第16 回 さきたま杯(Jpn2)

【予想】
◎ダイショウジェット(競走除外)
○セイクリムズン
▲トウショウカズン
△スーニ
△ナイキマドリード
△スターボード

 昨年9月の浦和千四オーバルスプリントでは、5馬身差の圧勝劇を演じたダイショウジェット。多少時計のかかる良馬場とみれば、力任せのマクり勝負で狙い目とみました。時計勝負になればセイクリムズン、トウショウカズンも当然有力な首位候補。

【レース】
 先行型トウショウカズン、スターボードがスタート今イチ。意外なほど楽にハナに行けたのがセイクリムズン。トーセンピングス、スターボードの並びで、直後のインにナイキマドリード。スーニは例によって後方から。ペースは平均。残り600からペースアップするセイクリムズン。食い下がるのはトーセンピングス。3番手に上がるナイキマドリード。内を狙うのがスーニ。ただし激しい2着争いを尻目に、セイクリムズンはぐいぐいストライドを伸ばし8馬身差の圧勝。交流重賞V4を達成しました。2着争いに競り勝ったのはナイキマドリード。

【各馬の寸評】
1着 セイクリムズン
 黒船賞はスタートで躓きながら逃げて凌ぎ、近2戦はジックリ構えて差し切り。一旦波に乗ると固め撃ちの傾向通りの3連勝。秋〜春が稼動シーズンで微妙な時季に差しかかりましたが、稽古上々、馬っぷりも冴えて依然として好気配なら、当然首位有力とみていました。この日はマイナス10キロの509キロ。ムダ肉が削ぎ落とされて、むしろ前走以上とも思える仕上がり。レースは近2走から差しに構えるとみていたところ、岩田騎手が気合をつけて積極策。逃げ候補のスターボード、トウショウカズンがスタート今イチだったので、自然にハナに行く形。残り600からの1ハロン11秒6とペースアップして後続を引き離しにかかり逃げ切り態勢。最後の直線も岩田騎手が容赦なく左ステッキ連発で、終わってみれば8馬身差のワンサイドVでした。当然今後もこの路線では主役。

2着 ナイキマドリード
 昨年の当レースではスーニ、ダイショウジェットなどを抑えて優勝。4走前のゴールドCも鮮やか。以前よりもムラ駆けの傾向は出てきましたが、5戦4勝と鬼とも言える浦和コースで、当然注目すべき存在でした。この日はプラス2キロの483キロ。パドック周回は気合乗り今イチでしたが、最近はいつもこんな感じ。川島騎手が騎乗するとシャキッとして俄然好気配。レースは好スタートから川島騎手が気合をつけて内4番手から。勝負処からのペースアップに若干置かれたものの、4コーナーでは離れた3番手。ジリジリ脚を伸ばして2着争いに競り勝ちました。自分の時計では走れておらず内容的には平凡ですが、とりあえず地方最優秀短距離馬の意地は見せました。

3着 トウショウカズン
 初重賞の根岸Sは気後れすることなく先行勝負。切れ者2頭の一角を崩して2着。地方初参戦の黒船賞も、セイクリムズンとタイム差なしの2着。ダート交流路線の世代交代を迫る急先鋒。今回もべストの千四、鞍上に内田博を配して主役候補でした。この日はプラス5キロの537キロ。大型馬ですが、決して太目感はなく均整の取れた好馬体、適度な気合乗り。逃げも十分に予想されましたが、スタートでやや躓いて5番手からの競馬。勝負処から進出を図り4コーナー4番手。最後の直線もジリジリ伸びてきましたが3着に終わりました。追ってからそう味があるタイプではなく、やはりスタートミスが致命傷。悪くとも2番手あたりからの競馬ができていれば、楽に2着はあった。

4着 トーセンピングス
 転入後は船橋の千七で3勝と意外な耐久力を発揮していますが、JRAでは短距離主体。浦和千四は適条件ですが、それでも交流のメンバーに入ってはどうかなとみていました。この日はプラス6キロの574キロ。超巨漢馬の割に体つきがシャープで馬っぷり上々、風格があります。レースは張田騎手が気合をつけて2番手から。積極果敢にセイクリムズンを追いかけ、勝負処からのペースアップにも必死に食い下がり番手を死守。最後は2着争いに競り負けて4着に終わりましたが、なかなか中身の濃い競馬でした。鋭い脚はありませんが、実にねちっこい馬で今後も要注目。

5着 スーニ
 二度目のJBC優勝を含め交流4連勝はお見事。ただし、勝ちパターンの黒船賞で伸びを欠き、前走の東京スプリントも後方で動けずと、今季2戦が不甲斐ない。稽古は動いており、現状ベストの千四で正に正念場とみていました。この日はマイナス2キロの467キロ。パドックの外目をキビキビ周回するのはいつも通りですが、馬体が戻っていなかったのは誤算。以前に比べるとこじんまりした印象。レースはダッシュひと息で後方8番手から。途中からマクり上げるのはいつものパターンですが、推進力を欠いて思うようにポジションを上げられず、叩いて内を突いたものの離された5着。明らかにパフォーマンスが落ちています。一時的なスランプなのか、衰えがきているのか微妙ですが、現況では見通しは険しい。

9着 スターボード
 長期の休養を経て南関で復活。前走の東京スプリントは無理なく超ハイラップを刻みゴール寸前まで粘って3着。過去千四を3勝と距離OK。ラブミーチャンが回避して逃げも十分可能なら気になる存在でした。この日はプラス6キロの515キロ。気合乗り十分の好馬体はいつも通り。レースはスタートひと息。戸崎騎手も無理をせずに3番手から。流れには乗っていましたが、残り600からペースが上がると、追走が厳しくなり呆気なく圏外へ。9着とは意外な崩れ方。やはりスタートで少しリズムを崩したのと、基本的には逃げ馬なのか。