第50回 ゴールドカップ(S3)

【予想】
◎ナイキマドリード
○タマモスクワート
▲ディアーウィッシュ
△トーセンアーチャー
△アドマイヤシャトル
△アドマイヤスワット
△サクラロミオ

 最近は若干停滞傾向のナイキマドリードですが、それでもさきたま杯2着と、千四以下なら交流重賞でも勝ち負けの実力。昨年楽勝劇を演じた当レースで復活の狼煙を上げるとみました。相手もJBCで見せ場を作ったタマモスクワートで本命戦。

【レース】
 1番枠から好スタートを決めたナイキマドリード。コアレスピューマ、ディアーウィッシュが控えたので、望外の単騎逃げ。勝負処では後続を離しにかかり早くも逃げ切り体勢。唯一追いかけて来たのがタマモスクワートですが、二の脚を使って振り切り、当レース連覇を飾りました。内々の経済コースでレースを進めた伏兵ナムラブレッドが3着。

【各馬の寸評】
1着 ナイキマドリード
 今年は1月の船橋記念1勝のみですが、さきたま杯ではセイクリムズンの2着と地力を発揮。前走のJBCも、スタートミスがなければあそこまでは負けなかったはず。南関の短距離王がキャッチフレーズですが、現状は千四、千五あたりがベスト。8馬身差の楽勝劇を演じた昨年の再現が濃厚とみました。この日はマイナス2キロの488キロ。パドックではそれほど気合を表に出さないタイプですが、それでも覇気が感じられ、毛ヅヤも上々。休み明けの中では一番の好気配。レースは1番枠から好スタートを決めて労せずしてハナへ。昨年に比べると前半が2秒近く遅いスローペースに持ち込み、勝って下さいと言わんばかりの展開。追いかけて来たタマモスクワートを振り払い、難なく連覇を達成しました。来季も交流路線でもうひと踏ん張りを期待したい。

2着 タマモスクワート
 果敢に挑戦したJBCは、南関最先着の6着。守備範囲を超えた距離二一、勝ちに行く競馬で見せ場は高評価。血統、レースぶり、実績からは明らかにマイラータイプ。地元浦和は初めてでも苦にするとは思えず、ナイキマドリード以外には負けられないとみていました。この日はプラス5キロの507キロ。相変わらず馬っぷり上々、どっしり構えて風格が出てきました。レースは見沢騎手が右ステッキ連打で外3番手と、理想的なポジション。3コーナー手前で単騎2番手に上がり、ナイキマドリードを追いかける姿勢。さすがに最後は脚が上がってしまいましたが、3着には決定的な差をつけて、目下の充実ぶりをアピール。千八くらいまでなら重賞ゲットの可能性も十分にありそうです。

3着 ナムラブレット
 今春は大井でブリリアントCを1着、大井記念3着、秋の埼玉新聞杯では4着。重賞でも展開がもつれれば入着ラインに達していますが、地元千五のスピード決着では追走に手こずりそうで、印は付けませんでした。この日はマイナス2キロの452キロ。パドックではいつも通りに淡々と周回する感じで、特に変わりない気配。レースは和田騎手が気合をつけて内5番手から。ペースが遅いこともありますが、この馬としては積極的な競馬。終始ラチ沿いを進み、4コーナーでは離れた3番手に進出。最後の勅撰も内を突いて3着に食い込みました。他馬の凡走に助けられた面もありますが、この馬らしい渋い末脚を駆使して存在感のアピール。今後もこういったケースがありそうです。

4着 アドマイヤシャトル
 3連勝してオープン入りしてからは壁に当たり伸び悩み気味。心機一転、南関で再起を図ることになりましたが、勝島王冠賞を見送ったローテーションの誤算も気掛かりで、△までしか打てませんでした。この日はプラス4キロの478キロ。なかなか見映えのいい体つきですが、もうひと絞りといった感じも。レースは山崎誠騎手が多少気合をつけて中団7番手から。勝負処からマクって出たものの、思うように差が縮まらず、離された4着が一杯。今回のみでは何とも言えませんが、使っての上積みは見込めそうです。

5着 コアレスピューマ
 スプリンターとしては一定の地位を築いている馬ですが、年齢的なものか、最近はいい意味での渋さが出て、前走は千四の準重賞で際どい3着。番手競馬にも対応。ただし、距離千五では、よほど楽に先行できないと厳しいかなとみていました。この日はプラス5キロの468キロ。相変わらず馬体をフックラ映して好気配。レースは本橋騎手が大事に構えて前半は4番手。ただし向流しでポジションを下げて、手応えも今イチ。10番手まで下がりましたが、終いは外から盛り返して5着。差があるとはいえ、この馬の脚質を考えればかなりの頑張り。それほどの衰えはなく、千二、千四あたりでメンバー次第ではマダマダ競馬になる。

8着 サクラロミオ
 一時浦和に在籍して2戦2勝。以降はJRAでオープンまで出世して、重賞でも再三好走。川島正行厩舎に移籍してどう変わってくるか注目していました。この日はプラス22キロの522キロ。やはり乗り込み量が多少不足しているせいか、多少太目の造り。地力でどこまでかという情勢。レースは出たなりで8番手を進み、ほとんどポジションを上げられず8着。いかにも叩き台という雰囲気ですが、もう少し見せ場が欲しかった。いずれにせよこのレース、あの形でコアレスピューマが5着に来るのだから、3着以下の馬に関してはそれほど価値が認められません。