第48 回 関東オークス(Jpn2)

【予想】
◎オールドパサデナ
○エイシンキンチェム
▲サトノジョリー
△アスカリーブル
△マシュマロ
△コテキタイ

 JRA勢を重視。その中でも2連勝と勢いがあるオールドパサデナは、血統、レースぶりから距離の延長もプラスに作用しそうなので◎。エイシンキンチェムは男馬の強豪が相手の兵庫チャンピオンシップ4着が評価すべき走りで、スンナリ逃げなら逆転も。サトノジョリーは折り合いカギでも鞍上ウィリアムズが魅力。南関勢ではもちろんアスカリーブル。

【レース】
 岩田エイシンキンチェムが逃げる勢いで飛び出したものの、1番枠から先手を主張した本橋リカチャンスがハナ。1周ホームストレッチで2番手に上がったのがウィリアムズ騎乗のサトノジョリー。戸崎シラヤマヒメが続いて、エイシンキンチェムは内3番手に引く形。その後ろに張田コテキタイ、川田マシュマロで、今野アスカリーブルはジックリ中団に待機。横山典オールドパサデナは外々を回り行きっぷり? 残り600で先頭を奪ったサトノジョリーが、後続を突き放し逃げ込み態勢。シラヤマヒメが一旦は2番手に上がりましたが、その外から一気に脚を伸ばしたのがアスカリーブル。並ぶまもなく抜け出して、見事に2冠を達成しました。サトノジョリーが2着。

【各馬の寸評】
1着 アスカリーブル
 大きく体重が減少しながら楽勝を決めたユングフラウ賞で、この馬の実力を再認識。同じく圧勝した東京プリンセス賞の時計は1分53秒5。同開催の羽田盃が1分52秒9なら悪くない時計。JRAとの比較は微妙ですが、南関勢ではもちろん1番手の評価でした。この日はプラス2キロの453キロ。決して細目感はなく、適度な気合乗り。毛ヅヤの良さも目立ち、万全の仕上がりと判断。レースは出たなりで今野騎手がジックリと構えて中団7番手からの競馬。2周目3コーナー過ぎからスパートを開始して4コーナーでは3番手に進出。この時点ではまだサトノジョリーとは距離がありましたが、メンバー最速の上がりを駆使して鮮やかに差し切りました。馬場的に時計の2分14秒1はマズマズ及第点。展開がハマったのと今野騎手の好騎乗もありますが、実力の裏付けがあってのこと。同僚のエミーズパラダイス(羽田盃2着、東京ダービー3着)と同等の力があるとみていい。

2着 サトノジョリー
 ダートは3戦して1、1、5着。前走の昇竜Sは5着ですが、昨年の勝ち馬カラフルデイズも同様に昇竜S5着からの参戦。そういう意味ではゲンがいいし、鞍上ウィリアムズからも注目の一頭でした。この日はマイナス4キロの426キロ。決して細目感はなく、数字以上に大きく見せる体つき。落ち着きがあるし毛ヅヤも良く上々の仕上がりと判断。レースは出脚は今ひとつでも、鞍上が気合をつけて1周目ホームストレッチでは外2番手へ。後方で折り合いに専念の過去のレースとは一変した戦法。いち早くスパートをかけて残り600で先頭。4コーナーでは3馬身ほどのリードを保って直線へ。勝利は目前でしたが、勝ち馬に予想以上の脚を使われて2着に敗れました。ただし積極果敢に自分でレースを作った走りは勝ち馬と同等の評価。それとさすがにウィリアムズ騎手はひと味違う。さほどの大物感はなくとも、曲者牝馬として要注目。

3着 シラヤマヒメ
 道営デビューで千七の新馬を1着。以降も長目の距離志向は血統に照らし合わせてのことでしょう。ただし、新馬の1勝のみは厳然たる事実だし、クラウンC、東京湾Cともに決定的な着差。牝馬同士とはいえ、交流戦では厳しいとみていました。この日はプラス4キロの490キロ。体重の割にスラッとした馬ですが、付くべき処に肉が付いて大分逞しくなってきました。レースは好スタートを決めて外4番手から。向流しで3番手に上がり、3コーナー過ぎからは先頭を走るサトノジョリーを2番手で追う形。さすがに負荷が大きく差し込まれての3着ですが、非常に中身の濃い走りでした。長目の距離の耐久力勝負で本領発揮。

4着 マシュマロ
 ユキチャンとの姉妹制覇なるかで話題性抜群の白毛馬。臨戦過程も姉とほぼ同じ。問題は前走で大きく減った馬体の回復ですが、この日はこの日はプラス2キロの468キロ。少し華奢な印象を受けますが、ユキチャンもオークスを使った当時はこんな感じ。一見して芝向きふう。川崎の脚抜きのいい馬場には適性が高いはず。折り合って行ければ上位も可能とみました。レースは出脚ひと息。川田騎手がかなり気合をつけて6番手からの競馬。ほとんどポジションに変化はなく、流れ込んだ形の4着。あまりメリハリのない走りでした。それでも見た目以上に渋太いところがあり、あと20キロくらい体を増やしてパワーアップしてくれば、姉くらいに出世する可能性も。

5着 レディーソルジャー
 短距離路線を歩んでいたのが、桜花賞では大外枠もあり抑えて行ったところ、ひと脚使って4着。前走の東京プリンセス賞も、後方から脚を伸ばして3着と、大分板に付いてきた模様。ただし、このメンバーで2100となると、さすがに強気にはなれませんでした。この日はプラス3キロの439キロ。体はキープしていますが、初コースのせいか、ややテンションが上がり気味。レースは予想通りに無欲の待機策。後方12番手から進み、直線勝負で5着は、桜花賞、プリンセス賞と同じパターン。基本的には短距離向きなので、その路線での活躍を期待。

8着 エイシンキンチェム
 芝オンリーで、前走の兵庫CSが初ダート。4着に終わりましたが、1着オースミイチバン、2着タイセイシュバリエのその後の走り。そして3着プーラヴィーダが東京ダービー2着。結構ハイレベルのメンバー。長目の距離を一度経験しての牝馬戦なら、当然有力な一頭でした。この日はプラス2キロの465キロ。体つきに特にインパクトはありませんが、非常に落ち着きがあり、力を出せる仕上がりと判断。レースは好スタートから岩田騎手がハナを主張する構え。ただし1番枠の本橋リカチャンスも譲らぬ構えで、しばらく競り合った後にやむなく控える形。行こうとして行けなかったためにリズムを崩したようです。内4番手を進んだものの、勝負処で手応えが怪しくなり早々にギブアップ。展開不利に加えて、距離も短目の方が合うのかもしれません。

9着 コテキタイ
 1冠目の桜花賞は1番枠から逃げて楽勝。前走の東京プリンセス賞は、内のエンジェルツイートにハナを譲り、頑張ったものの4着。サウスヴィグラス産駒ですが、気分良く逃げれば距離はこなしそうな感じ。エイシンキンチェムを抑えてハナに行ければ残り目ありとみていました。この日はプラス12キロの462キロ。輸送の短い地元戦なら当然の馬体増で、全く太目感なく好気配。レースは好スタートを決めた1番枠の本橋リカチャンス、そして岩田エイシンキンチェムが、何が何でもの気構え。それに気圧されたのか早々にハナはあきらめて5番手から。これでは競馬にならずこの結果も納得。先手さえ取り切れれば、いつでも大駆けがある。

13着 オールドパサデナ
 2連勝の勢い買って◎を打ちましたが、全く目算が外れました。この日はマイナス1キロの491キロ。キリッと引き締まった体つきに適度な気合乗り。特に問題ない仕上がり。レースはスタートひと息で後方10番手から。器用さに欠けるせいか、コーナー毎にロスがある感じで自然消滅。全く力を出し切っていないのは確かですが、◎は買いかぶりだったかも…。