第19回 アフター5スター賞(S3)

【予想】
◎ジーエスライカー
○セントラルコースト
▲ボク
△フジノウェーブ
△ジェイケイセラヴィ
△トップグラス
△シーズザゴールド

 昨年のJBCでは前半の3ハロン33秒5で逃げたジーエスライカー。何が来ようが絶対にハナを譲らない抜群のスタートダッシュが売り。南関同士のこのメンバーなら、大逃げを打って粘り切る公算が大とみました。本線妙味は叩いての変わり身十分セントラルコースト。吉原ボクも魅力。

【レース】
 例によって好スタートを決めたジーエスライカーがほぼ馬なりでハナ。2番手トップグラス、3番手セントラルコースト、その内にダイワシークレット。競り合いもなく流れが落ち着き、前半の3ハロンは34秒7。勝負処を迎えてもさしてポジションに変化はなく、セントラルコースト、ボクがマクりをかけた程度。マイペースで逃げたジーエスライカーの脚いろに衰えはなく、まんまと逃げ切りました。4コーナー2番手からこれに迫ったセントラルコーストが2着。トップグラスが大健闘の3着。

【各馬の寸評】
1着 ジーエスライカー
 タイトルは3歳時の京浜盃と昨年の船橋記念ですが、短距離に特化して交流重賞でも連対。ラブミーチャンとは相性が悪いものの、今回は南関同士で楽逃げ確定の組み合わせ。絶好の勝機とみました。この日はマイナス7キロの496キロ。前走が多少余裕の造りだったので、ちょうどいい感じ。パドックを周回する姿にも風格。レースはポンと出てほぼ馬なりでハナ。大逃げも予想されましたが、追いかけて来る馬がいなかったので、溜め逃げの格好。この馬にしては珍しいスタイル。終始余裕を持った逃げ。最後はセントラルコーストに迫られましたが、キッチリ残しました。ただし、もう少しピッチを上げて逃げた方が楽に勝てたのでは。引き付け過ぎのきらいも。交流路線では気風のいい逃げで健闘期待。

2着 セントラルコースト
 南関転入後は6戦して未勝利。人気先行は否めませんが、随所に非凡なスピード能力の片鱗を見せており、毎回注目している馬。叩いて動きがガラッと変わってきた今回、鞍上戸崎で魅力がありました。この日はマイナス6キロの512キロ。キッチリ絞り込んで活気もあり非常にいい雰囲気。たまに出遅れるケースがありますが、今回は普通に出て外3番手の好ポジションをゲット。勝負処から徐々に進出して4コーナー2番手。最後の直線もジリジリ詰め寄りましたが、楽に逃げたジーエスライカーには惜しくも及びませんでした。流れに乗ればこのくらいは走って当然の馬。交流レベルでは?でも、南関同士の短距離戦なら主役級の実力。

3着 トップグラス
 他がすべてA1に対して格下A3から敢然と挑戦。これはもちろん距離適性を見込んでのこと。1分11秒3の持ち時計は見劣らないし、軽量53キロなら食い込み可能とみていました。この日はプラス1キロの498キロ。適度な気合乗りで、ここ一連の状態をキープ。レースは絶好のスタートを決めて、内ジーエスライカーの動向を覗いつつ外2番手。おそらくこれは的場文騎手の青写真通り。負荷のかからないペースで折り合いもスムーズ。最後はセントラルコーストに交わされましたが、この馬自身の脚は使って際どい3着。大健闘と言っていいでしょう。番手競馬もスッカリ板についてきました。

4着 ボク
 昨年11月のマイルグランプリで重賞初勝利。休養明けの帝王賞は、11着とはいえ先行してソコソコ見せ場。距離の許容範囲の広い馬ですが、過去千二は8戦3勝、2着4回と抜群の実績。短距離でより一瞬のキレが冴えるので、鞍上吉原からも怖い存在でした。この日はプラス5キロの517キロ。年齢的に以前ほどの気合は見られませんが、馬っぷり上々で仕上げ万全。レースは序盤は中団8番手。意外にペースが上がらないのを見込んで吉原騎手が動き、早目に5番手に進出してマクり上げる体勢。最後のひと伸びを欠いて4着に終わりましたが、完全な先行決着で展開負けか。今後も千二〜千六までならコンスタントに駆けそうです。

5着 ヤサカファイン
 一昨年のこのレースの覇者で、以降も東京盃2着、北海道スプリントC2着と交流重賞でも好戦。スプリンターとしては南関屈指の存在。ただし、休み明け2戦が負け過ぎなのと、調教内容的も今ひとつなので印は付け切れませんでした。この日はマイナス1キロの506キロ。まだ多少余裕の造りですが、パドックでは周回を重ねるにつれて気合が乗り、毛ヅヤも上々。気配的には間違いなく上向き。レースは好スタート。外枠の分、大事に運んで中団の外々。マクって出てソコソコ脚を使い5着。本来のキレのいい走りではなくとも、復調の手応え十分。これでビッシリ追い切って10キロほど絞れてくれば、是非とも狙ってみたい。

7着 フジノウェーブ
 10歳を迎えた今年も1、2着と衰えを感じさせぬレースぶり。特に現状忙しいと思われた千二の東京スプリントでセイクリムズンの2着、1分10秒台で駆けたのは正直驚き。ただし、今回はこの馬にしては調教の動きが今一歩だったので、△に留めました。この日はプラス5キロの478キロ。これは前走で減らしたのを戻した分か。スッカリ枯れた感じで大人しくなったのは近走と同様。あまりピンときませんが、マズマズかなという印象。レースはスタートは普通に出たものの、ダッシュが利かず9番手から。道中動く気配もなく7着は、やはり状態が伴っていなかったということか。やはり基本的に千二は忙しい。この秋のスプリント路線で勝ち負けは?