第15 回 京成盃グランドマイラーズ(S3)

【予想】
◎カキツバタロイタル
○クリーン
▲トーセンピングス
△ディアーウィッシュ
△ケイアイライジン
△シーズザゴールド
△ルクレルク

 距離万能のカキツバタロイヤルですが、昨年の日本テレビ盃(1800)では、ハイラップを刻むスマートファルコンを積極果敢に追いかけたように、行かせれば結構行ける馬。前走の川崎マイラーズ1着が示すように、1600〜1800あたりに一番適性が高そうで、再度S3なら負けられない一戦とみました。パワー抜群のクリーン本線ですが、極端に馬場が悪化するようだと、トーセンピングス以下先行勢の粘り込みも十分。

【レース】
 注目の逃げ争いは、内枠を利して張田トーセンピングスがハナ。的場文マグニフィカが2番手に行き、今野ディアーウィッシュは一歩引いて内3番手。その外に戸崎ルクレルク。川島ケイアイライジン、真島シーズザゴールドは中団。石崎駿カキツバタロイヤル、本橋クリーンは後方。馬場状態を考えるとペースはスローに近い平均ペースで前残りの競馬。ゴール前100で逃げるトーセンピングスを交わしたマグニフィカが約2年ぶり、復活の勝利。懸命に差を詰めるディアーウィッシュ、ケイアイライジンを抑えてトーセンピングスが2着死守。

【各馬の寸評】
1着 マグニフィカ
 3歳7月のジャパンダートダービーを勝って以降はほとんど鳴かず飛ばず。昨年の当レースは2番人気で7着。スプリント戦に目先を替えればスピード負け。2、3走前の逃げ絶対有利だった時の大井の馬場で楽に逃げられた際も連続4着。軽量56キロで的場文騎手でも印は付け切れませんでした。この日はプラス3キロの539キロ。相変わらず馬っぷりは抜群でも、3歳当時に比べると馬が落ち着き過ぎている感じも。レースは的場文騎手がステッキを振るって逃げる構え。ただし、内の張田トーセンピングスがハナを主張したので2番手に控える形。先行馬ペースとはいえ、普通は負けパターン。4コーナーあたりの手応えは快調に逃げるトーセンピングスに見劣りましたが、執拗に食い下がってゴール前100でこれを交わし先頭。的場文騎手の豪腕を駆って、最後の1ハロン13秒7も要するサバイバル戦を凌ぎました。まだこれだけで即復活とみるのはどうか。

2着 トーセンピングス
 今年船橋に矛先を向けて、いずれもA2下の1700を3勝、2着1回の荒稼ぎ。単なる粘着先行型と思いきや、前走のさきたま杯ではセイクリムズンを積極果敢に追いかけて4着。もう少し大事に乗っていれば楽に2着はあった競馬。オープンクラスのスピード競馬にも楽に対応できることを証明。馬場次第では相当うるさい存在とみていました。この日はマイナス2キロの572キロ。超巨漢馬ながら均整の取れた体つきで太目感はありません。レースは好スタートから張田騎手が気合をつけてハナを主張。遅過ぎず速過ぎず巧みなペース配分で逃げて、4コーナーでは3番手以下に水をあける形。最後はマグニフィカに競り負けましたが、能力は十分に出し切りました。切れる脚がないので重賞レースを勝ち切るのは難しいかもしれませんが、常に連下にはマークが必要。

3着 ディアーウィッシュ
 前走の川崎マイラーズは大乱戦に巻き込まれてしまい、あれで0秒5差なら頑張った方。当レースは連覇中で、他に1600の重賞を1勝のマイラータイプ。年齢的に上積みは?ですが、それでも警戒は怠れない一頭でした。この日はプラス1キロの527キロ。珍しく少々馬っ気を出していましたが、他に特に変わった点はなく、順調と判断。レースは好スタートから今野騎手が気合をつけて先行。外2番手が取れれば理想でしたが、外からマグニフィカに来られて、内3番手に入る形。これはちょっと誤算だったか…。勝負処で前2頭に置かれてしまい、今野騎手がステッキ数発。最後の直線は外からジリジリ脚を伸ばして、詰め寄る根性を見せました。やはり左回りの1600ベストを再確認。このレベルの争いならまだまだ主役級です。

4着 ケイアイライジン
 前走の大井記念は残り800の地点で一旦は先頭に立ったものの5着。やはり距離の2600は長かった様子。JRAから通算して5勝の内訳は1800が3勝に2000が2勝。そして1900の埼玉栄冠賞でボランタス、カキツバタロイヤルと大接戦の3着。距離こなすとはいえ、基本的にはスピードタイプで、あまり長いよりは1600くらいの方が合いそう。稽古も抜群に動いており気になる一頭でした。この日はプラス1キロの538キロ。馬っぷりの良さは相変わらずで申し分のない気配。ただしレースでは出負けが致命傷。川島騎手が気合をつけて行ったものの、6番手からの競馬。ペースを考えても、五分に出ていれば3番手には行けたのでは。勝負処からはロスなくインを回り、最後の直線は外から詰めてきましたが、及ばず4着止まり。ソコソコ来ているだけに惜しかった。今本当にデキがいいので、このレベルの競馬ならいつ勝ってもおかしくない。

5着 シーズザゴールド
 一昨年の羽田盃以降は勝ちから遠ざかっているものの、気配的には大分上向き。前走の川崎マイラーズでは、59キロを背負ってソコソコ見せ場。今回は56キロ。人気的にも狙い目ありとみていました。この日はプラス9キロの504キロ。全く太目感はなく、これは中身が伴ってきた分。懸念したイレ込みもそうひどくはなく、更に状態アップと診断。レースは出たなりで中団7番手からの競馬。最近短距離を使っているせいか、前半の反応が改善されたのは確か。ただし勝負処から思うようにポジションを上げられず、僅かに詰めた程度の5着。先行決着では分が悪かったか…。流れ次第では復活の可能性は残されています。

6着 カキツバタロイヤル
 距離万能の実力馬として確固たる地位を築いた同馬。ただし、ロイヤルタッチの仔は概してスピードタイプが多いし、レースぶりからも1600〜1800あたりがベストの感じ。S3のマイル戦なら当然の◎でした。この日はプラス11キロの440キロ。体重の増減の振幅が狭いこの馬には珍しい大幅馬体増。確かにいつもよりもコロンとした感じ。ただし減るよりはいいはずで地力信頼。レースは石崎駿騎手が多少気合をつけて9番手からの競馬。この程度は想定内ですが、道中の行きっぷりが思わしくなく、ポジションを上げるのもままならない様子。再度の直線は内を突いて6着まで。休み明けを激走後で多少楽をさせたのもあったのか…いわゆる典型的な2走ボケのパターン…今回は基準外とみたい。

7着 クリーン
 出遅れながら豪快にマクり切った転入緒戦が圧巻。さすがに前走のかしわ記念はスピード負け。S3なら当然反撃可能ですが、道悪で時計の速い競馬になった際に疑問符が付き、人気ほどの信頼は置けないとみていました。この日はプラス4キロの622キロ。6…という数字はサラブレッドの概念を超えています。年齢的なものに加えて、本来の気質的にもおっとり型。レースはスタートは普通に出て後方10番手から。向正面から一旦はマクって出る構えを見せたものの、スピードが乗らずほとんど見せ場なし。やはり時計のかかる力の要る馬場でないと苦しい。