第41回 戸塚記念(S2)

【予想】
◎アスカリーブル
○ショコラヴェリーヌ
▲シラヤマヒメ
△ダイヤモンドダンス
△ディーオ
△ドゥフトライネン
△ベルモントレーサー

 黒潮盃では57キロを背負って男馬を一蹴したアスカリーブル。あまり間隔がない点は気になりますが、中央馬を撃破した関東オークスと同じ舞台で譲れない一戦とみました。相手も牝馬重視でショコラヴェリーヌ、シラヤマヒメ。

【レース】
 内の左海ディーオの出方を覗いつつ、出たなりに的場文ショコラヴェリーヌがハナ。意表を突く先行策で森ダイヤモンドダンスが3番手。出遅れた今野アスカリーブルは1周ホームストレッチで4番手に進出。ペースは平均。残り800から一気にペースアップしたショコラヴェリーヌが後続を離して直線へ。4コーナー2番手に上がったアスカリーブルが、ゴール前200で先頭に立ち押し切りました。中団から脚を伸ばした御神本シラヤマヒメが2着。

【各馬の寸評】
1着 アスカリーブル
 関東オークスで中央馬を撃破。3歳牝馬の主要タイトルを総ナメ。返す刀で男馬をなで斬りの黒潮盃。今や世代屈指の存在感。オークスと同じ舞台で56キロなら負けられないとみました。この日はプラス1キロの459キロ。レース間隔がない点が唯一の不安材料でしたが、相変わらず馬体をフックラ映して活気もあり好気配。レースは出遅れ。慌てず徐々にポジションを上げ、ペースダウンがお約束の1周ホームストレッチで無理なく4番手に進出。残り800からペースアップした際に少し置かれましたが、追って追って4コーナー2番手に。残り200でショコラヴェリーヌを交わし、シラヤマヒメの追撃を1馬身抑えました。上がり2ハロンは14秒5〜14秒3もかかって勝ちタイムは2分17秒8。オークスの2分14秒1と比較すると極めて凡庸。出遅れ、道中のペース、少し時計のかかる馬場など様々な要因が考えられますが、やはり日数がなかった分、目に見えない疲れがあったのでは。それでも勝ち切るのだから、やはりこの馬は走る。

2着 シラヤマヒメ
 当初から長目の距離を意識したローテーションで、それが実を結んだのが関東オークス3着。前走の黒潮盃は5着に破れましたが、オークスと同じ舞台なら、アスカリーブル以外とは互角以上に渡り合えるとみました。この日はマイナス1キロの497キロ。間隔がない割に馬体が減ってこなかったし、いつも通りに落ち着きもあり好調キープ。レースは出たなりで中団8番手から。残り800でペースアップした際にステッキが入り反応?でしたが、エンジンが掛かり4コーナー5番手へ。上がりのかかる競馬に乗じてジワジワ脚を伸ばし、アスカリーブルに1馬身差まで迫った処がゴールでした。瞬発力ひと息のこの馬にはおあつらえ向きの流れでしたが、地力強化も見逃せません。

3着 ドゥフトライネン
 格付け後も長目の距離を主体のローテーション。前走の黒潮盃は、自分の時計だけ走って6着。距離の2100は全く問題ありませんが、初コースの川崎をどうこなすかがポイントでした。この日はマイナス3キロの482キロ。数字以上に体つきがキリッとした感じ。そして毛ヅヤの良さが目立ち、好調は間違いなし。レースは出たなりで中団7番手から。これもペースアップした際の対応に苦労しましたが、4コーナーでは離れた6番手へ。バテ比べといった様相の中、3着争いに競り勝ちました。正味目イチの競馬でも、少し評価は上がりました。

4着 ディーオ
 先行乱ペースになった東京ダービーは13着に敗れましたが、休養を経て臨んだ黒潮盃は、逃げ粘ってアスカリーブルの2着。今回はショコラヴェリーヌとの兼ね合いがポイントですが、抑えて行くとのコメントもあり、レースぶりが注目されました。この日はマイナス3キロの488キロ。以前より体つきがフックラ、集中力もあり申し分ない状態と判断。レースはやはりコメント通りにショコラヴェリーヌに行かせて2番手からの競馬、折り合いに専念。ただし、勝負処でピッチを上げたショコラヴェリーヌに水を開けられてしまい、最終4コーナーでは離れた2番手を数頭雁行の最内。最後イン粘りの3着は、流れを考えれば頑張った方かもしれません。タイプ的にはやはりもう少し短目の距離が合っていそうです。

5着 ハテンコウ
 クラウンカップ4着、東京湾カップ5着と重賞レースでも入着ラインには達していますが、勝ちが遠いのが現実。今回もその程度が一杯かなとみていました。この日はプラス3キロの488キロ。やや太目に映るのは体型的なもの。いつものデキと判断。レースは後方12番手から進み、上がりのかかる競馬に乗じてギリギリ掲示板。特に強調材料はなし。

7着 ショコラヴェリーヌ
 一連の重賞路線では完敗を喫しましたが、抜群の追い切りを消化した前走は、古馬の絶好調馬を抑えての逃げ切り。時計も非常に優秀。距離がカギですが、スローペースが通例の川崎2100なら残り目十分とみていました。この日はプラス6キロの497キロ。全く太目感はなく、馬体増は充実の証。落ち着きもあり好調キープ。なお発馬前突進。レースは好スタートから内のディーオの動向を気にしつつ馬なりでハナへ。1周ホームストレッチではペースダウン、折り合いはスムーズ。バックストレッチに入ると、残り800から11秒7のラップを刻んで急加速。4コーナーでは3馬身のリードを保ちアワヤと思わせましたが、最後はスタミナ切れ。後続に殺到されて7着に終わりました。それでもレースとしては完全燃焼。やはり基本はマイラータイプか。

8着 ダイヤモンドダンス
 これだけ多彩なキャリアを誇りながら未勝利とは、異色の実力派。この組み合わせなら当然問題になる一頭ですが、今回は的場文騎手でないのと、小回りの川崎コースにどう対応するか、期待と不安が半々でした。この日は増減なしの489キロ。丸みを帯びたフックラとした体つき。初コースを気にする風もなく落ち着き払っており、状態に関しては全く問題なし。レースはスタートひと息でしたが、テン乗りの森騎手が軽く気合をつけると3番手へ。これは予想外。向流しではディーオと2番手併走。これならと思わせましたが、勝負処でペースが上がると追走にひと苦労。4コーナーではまだ2番手グループの一角に踏ん張っていましたが、最後の直線は完全にバテて8着。やはりこの馬は差しに構えて一瞬の脚を生かした方がいいということか。乗り難しさは否めず、初勝利への道は険しい。