3走前のロイヤルC(千四)では25秒6で2着。フジノウェーブには先着。以降2戦はスタートミスが敗因。五分に出れば、得意の距離で狙い目とみていました。この日はマイナス11キロの508キロ。過去の連対時体重の範疇に入り、見た目もちょうどいい感じ。これならの雰囲気。レースは普通に出て2番手。バトルファイターを追いましたが、先行勢の中では一番早く手応えが怪しくなり、結果は完走馬の中では殿り。正直敗因が掴めません。