第33回 サンタアニタトロフィー(S3)

【予想】
◎ファイナルスコアー
○ケイアイライジン
▲カキツバタロイヤル
△スマートインパルス
△ピエールタイガー
△シーズザゴールド

 初マイルの川崎マイラーズでは、掛かり通しで行きながら2着に押し上げたファイナルスコアー。距離二度目の武蔵野オープンは、スムーズに折り合い楽勝。更に距離に馴染むとみれば、先行抜け出しが濃厚とみました。穴は好枠先行のケイアイライジン。当レース3連覇を狙うカキツバタロイヤル以下△勢まで接戦。

【レース】
 逃げ候補のマグニフィカ、トーセンピングスが出脚ひと息。真島騎手が気合をつけて先手を主張したのがピエールタイガー。ゴーディー、ディアーウィッシュと続き、内4番手にファイナルスコアー。カキツバタロイヤルが早目の競馬で外5番手。ペースは平均。勝負処から展開がバラけて、前2頭が後続を離す形。2番手から渋太く脚を伸ばしたゴーディーが、残り100でピエールタイガーに並びかけ、最後は半馬身競り勝ちました。後方から脚を伸ばしたシーズザゴールドが3着。

【各馬の寸評】
1着 ゴーディー
 金盃の敗戦を糧に番手競馬を習得。以降4連続連対で再び重賞レースに挑戦。マイル38秒台を連発なら机上の計算では足りるところですが、他に同型の先行タイプが多いので、展開的にどうかなとみていました。この日はプラス1キロの482キロ。特に気合を見せない馬で、体つきからも平均点の仕上がり。レースは好スタートから赤嶺騎手が多少気合をつけて外2番手と絶好のポジション。気分良くレースを進めて、3コーナー過ぎには2頭で後続を離す形。手応え的にはピエールタイガーに若干見劣りましたが、残り100でこれを交わして、人馬ともに嬉しい重賞レース初制覇を果たしました。時計の1分39秒7は、多少時計がかかる馬場にしても平凡。他の先行タイプが出脚ひと息で、望外の好ポジションをゲットできたのが大きな勝因。恵まれたという印象は拭えません。

2着 ピエールタイガー
 今年川崎に矛先を向けて準オープンを5連勝。2走前の1分40秒6は、前日川崎マイラーズ1着カキツバタロイヤルが40秒3だから、重賞でも足りる計算。地元千六の経験が一度のみというのがネックですが、その昇り調子は要注目でした。この日は増減なしの496キロ。ゆとりのあるローテーションで使われており気配落ちなし。絶好のデキと診断。レースは真島騎手がハナを主張。逃げ候補のマグニフィカ、トーセンピングスがスタートひと息もあり、注文通りに。馬がその気になって行きたがるのをなだめつつ平均ペースの逃げ。道中特に動きはなく、2番手ゴーディーと後続を離す形で直線へ。手応えの割にゴーディーに交わされたのは、多少折り合いを欠いたためか。マイラーとしては完成の域に近付いてきました。

3着 シーズザゴールド
 昨年の金盃2着以降は、再び入着ラインの攻防。ただし、大分イレ込み癖が解消してきたし、馬体も増えて良化傾向。斤量有利で穴候補として魅力のある存在でした。この日はマイナス6キロの498キロ。適度な気合乗りで体もフックラ映し好気配。レースは例によって出脚はひと息、後方12番手から。徐々にポジションを上げて4コーナーでは7番手。完全な前残りの競馬を3着まで押し上げれば、マズマズでしょうか。流れ次第ではそろそろチャンスを掴めるかも。

4着 ディアーウィッシュ
 左回り専用のイメージがあるものの、一昨年の当レースはカキツバタロイヤルから0秒3差の3着。もちろん千六ベスト。印は付けなかったものの、前々で流れに乗れればソコソコはやれるとみていました。この日はマイナス7キロの520キロ。いつも通りに気合は前面に出さず黙々と周回。馬体減は単なる輸送減りか。レースは例によってスタートセンス抜群。楽に外3番手の好ポジション。流れに乗って行きましたが、勝負処でやや置かれ気味に。それでも辛抱強い走りで頑張り抜き3着。今のこの馬としては大健闘でしょう。得意の左回りに替わっても、勝ち切るイメージは沸きません。

5着 ボンネビルレコード
 最後の勝利は08年の日本テレビ盃。年々パフォーマンスが落ちているのは否めませんが、今回は逃げ先行多数で流れは向きそうなので、3着くらいはあるかなとみて△を打ちました。この日はマイナス3キロの477キロ。全盛期に比べるとややこじんまりした印象を受けますが、マズマズの仕上がり。レースは五分に出て的場文騎手がステッキを入れたものの、やはり行き脚がつかず後方14番手から。全くポジションを上げられず、正味直線だけの競馬。ギリギリ入着ラインは、近走と同じパターン。さすがに印を打つのも今回でストップか。

6着 スマートインパルス
 昨年下半期の上がり馬で、堂々たるオープン馬に成長。距離オールマイティの実力派。休み明けの今回は気配カギですが、気になる存在でした。この日は増減なしの441キロ。それほど見映えのする馬ではありませんが、気合が乗ってマズマズの仕上がり。レースは御神本騎手が気合をつけて内7番手から。懸命に前を追い、叩いて内を突いてきましたが6着止まり。使い込んで良くなるタイプということでしょうか。

7着 ケイアイライジン
 過去5勝の内訳は千八を3勝に二千を2勝ですが、基本的にはスピードタイプで千六が減点にはならないはず。前走の京成盃は出負けが敗因。1番枠から先行策を打てれば、穴に面白いとみていました。この日はマイナス2キロの536キロ。相変わらず抜群の馬っぷりで適度な気合乗り。ところがレースは出脚ひと息で離れた殿りから。追い上げる姿勢を見せたものの、さすがに置かれ過ぎで7着まで。スムーズな競馬ができればいつでも巻き返せるはずで、次走改めて注目。

9着 カキツバタロイヤル
 当レース2連勝中。復帰2戦目の前走京成盃が案外ですが、休み明け激走後で楽をさせたのか、プラス11キロの馬体増が誤算だった様子。中間入念に乗られているだけに、3連覇も十分に可能とみていました。この日はマイナス16キロの424キロ。一気に減り過ぎた気もしますが、全く細目感はなく、やはり絞れた分とみるべきか。大人しいのはいつも通り。レースは石崎駿騎手が気合をつけて大外枠から5番手に行く積極策。凄い意気込みですが、無理がたたったのか、勝負処で早くもステッキが入り怪しげな手応え。最後の直線も伸びる気配は皆無でした。結果的には積極策が裏目に出たのでは。状態に関しては特に問題はなかったと思います。

10着 ファイナルスコアー
 短距離から路線変更した2走前は、無理無理抑え込んでイン強襲の2着。前走は外好位で折り合い快勝と、学習力の高さをアピール。7歳とはいえ、依然として進化段階にあり、最有力とみました。この日はプラス1キロの485キロ。適度な気合乗りに力強い踏み込み。状態は文句なし。レースは戸崎騎手が気合をつけて内4番手から。大体想定されたポジションですが、行きっぷりは今イチ。勝負処からは差を広げられて追走が手一杯。まるで見せ場がなく10着に終わりました。敗因は掴み切れませんが、やはりベストはもう少し短目の距離ということか…。