第11回 鎌倉記念(S3)

【予想】
◎クラグオー
○インサイドザパーク
▲ミータロー
△アイディンゴッテス
△ナスノキセキ(競走除外)
△ドリームキングダム

 他地区の人気馬が、初の左回りで破綻をきたしたケースが再三ある当レース。安心はできないものの、地力を素直に信頼すればクラグオー中心が妥当な線。極端に速い流れにはなりそうもなく、好位追走が叶うとみて、力づくで抜け出せる判断。南関の代表格は、小粒でもピリリと辛いインサイドザパーク。もう1頭の道営馬ミータローも底見せぬ魅力。

【レース】
 これといった同型が不在。予想通り、外枠から内に切れ込むようにしてアイディンゴッテスがハナ。同枠ウィンゲイルが2番手に行って、クラグオーは2コーナー過ぎに外3番手へ。直後にヒカリワールド、ミータロー、そしてインサイドザパークなど有力処がひしめき合い平均ペース。人気の今野クラグオーが案の定早仕掛けで4コーナー2番手、そして早目に先頭に立ちましたが、終いの脚が冴えたのはインサイドザパーク。道営2頭をまとめて交わして見事な勝利を収めました。

【各馬の寸評】
1着 インサイドザパーク
 若駒離れした末脚で2連勝。近2戦は道中モタついて、力負けというよりは取りこぼしに近い2着。初コース、多頭数の捌きに課題を残すものの、力通りに走れば単候補とみていました。この日はマイナス10キロの429キロ。小柄ながらバランスのいい好馬体の持ち主。決して細目感はありません。一切物見などせず集中していい感じ。レースは相変わらず出脚ひと息。中団7番手から進み、進出する気配を見せたものの、相変わらず勝負処での反応が悪く、直線勝負の形。エンジンが掛かってからの切れ味はさすが。最後の1ハロンは12秒を切る速い脚を使って突き抜けました。血統、レースぶりからは間違いなく距離が延びていいタイプ。優先出走権をゲットした全日本2歳優駿は、JRA勢が相手で微妙ですが、来年のクラシック戦線は楽しめる。

2着 クラグオー
 2歳時は短距離専用だった全姉クラキンコ(道営3冠馬)とは対照的に、こちらは2戦目から一貫して千七路線。渋い走りでメンバー最多の4勝。姉とは異なるタイプでも資質はやはり一級品。初の左回りさえこなせば勝てると判断しました。この日はプラス4キロの510キロ。まだ全体的に緩い感じを受けますが、大物感ある好馬体。オットリしたタイプで、忙しい競馬になった際に一抹の不安も。レースはやはり出脚はひと息。1周目ゴール板を過ぎたあたりから今野騎手が気合をつけて、2コーナー過ぎに外3番手へ。まずは理想のポジション。勝負処から徐々にピッチを上げ、4コーナーでは2番手。最後の直線は一旦先頭に立って勝利寸前のところで、インサイドザパークの強襲に屈しました。これは完全に決め手負け。良馬場での力勝負なら、また違った結果になったのでは。距離はもう少し欲しい。

3着 ミータロー
 JRA芝2戦を除けば1、1、4着。その前走4着も、メンバーの粒が揃った重賞イノセントC。クラグオーほどの大物感はないにしても、魅力のある存在でした。この日はマイナス6キロの464キロ。多少コロンとした体つきで、これは絞れた分と判断。落ち着きもあり好気配。レースは好スタートから服部騎手が気合をつけて外4番手、内ヒカリワールドと併走。ポジションをキープして最後の直線へ。一旦は2番手に上がりましたが、前を捕まえられず、後ろから差し込まれて3着。目イチの競馬で、これが現状の実力ですが、もちろんマダマダ伸びシロは残しています。

4着 ヒカリワールド
 能力試験で50秒を切り、新馬は54秒7の1着。同日新馬の他2鞍がともに55秒台だから、そのスピード能力は推して知るべし。ただし休み明け、イキナリ千五の重賞では、とても印は付け切れませんでした。この日はプラス3キロの479キロ。ややテンションが上がり気味でしたが、キリッと引き締まった体つきで悪くない。レースはスタートでフラついたものの、馬なり先行。外枠勢が殺到してきたので、無理せずに控える形で内4番手から。折り合いスムーズに進み直線勝負。外に持ち出そうとしたところ、前が壁になり窮屈な形。スムーズに捌けていれば、もう少し際どかったかも。諸々のハンデがありながらこの走りはなかなか優秀。次走のローレル賞では当然主役級。

5着 アイディンゴッテス
 浦和に矛先を向けた近2戦は、相手関係に恵まれたとはいえ、一転した先行策で2連勝。母はデビューから8連勝、通算16勝を挙げた快速馬ダイナマイトソウル。どうやらその血が騒いだ様子。稽古の動きも益々快調なら、逃げ要注意でした。この日はプラス5キロの452キロ。スッキリした体つきの馬だけに、キッチリ稽古を消化してのこの馬体増は好感。レースは大外枠から石崎駿騎手が気合をつけてハナへ。ここ2戦と同じパターン。無理のないペースで進んだものの、最終4コーナーではウィンゲイルに交わされ、追い込み勢にも殺到される厳しい流れ。5着に沈みましたが、ウィンゲイル(10着)は差し返しているし、あの形で0秒9差なら頑張った方でしょう。今後は牝馬路線での好走を期待。

6着 ドリームキングダム
 九百→千五を2連勝。いかにも真島騎手にマッチする、父マンハッタンカフェの大型追い込み馬。放牧明けで太目残りに要警戒ですが、魅力のある一頭でした。この日はマイナス5キロの511キロ。元来がモッサリ型で気合乗りは今イチ。馬っぷりは上々で特に太目感はなし。それなりの態勢と判断。レースは煽り気味のスタート。内8番手を進み、そのポジションで流れ込んだという感じの6着。メリハリのない競馬でしたが、やはりレース勘が伴っていなかったようです。叩いての変わり身に期待。