第46回 黒潮盃(S2)

【予想】
◎アスカリーブル
○ロンドンアイ
▲ダイヤモンドダンス
△シラヤマヒメ
△ジャルディーノ
△ドゥフトライネン
△グラッツェーラ

 牝馬で57キロは実質59キロ。厳しいのは確かでも、このメンバーならアスカリーブルは譲れない一戦とみていました。素質秘めるロンドンアイ、ダービー4着ダイヤモンドダンス、オークス3着シラヤマヒメなどが相手に有望。

【レース】
 逃げ候補のロンドンアイが出遅れ。必然的にディーオが逃げる形。アイキャンデイ、エスワンプリンスと続いて、アスカリーブル、ジャルディーノ、シラヤマヒメは中団。ダイヤモンドダンスは例によって後方から。ペースはスローに近い平均で先行馬ペース。3コーナーからマクって出たアスカリーブルが、4コーナーでは3番手に上がり前2頭を射程圏内へ。残り200で3頭併走。最後は底力の差と追う者の強味。アスカリーブルがグイと抜け出し5個目の重賞タイトルを手中にしました。激しい2着争いはディーオに軍配。

【各馬の寸評】
1着 アスカリーブル
 同僚牝馬エミーズパラダイスとの使い分けで牝馬路線。6年ぶりに地方にタイトル奪還の関東オークスを含め主要レースを総ナメ。瞬発力に磨きがかかりその実力は男馬勝り。57キロでも主役は動かないとみていました。この日はプラス5キロの458キロ。間隔をあけてジックリ調整され、いつも通りの好気配。毛ヅヤ上々で、牝馬だけに暑さにも強いようです。レースは斤量を意識したのか、今野騎手が序盤は大事に運んで中団8番手から。3コーナー過ぎにステッキが入りゴーサイン。機敏に反応して4コーナーでは3番手に進出。残り200で前に並べばあとは実力の差。キッチリ抜け出しました。さすがにこの斤量だけに最後は一杯加減の脚いろでしたが、格の違いは歴然という走り。クラーベセクレタを追う存在に。

2着 ディーオ
 高い勝率を残して東京ダービーに挑戦。13着と大敗を喫したものの、先行勢が壊滅のレースで仕方ない面も。今回は休み明けが課題ですが、内目の枠から先手を取り切って気分良く行ければ、可能性ありとみていました。この日はプラス6キロの491キロ。決して太目感はなく適度な気合乗り。毛ヅヤも上々。気性的に仕上がり早のタイプか。レースはスタートはそうでもなかったものの、馬なりでハナへ。道中は行きたがる馬を左海騎手がなだめつつペースダウン。コーナーで息を入れ、4コーナーでも単騎先頭。残り200で2頭に並ばれましたが、スタミナを温存していた分、頑張りが利いて、アスカリーブルには交わされたものの、エスワンプリンスを差し返し気味の2着。自分の形に持ち込めば渋太いことをアピールしました。今回に関しては、同型ロンドンアイが出遅れたのも追い風になったか。今後も展開次第で好凡走の落差が大きくなりそうです。

3着 エスワンプリンス
 血統通りのパワー先行を武器に8戦7勝、2着1回の好成績。ただし、九州ダービーの勝ち時計は佐賀の馬場改修を加味しても近5年でワーストワン。昨年は他地区参戦、園田のオオエライジンが優勝しているものの、同等の扱いは難しいとみていました。過去一連は軽量不能で、この日は498キロ。ややテンションは高いものの、意外にスッキリした体つきで好仕上がり。毛ヅヤも上々。レースは鮫島騎手が多少気合をつけて外3番手から。緩目の流れに抑え切れない行きっぷり。4コーナーでは逃げるディーオに並びかける勢いで、アワヤのシーン。最後はアスカリーブルに交わされ、ディーオにも競り負けて3着に終わりましたが、九州ダービー馬の意地を見せました。血統的にはもう少し短目の距離が合いそうな気も。今後の成長ぶりに注目。

4着 ダイヤモンドダンス
 これだけのキャリアを積んで未勝利とは異色の実力派。的場文騎手の渾身の騎乗で羽田盃5着、東京ダービー4着と、脇役以上の存在感。今回も多頭数の捌きがポイントですが、2着争いには加われるとみていました。この日はプラス5キロの489キロ。ダービー以来ですが、太目感はなく、丸みを帯びた体つきは悪くありません。レースはヤンワリ出て後方12番手から。3コーナーから内に潜り込み、最後の直線も内ラチ沿い。的場文騎手が目一杯に叩き出してきましたが4着までは、いつものパターン。もう少し素軽さというか、器用さが欲しい。今現在のボンネビルレコードとイメージがダブります。ソコソコ格も上がっているし、1勝を挙げるのも容易ではない。

5着 シラヤマヒメ
 道営千七の新馬1着。以降も長目の距離を意識したローテーションで、それが結実したのが関東オークス3着。切れ味ひと息で単のイメージは沸かないものの、前々で流れに乗れれば上位争いに加われるとみていました。この日はプラス8キロの498キロ。元来がスマートな体型の馬で全く太目感はなし。この体重増は充実の証と判断。レースは好スタートから馬なりで中団7番手。若干ポジションを下げて、最後の直線は外に進路を。外詰めて5着はこの馬なりの走りでしょうか。ペース的にもう少し前々で運びたかった。

16着 ロンドンアイ
 後の羽田盃馬を千切り良馬場の千五を1分34秒7で駆けた1川崎が圧巻。紛れもなく素材は一級品。格付け緒戦の前走2着は少々不満ですが、スタートひと息だったし相手も絶好調馬。距離、大井コースにも馴染み、スンナリ先行が叶えば打倒アスカリーブルも可能とみていました。この日は増減なしの521キロ。相変わらず抜群の馬っぷり。うるさいくらいに気合が乗り、適度に汗もかいて万全の仕上がりと判断。レースは枠内で落ち着きがなくスタート出遅れ。後方11番手を進み、終始外々。全くレースの体をなしておらず殿り16着に敗れ去りました。この後遺症は気になりますが、普通に走れば次は挽回できるはず。