第19回 マイルグランプリ(S2)

【予想】
◎スマートインパルス
○ピエールタイガー
▲マニエリスム
△フジノウェーブ
△トーセンルーチェ
△ラインジュエル
△ブリーズフレイバー

 当然ピエールタイガーは注目ですが、内からブリーズフレイバーが先手を主張する可能性が大で楽観は禁物。復活を遂げた距離万能の実力派スマートインパルスに期待。斤量減のマニエリスム、古豪フジノウェーブ以下も僅差。

【レース】
 予想通り内から繁田ブリーズフレイバーがハナ。真島騎手もこれは承知の上で、ピエールタイガーは2番手に控える作戦。課題の折り合いもマズマズ。3番手ディアーウィッシュ、直後のインにスマートインパルス、中にマニエリスム、外にラインジュエルなど一団。中団にフジノウェーブ、ボンネビルレコードは例によって後方から。ペースは意外にスロー。馬なりで3コーナー先頭に立ったピエールタイガーが、後続を離して直線へ。最後まで脚いろ衰えず、危なげない勝利を収めました。もつれた2着争いは、伏兵ラインジュエルが浮上。

【各馬の寸評】
1着 ピエールタイガー
 スパーキングサマーCはスタートミスも響いて川崎で初黒星。続くオーバルスプリントは掛かり気味に飛ばして自滅。2連敗を喫しましたが、前走のムーンライトCですかさず反撃。ここも気分良く行ければ当然有力で、問題は内枠ブリーズフレイバーとの兼ね合いでした。この日はプラス5キロの499キロ。落ち着いてパドックを周回する姿はここ一連と同様で、すっかりオープン馬としての風格が出てきました。レースは真島騎手、予定の作戦か、内のブリーズフレイバーに行かせて外2番手から。慎重に滑り出したので、意外に折り合いスムーズ。スローペースだけに、後続のマクりを警戒して3コーナー先頭のスパートのタイミングもドンピシャ。後続を離して直線へ。激しい2着争いを尻目に、危なげなく1着ゴール。南関での重賞レース初制覇を果たしました。まだ全幅の信頼は置けませんが、千六路線に特化して今後も活躍が期待できる。

2着 ラインジュエル
 超地味な8歳牝馬ですが、5月のアルクツールス賞ではゴーディー(8月のサンタアニタトロフィー1着)を破り1分39秒1で1着。意外性のある差し馬で、穴ならという気はしました。この日はマイナス5キロの476キロ。前走がプラス11キロと多少太目だったので、これは絞れた分。大人しいのはいつものこと。レースはペースが遅いこともあり外4番手の好ポジション。勝負処からマクって出て3コーナーでは早くも2番手に進出。最後の直線は内外から実力馬に迫られましたが、持ち前の渋太さを発揮して2着を死守しました。個性派牝馬は依然として健在です。

3着 フジノウェーブ
 南関の短距離ランナーとして長く君臨。JBCスプリントを筆頭に重賞を8勝していますが、加齢とともにズブさが出てきたので、現状は千四〜千六あたりがベストの感じ。前走より1キロ減の58キロ。上がり目は薄くとも、勝ち負け確実とみていました。この日はマイナス1キロの477キロ。気配的にはいつもと変わりなし。スッカリ枯れた感じでオットリ。レースは坂井騎手が多少気合をつけて中団8番手から。勝負処からマクって出て4コーナーでは5番手に進出。直線もジリジリ脚を伸ばしましたが、3着に終わりました。やはりベストは千四か。

4着 マニエリスム
 前走のムーンライトCはピエールタイガーから0秒8差の4着。ただし、この時は15頭立て15番枠。今回は4番枠。しかも斤量が1キロ減って56キロ。南関5勝は全て大井の右回り巧者だけに、期待十分でした。この日はマイナス2キロの481キロ。もうひと絞りといった体つき。気合乗りも今イチですが、最近はいつもこんな感じです。レースは好スタートを決めて6番手から。3コーナーで内4番手に潜り込み、最後の直線も内へ突っ込む形。今ひとつキレを欠いて4着に終わりました。この馬の力からすればもう少し走っていい感じも。状態が伴っていないのか…。

5着 ボンネビルレコード
 功成り名遂げた実力馬も既に10歳。最近は直線勝負のワンパターンで入着ライン。大きくは負けてはいませんが、もうこの馬には印は付けまいと決めているのでヌケ。この日はプラス1キロの480キロ。適度に気合が乗って、気配は悪くありません。レースは後方12番手からの競馬で今回も正味直線勝負。全体時計、上がりタイムもかかる競馬に乗じて2着争いには加わってきました。これが精一杯でしょう。

7着 スマートインパルス
 勝負強さを発揮した前走の東京記念。今回は距離が二四から千六。ただし、過去この距離でも好走多数だし、状態も完全に戻っているので◎を打ちました。この日はマイナス1キロの444キロ。この馬にしては活気があり好気配、復調を確信。レースはスタートを決めて内4番手から。ペースが遅いので無理なく追走できましたが、3コーナーで交わされて下がってきたブリーズフレイバーが壁になり、踏み出しが遅れる破目に。最後の直線はインに突っ込みましたが、切れ味を欠いて7着。得意の競り合いに持ち込むに至らず、集中力が途切れてしまった感じです。これは基準外とみたい。

12着 トーセンルーチェ
 1番人気の東京記念を4着。今回は千六を使ってきましたが、適性は微妙。それでも力関係から△を打ちました。この日はマイナス2キロの557キロ。少し太目に映る体型、それほど気合を表に出すタイプではありませんが、それにしても覇気がない。一見して状態今イチの印象。レースはスタートひと息。中団7番手あたりを進みましたが、まるでいいところがなく後退。距離が合わなかったにせよ不甲斐ない。狙いは寒くなる時季からか。