第15 回 クラウンカップ(S3)

【予想】
◎キタサンツバサ
○コンテパルティロ
▲キョウエイロブスト
△シラヤマヒメ
△ビッグライト
△レイモニ
△ベルモントシェリー
△トキノドラゴン

 叩き二度目の前走で一変したキタサンツバサ。2番手で折り合って抜け出したレースぶりに成長の跡。キャリア的にも伸びシロ十分。このレベルの重賞なら楽に勝ち負けとみました。2連勝と昇り調子のコンテパルティロ、好枠から逃げるキョウエイロブストも単候補。

【レース】
 1番枠から絶好のスタートを決めたキョウエイロブストが難なくハナ。競りも予想されたベルモントシェリーは2番手に甘んじ、3番手にコンテパルティロ。イン4番手にキタサンツバサ。その後ろにシラヤマヒメ。ペースは平均よりやや速目。手応え良く進出したキタサンツバサが4コーナーでキョウエイロブストに並びかけ、2頭で3番手以下をを引き離す形。一旦はマッチレースの様相でしたが、そこに後続馬群から1頭脚を伸ばしてきたのがビッグライト。肉薄しましたが、キタサンツバサが頭差残して1着ゴール。ビッグライトが2着に食い込み、キョウエイロブストは3着。

【上位馬の寸評】
1着 キタサンツバサ
 体調が伴わなかった2走前を除けば3戦3勝。好位で自在に立ち回れるレース巧者。稽古の動きも上々なら、重賞レースでも勝ち負け必至とみていました。この日はマイナス3キロの495キロ。適度な気合乗りに馬体の張りも上々。初コースを気にする風もなく落ち着き払っており申し分ない気配。レースは繁田騎手が気合をつけて先行。内に寄せてきたシラヤマヒメに前に入らせず、イン4番手を主張したのが正解。付かず離れず前をマークして行き、4コーナーでは逃げるキョウエイロブストに併走。相手の抵抗に手を焼きつつもこれを競り落とし、ビッグライトの猛追を頭差凌いで、見事にタイトルをゲットしました。時計の1分41秒7は及第点。必ずしも距離が延びていいタイプとは思えませんが、千八程度まではこなしそうです。

2着 ビッグライト
 一度川崎の千六を使った際が鮮やかな勝ちっぷり。以降3戦が案外で評価が揺らぐところですが、稽古の動きが変わってきたところに実績のある川崎コースなら、豹変は十分に考えられました。この日はマイナス4キロの476キロ。体つきが引き締まりキビキビ感もあり状態アップを確認。レースは出たなりで10番手から。内々を突いて徐々にポジションを上げ4コーナーでは6番手。まだ前とはかなり距離がありましたが、2番手グループの中から1頭違う脚いろでグイグイ伸び、キタサンツバサに頭差まで迫った処がゴール。上がりのかかる流れに乗じた面はありますが、今後への展望が広がるレース内容。この馬の場合は、間違いなく距離が延びていいタイプです。

3着 キョウエイロブスト
 逃げ宣言の同馬が1番枠なら、死ぬ気でハナを主張するのは確実。あとは同型ベルモントシェリーとの兼ね合いで、楽に先手を取れれば勝機十分とみていました。この日はマイナス5キロの468キロ。フックラとした好馬体に活気十分。毛ヅヤも良く文句なしの仕上がり。レースは抜群のスタートを決めて有無を言わさずハナ。やや速目のラップで飛ばし、後続の脚をなし崩しに使わせる作戦。勝負処からはただ1頭食らい付いてきたキタサンツバサとのデッドヒート。最後競り負けたとはいえ、頭首の3着に粘れば上等。ハナさえ切れればかなりのハイペースでも我慢が利くことを証明しました。常にマークは怠れない存在です。

4着 ハテンコウ
 転入緒戦を飾った後はジリ貧状態。まだ太目に映る馬体からは上積みがありそうですが、初の左回りで重賞メンバーではやや荷が重いとみていました。この日はマイナス8キロの470キロ。これは絞れた分と判断。パドックでは物見もせずに落ち着いており万全の態勢。レースは坂井騎手が気合をつけて外7番手から。勝負処からマクって出て前を追う意欲。最後の直線もジリジリ伸びて4着に押し上げました。上がりのかかる競馬に恵まれた感じもありますが、マズマズの内容。距離はもう少し長目の方が良さそうです。

5着 コスモランチャー
 転入後3戦2勝でも、ともにメンバーの手薄な浦和戦で時計も平凡。左回りへの適性は認めても、このメンバーでは印は付け切れませんでした。この日はマイナス6キロの442キロ。少し減ってきましたが、案外フックラとした体つきで悪くない。レースは戸崎騎手が多少気合をつけて外9番手から。正味直線勝負で一応掲示板に乗りましたが、4着ハテンコウからは5馬身差。それほど威張れるものではありません。これを糧にどこまで変わってくるかといったところ。

7着 コンテパルティロ
 浦和に矛先を向けて2、1、1着と急上昇。走破時計も、今の時計のかかる浦和としてはマズマズ。馬っぷりの良さも目立ち、重賞のメンバーに入っても通用しそうな気がしました。この日はプラス2キロの504キロ。相変わらず馬っぷりは冴えているし、落ち着きもあり好調と判断。レースは好スタートから森騎手が気合をつけて外3番手。積極的に前を追いましたが、3コーナーあたりから水を開けられてしまい、なす術なく7着。案外距離を苦にするのか、あるいは直前の攻め馬が軽かったのが影響したのか…。評価は持ち越し。

12着 ベルモントシェリー
 前走の京浜盃は、パンタレイに機先を制されて大敗。そこからレース間隔がないので変わり身は疑問ですが、メンバーのレベルが下がって先手を取り切れれば、反撃も可能とみていました。この日はマイナス4キロの546キロ。オットリしたタイプでいつも通りの気配。特に悪いという感じはしません。レースはキョウエイロブストのロケットスタートの前に2番手に甘んじる形。京浜盃と同じパターン。それにしても大差の殿り負けはいただけない。何か精神的なものが影響しているとしか考えられません。