第26 回 東京プリンセス賞(S1)

【予想】
◎コウヨウタレイア
○アスカリーブル
▲エンジェルツイート
△レイモニ
△リカチャンス
△グレコ
△コテキタイ

 負け知らず3連勝の内容が非常に優秀なコウヨウタレイア。初の1800がカギでも、折り合いさえつけば既成勢力を撃破できるとみました。ただし無難にいけば自在の走りが計算できるアスカリーブル。エンジェルツイート、コテキタイは兼ね合いがポイント。

【レース】
 逃げ争いはアッサリ決着がついてエンジェルツイートがハナ。アイキャンデイが2番手に行って、コテキタイは3番手。リカチャンス、コウヨウタレイアと続いて、アスカリーブルは中団。レイモニは例によって後方から。ペースは多少速目でもエンジェルツイートの逃げは快調。ただし勝負処から抜群の手応えでマクって出たアスカリーブルが、ゴール200前で先頭に立つと、他の追随を許さぬ末脚で危なげない1着ゴール。追い込むレディーソルジャーを抑えて、エンジェルツイートが2着に粘りました。

【上位馬の寸評】
1着 アスカリーブル
 京浜盃は楽逃げの勝ち馬は別格。外枠から果敢に攻めて4着は、実質2着レベルの内容。ユングフラウ賞以降の馬体減も、見た目に不安なし。距離OK、枠的にもこれを軸に見る手は十分にありました。この日はプラス1キロの451キロ。ハード調教を課してもキープできていたし、落ち着きがあり毛ヅヤも上々。申し分のない気配。レースは好スタートから出たなりで中団7番手から。速い流れを意識して今野騎手が前半はジックリ我慢。3、4コーナーからゴーサインを出すと、他馬とは別次元の脚いろでスルスルと進出。ゴール200前で逃げるエンジェルツイートを交わすと、あとは独壇場。 圧勝と言える内容でした。男馬も含めてトップクラスの評価は不動のものに。

2着 エンジェルツイート
 平和賞、東京2歳優牝と、抜群のスタートダッシュを決めて逃げ切り。ところが前走の桜花賞は、よもやの出遅れで、コテキタイの独壇場を許す結果に。今回もコテキタイとの兼ね合いですが、枠の差で先手を取り切るとみれば、ここから入る手も十分にありました。この日はマイナス4キロの476キロ。本来は増えて理想も、ハード調教を消化してキッチリ仕上げてきたと判断。レースは好スタートから森騎手が気合をつけてハナ。多少速目の流れでも、この馬にとっては程好いペースで快調な逃げ。3コーナー過ぎには他の先行勢を振り切り逃げ切り体勢。ただしただ1頭追って来たのがアスカリーブル。ゴール1ハロン手前で交わされると完全に脚が上がってしまいましたが、前半の貯金で辛うじて2着を死守しました。この日のレースぶりからは、やはり距離に壁がある感じ。千六以下で自分の形に持ち込めば強い。

3着 レディーソルジャー
 桜花賞は大外枠の不利がありながら差を詰めて4着。これは評価できますが、前走は自己条件の千八でスンナリ先行しながら8着。この距離は微妙に長い感じで印を付け切れませんでした。この日はプラス1キロの436キロ。懸念した馬体減りはないし、落ち着きもあり好調キープ。レースは大外枠もあり抑える競馬。11番手から進み、最後の直線は外から脚を伸ばし3着。上がり3ハロンはメンバー最速。吉原騎手がこの馬の新しい面を引き出したようです。もっとも基本はスピードタイプで、次に千二、千四を使ってくれば狙ってみたい。

4着 コテキタイ
 1川崎以降はブリンカーを装着して徹底的にハナに拘る競馬。前走の桜花賞は、エンジェルツイートの出遅れもあり、労せずしてハナに行き本領発揮。今回も距離云々よりも兼ね合いがポイント。外枠が微妙でした。この日はプラス5キロの450キロ。サウスヴィグラス産駒に共通する、あまり気合を表に出さないタイプですが、今回は適度に気合が乗り、馬体増も好感。状態は申し分なし。レースはスタートと枠順の差で、突っつく処にも到らず3番手から。あとは張田騎手が折り合いに専念。3コーナーで内に潜り込み、最後の直線は内を突いて懸命に追ってきましたが、やはり根が逃げ馬の悲しさ。流れ込む程度で4着に終わりました。それでもこの展開で大崩れしなかった点は評価できます。案外距離もこなしそう。

5着 ブライダルコーラス
 今年に入っての2勝は、ともに浦和の手薄なメンバー。2走前の桜花賞は1秒7差の6着。一線級とは開きがあり、まず狙いは立ちませんでした。この日はプラス7キロの410キロ。細身の牝馬だけに馬体増は文句なく歓迎ですが、それでも見映えするタイプではありません。レースは山崎誠騎手がジックリ構えて10番手から。最後の直線は内を狙って5着まで押し上げれば大健闘と言っていい。上がりのかかる競馬に恵まれた印象も。

6着 レイモニ
 ユングフラウ2着に、前走は男馬が相手の京浜盃に挑戦して5着。この実績があれば当然注目の一頭でしたが、レースは出遅れも響いて後方から僅かに詰めた程度。展開からすれば、もう少し前に来ておかしくないのに…。距離が延びるとやや切れ味が鈍るのかも。馬体をキープできており、状態には問題なし。

13着 リカチャンス
 一連の重賞、準重賞で連続好走。決定力には欠けるものの、印が付いてしかるべき馬ですが、レースは内4番手からポジションを下げて13着。ハイペースの追走に脚を使ったにせよ負け過ぎ。距離千八で強気に攻めたのが響いたようです。千六までの馬か…。体をフックラ映して状態はいい。

14着 コウヨウタレイア
 これは完全に期待外れでした。馬っぷりはいいし、適度に気合も乗りいい雰囲気でしたが…。レースは出遅れながら抑え切れない手応えで5番手へ。スピードのあるところを見せましたが、最後の直線は完全にバテて大敗。現状短目の距離でスピード、切れ味を生かす競馬が合うようです。適条件なら巻き返し必至。

16着 グレコ
 4戦4勝で注目のハーツクライ産駒。気になる存在でしたが、積極的に6番手に行ったものの、完全にスタミナ切れでギブアップ。初の右回りで初の千八。今回に関しては条件が厳しかったか…。体つきはギリギリで、上積みという点では今イチ。