第58 回 桜花賞(S1)

【予想】
◎ゴールドキャヴィア
○コテキタイ
▲エンジェルツイート
△リカチャンス
△グラッツェーラ
△メイクアミラクル

 張田コテキタイと森エンジェルツイートの兼ね合いが最大のポイント。極端な競り合いはないにしても、ある程度ペースが上がるとみれば、その様子を窺いつつ乗れる戸崎ゴールドキャヴィアに分があるとみました。安定度アップした本橋リカチャンスまで4頭の競馬。

【レース】
 エンジェルツイートがよもやの出遅れ。好枠から難なくコテキタイがハナを奪い、スタートを決めたリカチャンスが2番手。巻き返してエンジェルツイートが3番手に上がったものの、リズム今イチ。外4番手のゴールドキャヴィアもスムーズさに欠ける走り。流れはやや速目でもコテキタイのペース。最終コーナーでは前2頭が後続を離す形。二の脚を繰り出したコテキタイが、リカチャンスを突き放して鮮やかな逃げ切り勝ち。再び差を詰めてきたエンジェルツイートを抑えリカチャンスが2着確保。

【上位馬の寸評】
1着 コテキタイ
 トライアルのユングフラウは4着に沈みましたが、2走前千六の若水特別1着は、同日ニューイヤーCより1秒も速い1分43秒8の好タイム。その時計だけ走れば勝てるところですが、今回は強力同型エンジェルツイートとの兼ね合いがカギ。若水の前半のラップは36秒6〜49秒9。ただしエンジェルがいると36秒前半〜49秒前半。つまりややオーバーペースになる懸念があり、◎は打ち切れませんでした。この日はマイナス1キロの445キロ。使い込んでいるので大きな変化はありませんが、馬体をフックラ映して好調キープ。レースは戦法に迷いはなく好枠を利してハナへ。幸いと言うかエンジェルツイートが出遅れたので前半のラップは36秒9〜50秒0。これが大きかった。向流しで後続に接近されましたが、序盤をうまく乗り切ればそう簡単には音を上げない馬。最後の直線は、食い下がるリカチャンスを振り切ってゴールへ一目散。自分の時計で走って付け入る隙を与えませんでした。とにかく戦法に迷いがないのは大きな強味。あまり長い距離は微妙ですが、千八程度はこなせそうなので、今後も注目。

2着 リカチャンス
 桃花賞2着、ニューイヤー3着、ユングフラウ3着と、あと少しの詰めを欠くレースぶり。安定度アップしてここも上位圏内の一頭は間違いありませんが、決定力という点で、上位3頭には一歩譲るとみていました。この日はマイナス1キロの479キロ。以前に比べればグンと落ち着きが出て好気配。馬体もキープして状態は万全。レースは絶好のスタートを決めて無理なく外2番手。願ってもない位置取り。逃げるコテキタイをマークして、後ろから来る人気馬2頭の追撃にも怯まずポジションをキープ。最終コーナーではコテキタイに並びかけに行きましたが、相手もさるもの。最後は脚が上がり、突き放されて2着死守がやっとでした。正味目イチの競馬。

3着 エンジェルツイート
 初の左回り、初の千六をクリアして平和賞を逃げ切り。2歳優牝は溜め逃げを打って、人気のエミーズパラダイスを一蹴。一戦毎に目に見える成長ぶり。スタートした瞬間に体ひとつリードを奪うロケットスタートが売り。枠はコテキタイより外でも、こちらが逃げる可能性も十分にあり、注目していました。この日はプラス9キロの480キロ。2歳優牝の時がやや減っていたので、これは回復した分。適度な気合乗りに毛ヅヤ上々。絶好の仕上がりとみました。レースはよもやの出遅れ。1周ホームストレッチで3番手に上がったものの、馬が気分を損ねたようでリズム? 勝負処の3コーナー過ぎには手応えが怪しくなり前2頭から離される形。それでも最後はリカチャンスに半馬身差まで迫り、せめてもの意地を見せました。今回に関してはあくまでも出遅れが敗因。次走は改めて注目ですが、またコテキタイと顔が合うと、予想で悩まされそうです。

4着 レディーソルジャー
 道営時代から一貫して千二路線。転入後1、2着のレースぶりからもスピード能力は相当なものですが、千六の重賞、大外枠、馬体が減少傾向などを考え合わせると、全く検討外でした。この日はプラス1キロの429キロ。一応馬体をキープといったところで状態は現状維持。レースは好スタートから馬なり発進。最初の4コーナーでやや外に振られ気味。中団6番手を進み、最後の直線は内から詰めて4着。マイペースを固持して目イチの競馬ですが、非凡な能力の一端を窺わせる走り。もう少し馬体を増やしてくれば、短距離なら相当な力を発揮しそうです。

5着 ゴールドキャヴィア
 桃花賞、雲取賞と準重賞レースを2連勝中。展開不問の自在性が大きな強味。ここはコテキタイ、エンジェルツイートの逃げ馬2頭の動向を窺いつつレースを運べる利点があり、連軸としての信頼度は一番とみて◎を打ちました。この日はマイナス2キロの490キロ。馬格の割にスッキリとした体つきの馬で、もう少し増やしたいというのが正直なところ。それでもここ一連のデキにあると判断。レースは最初の4コーナーでやや外に張り気味に。ワンターンの船橋千二ではそういう面は見せなかったのに、スタートしてすぐコーナーの浦和千六で、実戦経験の浅い左回りを気にしたのか。道中の運びにも今ひとつスムーズさを欠き、4番手のポジションを上げられず見せ場なく敗退。右回りで見直す手もありますが、もうひとつピンときません。