第24 回 かしわ記念(Jpn1)

【予想】
◎テスタマッタ
○フリオーソ
▲エスポワールシチー
△ランフォルセ
△シルクフォーチュン

 フェブラリーSは満を持して追い出し鮮やかに決めたテスタマッタ。過去様々な距離で好走しているものの、マイルくらいでキレを生かす競馬が一番合っている感じ。今回も岩田騎乗でチャンスとみました。ただし、フリオーソ、エスポワールシチーが折り合って先行なら、この行ったままも十分。

【レース】
 予想通り戸崎フリオーソがハナを主張。2番手に佐藤哲エスポワールシチーがつけ、実力馬2頭が前を固める展開。やや掛かり気味に藤岡シルクフォーチュンが3番手。横山典ランフォルセがその直後で、1コーナーで不利があった岩田テスタマッタも向流しに入ると徐々に進出。エスポワールシチーがフリオーソを突っついたためにペースは緩まず、2頭が後続を引き離す形。4コーナーで先頭に立ったエスポワールシチーが、粘るフリオーソを振り切って1着ゴール。当レース三度目の優勝を飾りました。終い差を詰めたテスタマッタが3着。

【上位馬の寸評】
1着 エスポワールシチー
 09〜10年にかけて当レース連覇も含めG1競走5連勝の快挙。海外遠征後は若干パフォーマンスが落ちたものの、前走のフェブラリーSは馬込みに入り消化不良。ゲンのいいレースで復活十分とみていました。この日はマイナス5キロの495キロ。好調時もそれほど気合を表に出すタイプではありませんが、意外にキビキビ感がありいい雰囲気。外見的には衰えの兆候なし。昨年は出遅れて5番手からの競馬になりましたが、この日は無難にスタートを決めてサッと2番手へ。フリオーソに息を入れさせず、付かず離れずマーク。3、4コーナーで並びかけ、4コーナー付近では早くも先頭。さすがに最後は一杯加減でしたが、危なげない勝ちっぷりでした。重馬場とはいえ、それほど極端に速い馬場ではなく、36秒5はさすがの好タイム。もうひと花咲かせそうな感じです。

2着 フリオーソ
 屈腱炎を発症しながら復活、川崎記念3着、ダイオライト記念5着。まだ長丁場を乗り切る体力が伴っていなかった様子。昨年の当レースはエスポワールシチーに雪辱の1着。稽古一変、千六で本領発揮とみました。この日はプラス3キロの507キロ。増えているものの、むしろ体つきは引き締まった感じ。適度に気合も乗り、相変わらず良く見せます。レースは瞬間的に1馬身リードを奪うほどの好スタート。無理なくハナに行き、注文通りの展開。ただしエスポワールシチーにジカ付けされて、残り800から11秒9〜11秒7とペースアップ。ここで息を入れられなかったのが響きました。4コーナーで交わされてしまい、完全に力負けの2着。それでも3着に2馬身差をつけて37秒0は悪くありません。マダマダ千六くらいの距離なら若い者には負けない。

3着 テスタマッタ
 根岸Sはシルクフォーチュンの34秒台の切れ味に屈したものの、フェブラリーSで見事に雪辱。昨年の東京大賞典は距離ニ千で先行3着ですが、マイルくらいで差しに構えて最大限に持ち味が生きるタイプ。岩田続投なら一番信頼できるとみました。この日は増減なしの504キロ。相変わらず馬っぷりが冴えており申し分ない仕上がり。レースは出たなりで先行態勢も、1コーナーで進路が狭くなり、人馬ともに逡巡するシーン。ただし即座に平常心に戻り、向流しではスムーズに進出。3、4コーナーでは離れた3番手で前2頭を追う形。懸命に詰めたものの、3着に終わりました。この高速決着では致し方ない結果ですが、不利がなければもう少し頑張れたはず。現在のダート界を代表する実力馬は間違いありません。

4着 ランフォルセ
 川崎記念は出遅れを挽回してスマートファルコンの2着。サバイバル戦を凌いだ前走のダイオライト記念は、着差以上に中身の濃い競馬。今や交流路線の主役級に出世。問題はスタート直後の反応が鈍い点で、それが忙しいマイルで致命傷になる危惧はありました。この日はプラス14キロの507キロ。少しテンションが上がり気味ですが、パワフルな好馬体は一級品。ただし、いくらか太目の感じは拭えず。レースは意外に序盤をスムーズに切り抜け外4番手から進みましたが、残り800からペースアップした際に対応できず離れた5番手へ後退。最後はまたチョロッと詰めてきましたが、完全にスピード負け。太目の影響もありますが、間違いなくこの馬は長目の距離の方が合う。

5着 ピイラニハイウェイ
 ブリーダーズGC以降は積極的に地方に参戦して存在感アップ。前走のダイオライト記念は消耗戦の中、巧みに脚を使い2着。渋い末脚が売りですが、マイル経験は一度のみでオープン特別6着。名うてのマイラーに混じって上位争いは難しいとみていました。この日は増減なしの461キロ。フックラとした体つきに適度な気合乗り。好調キープと判断。レースは川田騎手が気合をつけて8番手からの競馬。徐々にポジションを上げて一応入着は果たしましたが、全く見せ場なし。これも完全にスピード負け。この馬の場合は長目の距離で展開がもつれた際に出番。

6着 シルクフォーチュン
 短距離路線で頭角を表してきた馬ですが、前走のフェブラリーSを2着。折り合えば距離克服をアピール。前半はジックリ構えて瞬発力勝負がスタイル。ハマればの怖さはあっても、砂の深い地方ダートへの対応が課題でした。この日はマイナス9キロの461キロ。休み明けでの馬体減は若干気になる材料。ややイレ込み気味も不安点。レースはいつも通りにヤンワリ出たものの、馬がムキになって行きたがり3番手へ。藤岡騎手が極力抑え込んだものの、なし崩しにスタミナを消耗して6着。やはり基本的には短距離の差し馬です。