第16 回 スパーキングレディーカップ(Jpn3)

【予想】
◎クラーベセクレタ
○ミラクルレジェンド
▲プレシャスジェムズ
△エーシンクールディ(出走取消)
△スティールパス
△レッドクラウディア
△プレシャスジェムズ

 数字的には3歳時と変わらずとも、体つきが非常に良くなったクラーベセクレタ。あまり長い距離よりは1600あたりがベター。左回りの方がスムーズ。ローテーション?のミラクルレジェンドに対し、こちらはここ照準に力を温存しているだけに、マリーンCの雪辱を果たすとみました。ミラクルが意外に動かないようだと、プレシャスジェムズ以下のJRA勢が浮上。

【レース】
 逃げ確定のエーシンクールディが取消したとあれば、逃げ候補はリカチャンスとプレシャスジェムズ。好スタートから一旦はリカチャンスが逃げる態勢でしたが、スピードに勝るプレシャスジェムズが、コーナーを回ると先頭に。ハナに立った処で急激にハロン14秒台にペースダウン。そこで後続が一気に接近して先行グループは団子状態に。隊列が決まると淡々と進み、4コーナーでは人気処が2馬身圏内に凝縮して完全に瞬発力勝負。スティールパスがクラーベセクレタに競り勝ち、重賞レース初挑戦で交流Vの快挙を達成しました。内を突いたミラクルレジェンドが3着。

【各馬の寸評】
1着 スティールパス
 一千万、千六百万を連勝して、オープン入り緒戦の欅ステークスは4着。ジックリ溜めて直線勝負がパターンで、35秒台の瞬発力が売り。ただし、1200〜1400の短距離路線。小回り川崎の1600で仕掛け処が微妙。△に留めました。この日はプラス22キロの480キロ。当然デビュー以来の最高体重。馬っぷりは悪くありませんが、やはり多少余裕のある造り。毛ヅヤは上々で適度な気合乗り。レースは出たなりで進み、1コーナー過ぎにペースダウンした処で、馬の行く気に任せて先行グループに取り付いたのが蛯名騎手の好判断。多少折り合いに苦心したものの、徐々にポジションを上げて4コーナー大外へ。クラーベセクレタとのデッドヒートでは、最後の1ハロン11秒9と、持ち前の瞬発力を遺憾なく発揮。見事に競り勝ちました。蛯名騎手のファインプレイは確かですが、馬自身も相当成長している様子。1600以下の距離なら、今後もかなりの活躍が見込めそうです。

2着 クラーベセクレタ
 昨年は男馬のクラシック路線を歩み2冠奪取。クイーン賞で念願の交流初V。南関の牝馬では近年最強レベル。あまり長目の距離よりは1600ベター。左回りの方がスムーズ。強敵にローテーション面での不安があるだけに、チャンスとみました。この日はプラス2キロの467キロ。丸みを帯びた体つきが非常にいいし、期待通り完璧な仕上がり状態。レースは戸崎騎手が多少気合をつけて外3番手から。後ろのミラクルレジェンドを警戒しつつ大事に構え、4コーナーでは先行2頭の外併走。すぐ背後に接近するスティールパスとのデッドヒートになりましたが、相手の瞬発力が上回り半馬身差の2着。結果論ですが、もう少し積極的に運んでいれば、結果は違ったかもしれません。ただし、ミラクルレジェンドには先着して溜飲を下げました。

3着 ミラクルレジェンド
 よもやの帝王賞からの連闘策。確かに帝王賞は、内が伸びない馬場のインに入ってしまったし、バテたランフォルセの直後で窮屈になるシーン。不完全燃焼の憂さを晴らすべくこの強行軍。実力bPは認めても、不安は拭い切れませんでした。この日はプラス2キロの437キロ。懸念した馬体減りはなかったし、毛ヅヤもいい。レコード勝ちした当時のキビキビ感はありませんが、思ったよりも好気配。レースは岩田騎手が気合をつけて内6番手から。十分に前が射程圏内。マリーンCでは勝負処から外に出して前を呑み込みましたが、今回はタイミング良くスティールパスに動かれて、内に入る形。岩田騎手が左ステッキ連発で懸命に追ってきましたが、3着に終わりました。勝負処から動けなかったのか、あるいはタイミングを逸したのか…。いずれにせよ絶対感は薄らいできました。

4着 レッドクラウディア
 昨年のこのレースは昇竜S、ユニコーンSを連勝した3歳馬アイアムアクトレスが1番人気になりましたが、ラヴェリータに完敗。この馬は昇竜Sが1着でユニコーンSは11着。評価は微妙ですが、やはり52キロの斤量が魅力で侮れない一頭とみていました。この日はプラス6キロの476キロ。ややテンションが上がり気味で、体重の割に線が細い印象。それでもこれでプラス6キロなら、いいと判断すべきなのか。レースは出たなりで内4番手から。理想的なポジションでしたが、勝負処からペースアップした際に、その対応に苦労するシーンも。最後の直線は内に突っ込んで、離された4着。力負けというか、決め手負けというか、現状ではこれが精一杯の走りでしょうか。もうひと回り体が成長してくれば、交流路線でも勝ち負けの存在に。

5着 ミヤサンキューティ
 曲者揃いの大井スプリント戦を勝ち抜いてA2まで出世。パワフルな末脚に磨きがかかる父クロフネの大型牝馬。必ずしも短距離馬とは言い切れませんが、今回に関しては条件が厳しいとみました。この日はマイナス2キロの545キロ。川崎で馬場見せも済ませているし、落ち着き払って堂々たる馬っぷり。状態 に関しては何ら不安材料なし。レースは真島騎手が距離を意識して慎重に構え、7番手からの競馬。マイペースを守り、正味直線だけの競馬で5着。1分40秒4で駆ければ十分にメドが立ちました。今後の牝馬重賞路線の台風の目。

11着 プレシャスジェムズ
 南関では4戦して4、2、3、3着。決め手負けの形でクラーベセクレタに連敗。打開策としては思い切った戦法。エーシンクールディがいなくなり、大逃げでも敢行すればあるいはという気もしました。この日はマイナス1キロの508キロ。相変わらず馬っぷりはいいものの、この馬にしては気合不足。レースは一旦は逃げる態勢だったリカチャンスを制して、2コーナーで先頭。これは大逃げになるかなとみていたところ、武豊騎手が抑え込んで溜め逃げの形。ペース的にはかなり楽な逃げでしたが、4コーナーでクラーベセクレタに並ばれ交わされると呆気なく急ブレーキ。好凡走の落差が大きい馬にしても、あの展開で3秒6差の殿りは負け過ぎ。状態が伴っていなかったとしか考えられません。