第9回 スパーキングサマーカップ(S3)

【予想】
◎クラーベセクレタ
○ピエールタイガー
▲ディアーウィッシュ
△ファイナルスコアー
△ナターレ
△スターシップ
△エプソムアーロン

 3歳、古馬と猛威を奮う川島正行厩舎の牝馬軍団。その頂点に君臨するクラーベセクレタが勇躍登場。前走のスパーキングレディーCは、勝った蛯名スティールパスに巧く乗られての瞬発力負け。左回り千六はベスト条件。南関同士なら死角ナシと判断。相手筆頭は無類の川崎巧者ピエールタイガー。ディアーウィッシュも外目好位なら。

【レース】
 ピエールタイガーがやや外にヨレ気味のスタート。対照的に内枠から絶好のスタートを決めたクラーベセクレタが馬なりでハナへ。ルクレルク、ディアーウィッシュの並びで平均ペースに落ち着き明らかに先行馬ペース。勝負処からナターレ、スターシップ、ピエールタイガーなどが3番手グループに接近してきましたが、逃げるクラーベセクレタを脅かす処までは至らず。最後の直線は軽く気合をつけた程度で、役者の違いを見せつけました。ルクレルクが2着死守で、完全に行った行ったの競馬。

【各馬の寸評】
1着 クラーベセクレタ
 前走のスパーキングレディーCは、悲願の打倒ミラクルレジェンドは果たしたものの、伏兵スティールパスに決め手負け。これはあくまでも展開のアヤで、牝馬最強レベルを再確認。南関同士でこの斤量なら負けられない一戦でした。この日はマイナス2キロの465キロ。最近は終始一定の体重をキープして状態はすこぶる安定。張り、毛ヅヤともに文句なし。レースは好スタートから馬なりでハナ。こうなると他馬も手出しができない状況。これが格上の強味です。勝負処から他の人気勢が上位に進出。2番手グループはひしめき合いましたが、この馬だけは別世界。影も踏ませぬ独走の逃げ切りでした。当然この秋以降は牝馬交流路線でJRA勢を迎え撃つ立場。ベストはこの左回り千六のような気もしますが、健闘を期待。

2着 ルクレルク
 川崎コースは過去5勝と得意。距離の千六もベスト。ただし、重賞レースは報知グランプリCの2着が最高で、タイトル奪取に至らず。勝ち負けは?とみていました。この日はプラス5キロの506キロ。気合乗り十分の好馬体は相変わらずで、7歳という年齢を感じさせません。レースは絶好のスタートを決めて逃げるクラーベセクレタの2番手へ。程よいペースで折り合いもスムーズ。何せ逃げているのがクラーベセクレタだけに、他馬も強引な仕掛けはなく、その恩恵に浴した感じも。2番手をギリギリ死守しました。時計のかかる決着になったのも幸いしたようで、恵まれた面は否めません。

3着 スターシップ
 JRA6勝、少し長目の距離で渋い走りを見せていた馬。転入緒戦、今年1月の報知オールスターC、距離二一を1着は、いかにもこの馬らしい走り。調教も動いており気になる存在でしたが、休み明けで忙しいマイル戦に対応できるか正直半信半疑の面も。この日はマイナス3キロの470キロ。報知の時の486キロに比べると少し減っていますが、体型的なものもあって、見た目はちょうどいい感じ。レースは出たなりで7番手から。思ったより前目のポジション。勝負処から進出して4コーナーでは3番手。最後の直線もジリジリ脚を伸ばしましたが、ルクレルクに僅かに及ばず3着。時計がかかる追走が楽なペースも幸いしましたが、秋シーズンに向けて明るい見通しが立ちました。

4着 ファイナルスコアー
 JRAでは一貫して千四までの短距離路線。ところが初めて千六を使った5月の川崎マイラーズでは、折り合いに苦労しつつも最内強襲の2着。続く武蔵野オープンも1着と不安を一掃。1番人気の前走サンタアニタトロフィー10着をどうみるかですが、対戦比較からは無視で着ない存在でした。この日はプラス1キロの486キロ。馬体はキープしているし落ち着きもあり、普段と変わらぬ状態。レースはスタートはひと息。それでも無理なく内4番手へ。勝負処の反応が今イチでやや置かれ気味に。最後の直線は叩いて内をついたものの、同じ脚いろになり4着が一杯。この馬の場合は、もう少し速い流れの方が合う。やはり短距離ベターか。

5着 ピエールタイガー
 今季川崎に矛先を向けて準オープン戦を5連勝の離れ業。走破タイムは優に重賞レベル。前走は地元大井の重賞サンタアニタトロフィーを逃げ粘って2着。コース替わりで当然要注目の一頭でした。この日はプラス3キロの499キロ。相変わらず馬っぷりは上々で、好調期間が長い。レースはスタート直後に外にヨレ気味。内中枠勢のスタートが良かったこともあり、6番手からの競馬。勝負処から真島騎手が叩いてマクって出て4コーナーでは大外3番手に上がりましたが、これが精一杯でした。2、3番手くらいに行ければ結果は違ったかもしれませんが、やはり外枠でのスタートミスは致命傷でした。

8着 ナターレ
 対クラーベセクレタは4連敗ですが、クラウンC、戸塚記念を含め全5勝が地元川崎コース。逃げも十分にあるとみれば侮れない存在でした。この日はプラス1キロの476キロ。フックラした体つきに適度な気合乗りで好調キープと判断。レースは的場文騎手が気合をつけて行ったものの、意外に行き脚がつかず5番手から。勝負処から動いて4コーナー3番手に上がったものの、最後は完全に一杯。やはり逃げないと持ち味が生きません。
10着 ディアーウィッシュ
 重賞レース3勝は、2年前の当レースを含めてすべて千六。年齢的なものか以前の決定力は薄れましたが、それでも前走は実績のない大井コースでサンタアニタトロフィー4着。マークは外せませんでした。この日は増減なしの520キロ。パドックではいつも通りに淡々と周回。特に変わりないデキ。ただし少々馬っけを出していました。レースは例によって好スタートを決めて外3番手。予想されたポジションですが、3コーナーで後続に被されると一気に後退。これでは先々狙いづらい。